旅行に行く時、事前に旅先の情報を調べるのは楽しいものだが、僕の場合、帰ってきてから復習を兼ねて旅の思い出を振り返るのが至福の時なのである。旅先で集めたパンフレットやチケットの半券、撮った写真を眺めながら、デレーッと余韻に浸るのである。
過日、尾道に行ってきた。この地を訪問するのは、3回目だったのだが、いつも新たな発見があり、旅の新鮮さを失わない土地だと感じる。登り下りの縦横無尽の路地をめぐる感覚は、長崎にも近いものがあるが、尾道のそれは懐かしさというか、子供の頃に経験したかのようなデジャブ感にとらわれる不思議な町なのである。観光案内でもらった地図を手に歩いていても、入り組んだ路地はいつの間にか旅人を迷わせる。また、それが楽しい。
そんな路地道散策は、観光地とはいえ、人々の生活がある日常的空間に入り込む形となり、それが旅人にとっては非日常的な感じとなる。こんなところ通っても良いのだろうかと、少し遠慮がちになりながらも大胆に踏み込んでいくのが、この街の歩き方と言えよう。
さて、最初に戻るが、旅の復習をしながら、後付けの知識を蓄えていると、映画やCMなどのロケ地と同じ場所を歩いていた事が分かった。観光地図に案内されている場所もあるので、知った上で訪問した場所もあるのだが、偶然にも同じだった場所も多かった。もっとも、尾道の市街地はそれほど広くないので、一通り歩けば、大抵のロケ地を巡ってしまうのだが。
撮った写真と映画やCMのワンシーンを見比べて、「わぁ、ここと同じ場所だ!」と、悦に入る。
尾道は、大林宣彦監督の尾道三部作と言われている「転校生」、「時をかける少女」、「さびしんぼう」が、有名だ。この映画で尾道が全国的に知られるようになった。
最近では、ソニーのCMで話題になっていた。デジタルカメラ“α”「NEX-C3」のCMは、北川景子さんが猫と一緒に尾道を巡る内容で、旅心をくすぐる映像となっている。
それでは、尾道の風景写真をご覧ください。
※ 本記事の下部、“つづきをよむ”をクリックすると、ソニーのドニュメントムービー「北川景子 尾道を訪ねる」前編・後編が見られます。

まずは尾道駅から。左がソニーCM場面で、右は僕が撮った写真。

CMと似たような構図だが、僕は海をアクセントに入れたかったので少し左寄りで撮っている。

ポンポン岩の上から尾道水道を望む。

千光寺山ロープウェイ。全長:361m、高低差:115m、所要時間3分、片道大人280円。

これはCM場面ではなく、平山郁夫画伯のスケッチ画と同じ構図で撮影。

猫の細道のいたるところに猫石が隠れている。

アカネコ。

壁の猫絵。コンクリート道の上には猫の足跡と自転車のタイヤ痕が。

屋根の上にも。意外な所に猫石があらわれる。

艮(うしとら)神社。
映画「時をかける少女」で、芳山和子(原田知世)がタイムスリップして訪れた神社です。
樹齢900年以上の楠があり、左に見える金山彦神社も映画の中に登場する。

御袖天満宮。
映画「転校生」で、斉藤一夫(尾美としのり)と幼なじみの斉藤一美(小林聡美)が、転がり落ちて身体と心が入れ替わる重要なシーンで登場する石段。

千光寺より尾道水道を望む。

千光寺方面から下ってくると、ここが猫の細道の入り口となる。

猫石たち。

猫の細道にいたネコ。いきなり出てきたからあわてて撮った。

艮神社のすぐ下にいた犬。
尾道は映画の街というだけでなく、志賀直哉や林芙美子などが居を構え、尾道を舞台とした作品を発表している文学の街でもある。
映画の尾道三部作も見た事あるし、志賀直哉の「暗夜行路」も読んだ事があるが、もう記憶があいまいだ。
次回、この地を訪れるときは、これらの作品を読み直してから訪問しようと思う。
しまなみ海道をサイクリングするのも人気があるらしいので、それも良いかもしれない。
さて、今度は何処に行こうかな。
SONY ホームページ 北川景子 尾道を訪ねる。
Sony α NEX-3C - Focus Your Love 北川景子 Part 1
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Sony α NEX-3C - Focus Your Love 北川景子 Part 2
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