MotoGPオフシャルテストが、始まった。火曜日、初日のテストは、気温２０度、路面温度２３度の良好な天候のもとでおこなわれている。
トップタイムは、ペドロサだった。バレンシアGPの予選で、自身が出したタイムを上回っており、ホンダのニューマシンが出だしから好調な事を伺わせるタイムとなった。２番手はストーナーで、予選タイムこそ上回っていないが、あえてタイムだしはせずにテスト項目を順調にこなしたようだ。３番手に、ヤマハのベン・スピーズ。ヤマハデピューとなったアンドレア・ドヴィチオーゾは、７番手タイムだった。
この日、最もサプライズだったのが、スズキのマシンをテストしたのが、ランディ・ド・ピュニエだったことだ。古巣のLCRに戻ると思われていた矢先、いきなりのスズキデビューとなった。前日まで、紆余曲折があった末に、突然のデビューとなったようだが、これはアルバロ・バウティスタの移籍交渉が急転直下の大どんでん返しがあったためだ。バウティスタが、スズキを去る事は公式に発表された。そして、その行き先は、グレシーニ・チームで、RC213Vに乗る可能性が濃厚。この件は、マルコ・シモンチェリの事故が無ければありえなかった話であるが、そんな理由での大どんでん返しとなった。バウティスタとしては、バレンシアGPが終わった時点では、スズキに残留するつもりだったようなのだが、RC213Vに乗るチャンスが巡ってきたら、それを逃がす理由はない。グレシーニやホンダにとっても、イアンノーネは役不足感は拭えないので、バウティスタは適役だったのだろう。
尚、ド・ピュニエが、そのままスズキと契約するかは今後の動向による。スズキは、現行マシンでテストを行っており、1000ccマシンの投入も来シーズンにずれ込むと言われている。ド・ピュニエにしてみれば、当然、戦闘力に勝るマシンに乗りたいのだが、スズキに乗る事は多少リスクを覚悟せねばならない。もちろん、逆にスズキが新カテゴリーにマッチングして速さを発揮する可能性もあるのだが。しかし、今の開発は、投下資金がそのまま速さに直結する世界なので、アイデア次第で何とかなるものではない。他のファクトリーよりも一桁違うと言われているスズキの予算では、厳しい戦いが強いられるのかもしれない。
LCRホンダは、ステファン・ブラドルを走らせた。タイムも、ダニー・ペドロサから2秒落ちなので、初めてにしては悪くない。乗ったのはエリアス機の800ccマシンだ。
ドカティは、アルミフレームを投入した。
エクトール・バルベラは、アスパー・チームからプラマック・チームへ移籍して、テストを行った。
MotoGP オフィシャルテスト 初日結果
１． ダニー・ペドロサ Repsol Honda Team 1:32.186 - (40 Laps)
２． ケーシー・ストーナー Repsol Honda Team 1:32.322 +0.136 (42 Laps)
３． ベン・スピーズ Yamaha Factory Racing 1:33.226 +1.040 (73 Laps)
４． ランディ・ド・ピュニエ Rizla Suzuki MotoGP 1:33.544 +1.358 (55 Laps)
５． カル・クラッチロー Monster Yamaha Tech3 1:33.652 +1.466 (75 Laps)
６． ヴァレンティーノ・ロッシ Ducati Team 1:33.857 +1.671 (71 Laps)
７． アンドレア・ドヴィツィオーゾ Monster Yamaha Tech3 1:33.859 +1.673 (49 Laps)
８． エクトール・バルベラ Pramac Racing Team 1:34.174 +1.988 (57 Laps )
９． ステファン・ブラドル LCR Honda MotoGP 1:34.330 +2.144 (62 Laps)
１０． カレル・アブラハム Cardion AB Motoracing 1:34.393 +2.207 (61 Laps)
１１． フランコ・バッタイーニ Ducati Team 1:35.371 +3.185 (29 Laps)
１２． 秋吉 耕佑 Repsol Honda Team 1:35.728 +3.542 (34 Laps)
１３． イヴァン・シルバ BQR Inmotec 1:37.159 +4.973 (44 Laps)
１４． カルメロ・モラレス TeamLaglisse 1:38.989 +6.803 (33 Laps)
１５． ジャンルカ・ナンレッリ Grillini Team 1:39.173 +6.987 (24 Laps)
１６． フェデリコ・サンディ Grillini Team 1:39.827 +7.641 (9 Laps)
シリーシーズン情報まとめ
HONDA
レプソル・ホンダ
ケーシー・ストーナー → 継続（決定）
ダニー・ペドロサ → 継続（決定）
アンドレア・ドヴィツィオーゾ → テック３・ヤマハ（決定）
（レプソルホンダは、２台体制に）
グレシーニ・ホンダ
マルコ・シモンチェリ → アルバロ・バウティスタ（未定）
青山 博一 → （CRT）高橋 裕紀（噂）
（MotoGP１台、CRT１台体制予定）
LCR・ホンダ
トニー・エリアス → ステファン・ブラドル / ランディ・ド・ピュニエ（噂）
YAMAHA
ファクトリー・ヤマハ
ホルヘ・ロレンソ → 継続（決定）
ベン・スピーズ → 継続（決定）
テック３・ヤマハ
カル・クラッチロー → 継続（決定）
コーリン・エドワーズ → アンドレア・ドヴィツィオーゾ（決定）
SUZUKI
アルバロ・バウティスタ → ランディ・ド・ピュニエ（未定）
→ ジョン・ホプキンス（スポット参戦）
DUCATI
ドカティ・チーム
ヴァレンティーノ・ロッシ → 継続（決定）
ニッキー・ヘイデン → 継続（決定）
チーム・アスパー
ランディ・ド・ピュニエ → エクトール・バルベラ（決定）
ロリス・カピロッシ → 引退 （アスパーは一台体制に）
カルディオンAB・チーム
カレル・アブラハム → 継続（決定）
＋CRTチーム