Gran Premio de la Comunitat Valenciana
Circuito Ricardo Tormo
MotoGP 第18戦 バレンシアGP 初日 コメント
■開催日:2011年11月4日(金)初日 FP1 FP2
■開催地:スペイン/リカルド・トルモサーキット(4.005 km)
■コースコンディション: ウェット
FP1:■気温:15度 ■路面温度:14度
FP2:■気温:16度 ■路面温度:17度
REPORT
午前のセッションは、早朝に降った雨がコース上に残るコンディション。午後のセッションは、スタート前の雨で午前中よりもコース上の水の量が多い状態での難しいコンディションであった。
特に午後は、中途半端なコンディションだったことから、様子見をするライダーが多く、午前のタイムを更新したライダーはいなかった。青山博一、トニー・エリアス、ベン・スピーズは転倒を喫している。
今大会は、亡くなったマルコ・シモンチェリ選手の追悼のため、ライダー達はそれぞれの思いを込め、「58」のステッカーやワッペンを貼り、最終戦に臨んでいる。青山のマシンには、「Ciao Marco uno di noi(マルコ、君と一緒に)」のメッセージが貼られていた。
COMMENT
HONDA
ケーシー・ストーナー (初日総合 1番手)
「正直言って、満足のいく一日にはなりませんでした。最後までいい感触を得ることができませんでした。路面にオイルがあるような感じでした。4輪のラバーのせいなのかは分かりませんが、いろいろな理由でグリップを見つけるのが難しかったです。両セッションともに、初めは少し濡れていて、そのあと乾いていくという状態でした。だから、いいセットアップを見つけるのが難しかったです。こういうときは、1日中セッティングに追われるので、セットアップに集中することができませんでした。ウエットでうまくいくようにいくつかのセットを試したけれど、セットを変えて走り出したときには乾いていくという状態で、やったことがすべて無駄になってしまいました。もし明日も雨が降るのなら、降り続いてくれることを願っています。そうすればフルウエットでセットアップをすることができます。しかし、できればこのサーキットはドライで走りたいです」
ダニー・ペドロサ (初日総合 2番手)
「午前中は、とてもいい走りができたのですが、午後はリアショックに少し問題があって、あまり周回することができませんでした。多くの時間をピットボックスで過ごすことになりました。今日はとても滑りやすかったです。路面が乾きはじめてからも、グリップを見つけるのが難しかったです。こういう天候になるかも知れないので、変わりやすいコンディションに合わせてセットアップを準備をしなければなりません。明日はスリックタイヤで走れようになってもらいたいです。しかし、どうなるか分からないですし、どんな天候になってもコンディションに合わせてセットアップを進めたいです」
トニ・エリアス (初日総合 8番手)
「マレーシアGPのアクシデントの後なので、レースに戻るのがつらかったです。でも、これは僕たちができるマルコへの最高の追悼だと思います。今朝はとてもフィーリングがよくて、セッティングにも結構満足していました。もう少しフロントとリアのトラクションが欲しかったですが、ペースは安定していました。午後も同じセッティングで走り出しましたのが、3周目の2コーナーでフロントから転倒してしまいました。おそらくプッシュしすぎたせいだと思います。2台目のマシンでコースに戻りましたが、セッティングが少し違ったので、同じようなセッティングにする時間はありませんでした。しかし、今日はウエットでいいベースで走ることができたのでうれしいです」
アンドレア・ドヴィツィオーゾ (初日総合 9番手)
「今日の路面コンディションは、グリップがなくて本当に難しかったです。しかし、チームといい仕事ができたし、ミスをしないように気をつけて走りました。このような難しいコンディションでは、リスクを負いたくありませんでした。あまりプッシュしませんでしたが、結構速く走ることができたので、かなり満足しています。明日も引き続きがんばらなければならなりません。明日は天気と路面の状態がよくなることを願っています」
青山 博一 (初日総合 14番手)
