※ オーストリア/ウィーン美術史美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(34)
テニールス(1610-1690)の 「大公レオポルト・ヴィルヘルムのブリュッセルの画廊」。
オーストリア大公の蒐集作品の画廊画、その中の数点が今もこの美術館に架る、とここまでが前号。
その作品とは、色彩の錬金術師と呼ばれたティツィアーノ・ヴェチェッリオ(1488-1576/イタリア/盛期ルネサンス・ヴェネツィア派)27歳の時の 「ヴィオランテの肖像」。
本作のモチーフは、女性の胸元に挿した小さな菫(すみれ)。
ちなみに菫はイタリア語でヴィオラ、まま作品の題となっている。
ヴィオランテが纏う衣装、その菫と色を重ねてい、漆黒の闇に溶けるブロンドの髪、桃色に染まる頬、匂いたつような肌、それらが醸し出す官能美、まさに色彩の錬金術師と呼ばれるに相応しい一枚である。
娼婦を描いたともされる本作、モチーフに深い背景、意味はないようだが、<女性を描かせば随一>の評価?を聊かも疑わせるものではない。
ただ、本作の5年前、自画像の概念を変えたとされる 「<男の肖像 ‐ アリオスト>」(ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵)に通底する作品、と言えば牽強付会か。
それは、見る者を見つめる構図、色彩、そして若き画家の溢れんばかりの自負・・・などから、イメージを重ねたのだが、はて、どうなんだろう。
もうひとつの 「刺客」、鎧を着た男が背中に隠した短剣から本題の由来と考えられているとか。
主題の意味がもうひとつ理解(わから)ない、で、<リンク>を張ったのでご覧頂ければと思う。
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1156
※ 「美術史美術館(15) ‐ テニールス」へは、<コチラ>からも入れます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます