Superbike World Championship 2011
Round 5. Miller Motorsports Park 30 - May
- アフター・ザ・フラッグ -
スーパーバイク世界選手権 第5戦 アメリカ大会
■開催日:2011年5月30日(月)
■開催地:ミラー・モータースポーツ・パーク(1周4.907km)
■天候:曇り ■観客:48,000人
■PP:C・チェカ(ドゥカティ/1分58秒315)
■FL:C・チェカ(ドゥカティ/1分48秒827)
決勝レース1
トロイ・コーサーの好スタートでレース開始。芳賀紀行も2番手につける。続くのは、カルロス・チェカ、シルバン・ギュントーリ。マックス・ビアッジとジョナサン・レイは接触転倒しリタイア。
慎重なスタートを切ったチェカが、6周目にトップ浮上し、後続を引き離しにかかる。コーサー、芳賀、ギュントーリ、レオン・キャミア、ユージン・ラバティが2位争いを展開。
コーサーは、徐々に遅れ始め、ヤクブ・シュムルツが2位争いに加わる。
11週目、キャミアと争っていた芳賀が脱落。
終盤、ギュントーリとシュムルツのチームメイト同士で2位争いが熾烈となる。
ラスト2周、シュムルツがギュントーリの前に出る。
チェカ、シュムルツ、ギュントーリの順でゴールし、ドカティが表彰台を独占した。
チェカは、ウイニングランで転倒してしまうが、後の会見で、キャリアで最もハッピーな転倒だったと述べている。
芳賀は9位となった。
決勝レース2
好調を維持しているチェカがスタートから飛び出す。キャミア、ラバティ、メランドリ、芳賀、ビアッジが続く。
3周目、芳賀が転倒しリタイアとなる。
序盤からチェカのペースが飛びぬけており、後続を引き離す。2位はキャミアで単独走行。3位争いが、ラバティとビアッジ。
中盤、ビアッジがラバティを引き離し、4位までがそれぞれ単独走行となっている。5位争いは、メランドリ、ギュントーリ、ファブリッツィオ。
トップ4台はそのままの順位で終盤まで走行を続け、チェッカーを受けた。
チェカは今季、2回目のパーフェクトウィンを達成。
以下、キャミア、ビアッジ、ラバティ、ファブリッツィオ、メランドリ、ギュントーリ、シュムルツの順。
ライダース・コメント(総合ランキング順)
1 カルロス・チェカ ESP (Ducati) 195 (1位/1位)
「昨年、私達に起こった事を考えれば、今日の二つの勝利はなんと素晴らしい事だろう。
レース1では、最初のラップは慎重に走ったけど、その後、マシンの感触もよかったのでプッシュして走る事が出来たよ。
コンディション的には難しい状況だったけど、マシンは非常に良かった。
簡単ではなかったが、前に出る事が出来、アドバンテージを築こうと懸命に走りました。
最終的に冷静に走りきることが出来、マージンをコントロールしながら優勝できました。
レース2でも、マシンは良かったので、レースを楽しむ事が出来ました。
チームやドカティにとって、素晴らしい日となりました。
すべての関係者に感謝を申し上げます。」
2 マルコ・メランドリ ITA (Yamaha) 134 (10位/6位)
「とても難しいレースだったよ。第1レースはスタートこそうまくいったけれど、そのあとで芳賀選手と接触して何人かに抜かれてしまった。さらに数周あとにはエンジンカバーを縁石にぶつけ、シフトペダルにオイルがついて足が滑るようになったんだ。そしてレース中盤になるとフロントタイヤにも不具合が出てきて、挙動が激しくなってマシンを安定させることができなくなった。第2レースもまた厳しい展開。今シーズンで最悪と言ってもいいだろう。思うような走りがまったくできなくて、自分のポテンシャルを証明することもできなかった。初めからマシンのセッティングに問題があって、とくにコーナー進入は苦しかった。そのなかで少しでも安定したペースをキープしようと努力したけれど、結局それもできなかったんだ。こんなレースをしていたらだめだね」
3 マックス・ビアッジ ITA (Aprilia) 133 (リタイア/3位)
「とても残念なレースだった。レイが僕に接触し、クラッシュを避けられなかった。
レース2では、打撲で少し痛みがあったが、最善を尽くした。スタートは良かったが、慎重に走った。
3位に入るためにがんばり、存在感を見せる事は出来たと思う。ここではチェカは無敵だったので、賛辞を贈りたい。
ミサノでは良い結果が得られるはずです。まだ選手権が終わったわけではないからね。」
4 ユージーヌ・ラバティ IRL (Yamaha) 109 (5位/4位)
「両レースともスタートがとてもうまくいって、グリッドポジションをキープして第1コーナーに入ることができた。でも第1レースはシフトミスをしてしまって15位まで後退。そのあとレース中盤までに2位まで挽回したけれど、タイヤを消耗してしまってペースが上がらなくなってしまったんだ。第2レースの前にシャシーのセッティングを調整し、タイヤの消耗にも気を配るようにした。序盤は3位につけていたけれど、タイヤのことを考えて無理な追い上げはしなかったんだ。その結果として4位を獲得することができた。ランキングでも4位に上がることができたので満足しているよ」
5 レオン・ハスラム GBR (BMW) 95 (8位/13位)
「この週末のレースは忘れたい。いくつかの問題が発生しており、その解決が必要だった。
チーム全体がもっと懸命に働かねばならない。
次のレースで良い成績を収めたいのなら、一から出直してやりなおさねばならない。」
6 ジョナサン・レイ GBR (Honda) 94 (リタイア/11位)
「今週末はフラストレーションが溜まるという言葉をよく使ってきました。でも、それは少し言い過ぎていたのかもしれません。今回はレースを戦うのに十分なパッケージになっていなかったし、第2レースはすべての力を出しきった結果でした。第1レースがあっという間に終わり、21周のデータを持ち帰ることができなかったことも第2レースに向けて助けになりませんでした。第1レースは1周目にとても強引な追い越しの犠牲になってしまいました。そのため、2人とも転倒してしまいました。今週はあまり順調ではありませんでしたが、それと同じくらい残念でした。一生懸命仕事をしてくれたチームのみんなには、気の毒な結果に終わり申し訳なく思っています。最後まで、このサーキットに合うマシンのポイントを見つけられませんでした。5ポイントしか獲得できなかったのは残念。気持ちよくこのサーキットを後にすることはできないけれど、唯一の慰めは、昨年に比べればいい状態で帰国できるということ。他のチームはミサノでテストしているけれど、次戦はいいスタートをしたいと思っています。ミサノにはいい思い出があるから」
7 レオン・キャミア GBR (Aprilia) 91 (4位/2位)
「必要な結果を手に入れ、良い感触で週末を終えられます。
レース1は、表彰台を手に入れるために走りましたが、ギアに問題があり数秒ロスしていたと思う。だから、4位となってしまったのは残念だ。
レース2では、良いスタートで、チェカの後ろに付けられました。
良いペースで走行出来ていましたが、チェカに追いつく事は出来ませんでした。
チームとアプリリアには感謝しています。この調子で、将来を見据えて頑張っていきたい。」
8 ミシェル・ファブリッツィオ ITA (Suzuki) 85 (リタイア/5位)
「もっと良い結果を狙っていただけに、腹立たしく思っている。第1レースでのクラッシュは、衝撃を受けるまで全く気付かず、どうすることもできなかった。あっという間に空中に投げ出され、左半身から地面に激しく叩きつけられた。攻めすぎたルーベン・ザウスが後ろからぶつかってきたというわけだ。レース後に我々のところへ謝りに来たけれどね。マシンを修理して、第2レースに臨んだ。身体の痛みが却ってポジティブパワーにつながればと思い、あえて痛み止めの薬は使わなかった。スタートは特に良くなかったので、レース序盤は相当追い上げなくてはならなかったが、徐々に順位を上げて11ラップ目で5番手まで上がり、前方を走るラバティとの距離をさらに詰めていった。ラップタイムは自分のほうが速いことを知っていたし、次の周回で彼をパスできると思ったところで残念ながらチェッカーとなってしまったが、あともう1周あったなら4位になっただろう。15番グリッドスタートからの5位獲得はうれしいけれども、あと1周あれば4位だったと思うと少し悔しい。」
9 ヤクブ・シュムルツ CZE (Ducati) 83 (2位/8位)
「今日はとても満足しています。チームは、表彰台を獲得できる素晴らしいマシンを用意し、素晴らしい仕事を成し遂げました。
レース2は、リアに問題があってプッシュ出来ませんでした。この理由はこれから慎重に分析するつもりですが、結果としてはポジティブだったと言えるでしょう。
これから私達はミサノに向かいます。僕の好きなサーキットだし、マシンも向上させていいけると思いますよ。」
10 シルバン・ギュントーリ FRA (Ducati) 54 (3位/7位)
「スーパーバイクでの初めての表彰台なのでとてもうれしいよ。
オーストリアでのクラッシュ以来、レース結果に影響を及ぼしていたが、今は良い状態となった。
チームの素晴らしい仕事に感謝する。
レース2では、ヤクブと同じようなリアの問題が発生し、グリップせずに速く走る事が出来なかった。
それでも今後に期待を抱かせる結果で、ミサノでマシンを更によくしていきたい。」
11 芳賀 紀行 JPN (Aprilia) 54 (9位/リタイア)
「残念ながらレース1では、土曜日にドライのセッティングを詰める事が出来なかった結果が表れてしまいました。
もっといい成績が得られたはずで残念です。
レース2は、無難なセッティングで臨みましたが、表彰台争いをしていて転倒をしてしまった。」
12 アイルトン・バドヴィニ ITA (BMW) 51 (7位/9位)
「レース1よりもレース2に満足している。上手く対応できたと思う。
レースペースにも満足だ。シーズンが進むにつれ、進化してきている。
これからも懸命に働いていかねばならないね。」
13 トム・サイクス GBR (Kawasaki) 50 (6位/10位)