「今日は午前も午後も全くグリップしなくて、苦労しました。とにかく、コーナーの進入も立ち上がりもフィーリングがなかったです。少しずつペースを上げていきましたが、8コーナーで転倒してしまいました。アクセルを戻している状態でリアからスッと転んでしまいました。あれだけ気をつけていたのに転んでしまったので、どうしようもありませんでした。今日のセッティングは、限界が低すぎでした。明日は、この問題を解決したいと思います」
ファウスト・グレシーニ (サンカルロ・ホンダ マネージャー)
「今日のガレージは、とても寂しかったです。『スーパーシッチ』がいない雰囲気は非現実的で、今日は仕事に取り組むことが非常に難しかったです。彼がいなくなって寂しいのは言うまでもないですが、彼を追悼するためにも、ここに来なければならないと思いました。なぜならこうしてレースに出場することが、彼が望んだことだと思うからです。今日は、難しいコンディションの中、青山は限界まで走りました。マルコのためにも、日曜日にはベストを尽くすと思います」
Moto2
高橋裕紀 (Moto2 24番手)
「午前中のセッションは、全体的にサスペンションが硬すぎて、まるでグリップを出せませんでした。それに気づいたときにはセッション終盤でしたし、午後の走行でやっとセッティングがいい方向に向きました。今回は、今までと違うサスペンションになったので、ベースのセッティング出しからやらなくてはいけませんでした。午後のセッションでは、5、6番手のタイムを出せました。最終的に午後のセッションでは13番手、総合で24番手でしたが、2日目に向けていい状態で終えられました。ドライコンディションになったときに、どういうフィーリングになるのか分からないので、土曜日がドライになったらセッティングに集中したいです」
YAMAHA
ベン・スピース (初日総合6番手/1分46秒259/26周)
「ちょっと落ち込んでいるよ。でも転倒のあとは誰だってそうなるんだ。ラインに乗ってはらみ、水たまりに入ってフロントが滑ってしまった。マシンのフィーリングが良くなってきて、スピードも徐々に上がってきていたところだったんだけれど。今は悔しい気持ちでいっぱいだけれど、明日に期待をかけて頑張るよ。第2セッションの初めにセッティングを変更したんだけれど、それがあまり良くなかったので、また元に戻した。明日もこの方向で進めていく予定」
中須賀 克行 (初日総合16番手/1分48秒382/37周)
「このコースは初めてで、とくにこのようなコンディションの中では難しかった。でも1日を走り終えてコースレイアウトを覚えることができたので、今はだいぶ走りやすくなっている。ウエットだと転倒の可能性も高くなるので、明日は晴れてくれるといいんだけれど。そして日曜日にはできるだけ上を目指したい。それが僕の目標」
ウィルコ・ツェーレンベルグ (ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム監督)
「バレンシアで雨の初日...。コースがとても滑りやすくなるので、とくに初めてここを走る中須賀については心配だった。でも彼はコース・コンディションをすぐに理解し、ひとつひとつ丁寧に対応して最終的にはとてもいい走りができるようになった。コースを覚え、少しずつペースを上げていく作業は、雨によって少し遅れてしまったが、我々としては彼のパフォーマンスを評価し、マシンのセッティングにも満足している。明日の天気がどうなるかにもよるが、彼にはさらに伸びる余裕が残っていると確信している。ベンのほうは、このようなコンディションで白線に乗ってしまったのは残念だった。でも幸いひどい怪我にならなかったので、明日はいつも通り順調に走れるだろう」
マッシモ・メレガリ (ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター)
「ベンは不運にも転倒し、肩を地面に打ち付けてしまった。かなり痛みがあるようなので、明日以降の走りにも影響があるかもしれないが、何とか痛みをこらえて少しでも上を目指してくれると信じている。中須賀は初めてのコースでよく頑張った。日曜日までさらに走りこみ、コースに慣れてくれば、きっといいところまで行けるだろう」
カル・クラッチロー (初日総合10番手/1分46秒581/34周)
