既成事実となっていたスズキのMotoGP撤退であるが、ついに公式発表がなされた。
マシン開発は継続し、2014年の復帰を目指す。
販売不振に円高が追い打ちをかけ、レース部門の予算縮減程度ではどうにもならなくなり、活動休止を宣言せざるを得なくなった。
スズキの業績サマリーで、売上高をみると、二輪車の2007年の売上高が、2010年には半分以下にまで落ち込んでいる。
生産台数では、国内生産は2007年比66%減という落ち込みようである。
4輪は、アジアの新興国市場で大幅に売り上げを伸ばしており、欧州及び北米地域の落ち込みをカバーしている。
しかし、2輪は同様にアジア市場で伸びはあるのだが、欧州・北米及び国内をカバーできるほどの伸びはなく、このセグメントで営業損失を計上している格好だ。
やはり、企業論理として業績不振の部門への投資は慎重にならざるを得ないのだろうが、割り切れない思いがある。
尚、スズキは、MotoGP活動休止の発表と同時に、「フォルクスワーゲンAGとの業務提携及び相互資本関係に係る包括契約の解除」も発表している。
以下、公式リリース
モトGP活動の休止について
スズキ株式会社は、FIM世界選手権モトGPへの参戦を2012年より一時休止することを決定しました。
これは、先進国市場の長引く不況、歴史的な円高、災害等により未だ厳しい環境にあるためです。
モトGPレースへは、2014年の再参戦を目途として競争力のあるマシン開発を行います。
なお、モトクロスレース活動、およびFIMホモロゲーション取得、レースキットパーツ開発のサプライヤーへの協力など、市販車ベースのレースサポートについてはこれまでどおり継続して行って参ります。
2011年11月18日
スズキ株式会社