「ウイークの初日としては順調。午後のセッションの終盤頃にはかなりペースも上がってきたので3位以内を目指して頑張っていたんだけれど、最終ラップで何度かミスをしてしまった。それでも5位に入れたし、フルウエットのコンディションでも気持ちよく走ることができたので、とても良かったと思っているよ。雨でグリップはほとんど効いていなかったけれど、何とかうまく走ることができたからね。路面はとてもスリッピーで、こういうときはミスをおかしやすいので注意が必要。
でもマシンは、第2セッションのフルウエットでもとてもよく走ってくれたんだ。とは言え、ドライも走っておきたいから、明日は晴れてほしいな。まったくドライを走らないまま決勝なんてことは、誰も望まないからね。もしも明日も雨なら、僕らはさらに一歩前進し、また速くなるよ!」
ジョシュ・ヘイズ (初日総合15番手/1分48秒037/44周)
「初めてのモトGPの第1日目は難しいコンディションになってしまい、実は何度かヒヤっとする瞬間があったんだ。最初にコースに入るときは、人生でこんなにナーバスになったことはないという感じだったよ。それでも第1セッションは、まずまずのタイムで走ることができたと思う。第2セッションは完全なウエットになってしまったので、かなり怖い思いをすることになったけれどね。モトGPマシンのフルポテンシャルはまだ経験できていないけれど、非常に素晴らしいマシンであることは間違いないし、モンスター・ヤマハ・テック3チームも僕のために懸命に頑張ってくれている。
僕にできることは、このマシンに乗ること、そして少しでも前へ進むことだけ。今のところはマシンをセッティングすることまではできていなくて、ただマシンを知ることに専念している。明日もきっと同じことを続けることになるだろう。できればドライで走って、カーボン・ブレーキに慣れていきたい。もし明日も雨になってしまったら、決勝のなかでドライの走り方を学びながら、カーボン・ブレーキの調整もしていかなければならなくなってしまうからね。そんなことになったら、僕にとっては最悪のシナリオだよ。でも今日はとてもいい経験ができたし、楽しんで走ることができた。それを可能にしてくれたヤマハ、テック3、モンスターのすべてのスタッフに感謝している」
SUZUKI
アルバロ・バウティスタ (フルウェットのFP2でトップタイム)
「今日はグッドな1日だった。僕たちの能力を試すための完全ウェットを楽しんだ。午前は好感触で始まったけど、乾き始めると、限界があった。バイクの挙動は大きく、滑り、走らせるのが難しかった。午後は、午前よりもトラックコンディションが悪かったけど、僕たちにとっては良かった。スイートに注意深く走ることが重要で、バイクのフィーリングを助けるためにセットアップを幾つか変更して、グッドなリズムを掴むことができた。最終的に2度目のセッションでトップに立った。総合ではトップではなかったけど、いつもはウェットでこれほど良くなったことはなかったから、ポジティブだ。明日もこの調子を続けたい。ドライになれば、沢山の仕事が控えることになる。週末が楽しみだ。」
DUCATI
ヴァレンティーノ・ロッシ (初日総合 3位)
「僕たちのバイクはウェットで凄く良く機能する。これがストロングにプッシュでき、上位に進出した理由だ。午後はリアのセットアップを幾つか試したけど、期待しようには機能しなかった。加速時にグリップがなく、午前中のように走ることができなかった。路面には限界があったと言わなければいけない。非常に使われていて、滑り、決定的にグリップに関しては、楽観的なコンディションから遠い。それに、雨と寒さで状況は悪化して、走らせるのが非常に難しかった。天候がどうなるか見てみよう。もし、雨ならば非常に上手く走ることができるだろう。もし、天候が回復すれば、ドライのセットアップで何ができるか見てみたい。」
ニッキー・ヘイデン (初日総合 4位)
「今日はウェットでのGP11.1デビューとなった。バイクのフィーリングはすごく良かった。トラックは異常に滑った。グリップは特にコーナーの進入で最小限の状態だった。2度のセッションで少しずつ良くなって行き、総合トップで終わりたかったことを否定しないけど、今日は上位に進出して、何度もレッドヘルメットをマークした。明日の天候を確認するけど、今日は有効な情報を収集した。」