「第1レースの6位はポジティブな結果だと思う。昨年に比べて、前進したことを感じた。レース1の終盤には自己ベストラップタイムを出すことが出来た。これは今までになかったこと。3列目のグリッドでスタートも良くなかったけれど、追い上げてトップ6に入ることが出来た。第2レースはセットアップをほとんど変えなかった。今週末は全体的に思い切った変更はしなかったが、それも良かった。しかし、第2レースのスタート直後の1コーナーで、不運なことに行き場がなくなり身動きがとれなくなってしまった。ペースは第1レースよりも速かったけれど、レイと少しやりあっていた時、バドビーニに追いつかれて抜かれてしまった。だが、初日の予選で4番手だったことは自信になった。雨の10番手というのも、これまで雨に課題を抱えていたことを思えば大きな前進だった。チームのみんなとカワサキに感謝したい。チーム一丸となって働いた結果だった。そして、更なる進化を遂げられると確信している。」
14 トロイ・コーサー AUS (BMW) 49 (13位/リタイア)
「この週末の終わり方は残念だね。
レース1では、良いスタートを切れて逃げようと思ったけど、リアのグリップが無くなってしまった。理由が分からないので、データを分析しなければならない。
レース2では、タイヤを持たせようと思っていたが、多くのポジションを失った。そして、フロントから転倒した。」
15 ホアン・ラスコルツ ESP (Kawasaki) 39 (14位/12位)
「Ninja ZX-10Rのポテンシャルを引き出すために、もう少しバイクを理解しなければいけないと思った。第2レースのセットアップは良かったと思う。第1レースはリアタイヤが完全に終わってしまった。レース中盤にはラップタイムが1分55秒台まで落ちてしまった。第2レースでは同じタイヤを使ったが、1分50秒台をキープ出来た。1周につき5秒も速くなった!もしすべてが上手くいっていて、いいグリッドからいいスタートができたら、トップ10に入れたかもしれない。今回は予選が雨になったこともあって、タイヤの選択に迷ってしまった。まだまだスーパーバイクの経験が足りないし、もっと沢山走らなくてはいけない。」
16 ルーベン・チャウス ESP (Honda) 31 (リタイア/18位)
「両レースともに、いいスタートが切れました。マシンの感触も昨日よりだいぶんよかった。昨日、雨の中で使ったクラッチのフィーリングがよくて、今日はドライになったけれど、それを使いました。これを使うことで少し振動がなくなったけれど、ドライコンディションではエンジンブレーキの効きが足りず、第1レースはファブリッツォとの接触を避けることができませんでした。第2レースに向けて、チームがいくつか改善してくれて感触はさらによくなったけれど、第2レースではシケインでエンジンカバーが縁石に触れてしまい、その衝撃で転倒してしまいました。不運が続いたけれど、少なくとも第2レースは再スタートが切れたし、ラップタイムも悪くありませんでした。もう少しで両レースともDNFになるところでしたが、レースはときどきこういうことが起きるので、前を向いてポジティブにならなければいけません。今大会ではいくつか前進することができました。残念な結果でしたが、今回の成果を2週間後のミサノにつなげたい」
17 ロベルト・ロルフォ ITA (Kawasaki) 15 (17位/16位)
「良い日で無かったね。レース1では、リアタイアに不具合があり交換のためにピットに戻った。
レース2では、スタートは悪くなくプッシュしていたが、燃料漏れでリズムを失った。まだまだ不十分なので、懸命に働く必要がある。
このミラーでのすべてのスタッフに感謝を述べ、次のミサノはホームなので、良い成績を上げる事の望む。」
18 マキシム・バーガー FRA (Ducati) 12 (11位/14位)
「ドライでは、私のドカティは良い感触を得ていました。レースでは良いペースを維持し、なんとか11番手まで追いつきました。
レース2では、14位が精一杯でした。今、特別な7ポイントを持ってヨーロッパにもどります。ここミラーでは、チームは素晴らしい仕事をしてくれて感謝している。
次のミサノはチームのホームレースなので、頑張りたい。」
19 マーク・アイチソン AUS (Kawasaki) 9 (16位/17位)
「かなり難しい日であった。両レースともタイヤに重大な問題があった。レース1は、6ラップ位でグリップはかなり低下しており、16位となった。
レース2では、始めは楽しんで乗っていたのだが、やはりリアのグリップが急激に低下し、17位となった。
まだマシンに関して学んでいるのだが、タイヤが摩耗する問題を解決し、バランスを改良できると、将来のレースは競争力を得られると本当に信じています。
チームのハードワークに感謝しています。」
20 ジョシュ・ウォーターズ AUS (Suzuki) 8 (12位/15位)
「レース1では、とにかくスタートが上手く行かなかったのが残念だよ。失敗した訳ではないけれどスタートの激しさはオーストラリアやAMAのスーパーバイクと比較できないぐらいハードで、このバトルに入って行かないと世界では戦えない。でも上手く行けばもっと結果が良かった筈なんだ。
レース1の感触から、レース2はもっと前に行けると思ったけれど、1週目からリアタイヤに違和感があって、チェッカー迄の間に何度もクラッシュしそうになったんだよ。とても残念という言葉しか今は出てこないし、こんな結果になってしまってチームに申し訳なく思うけれど、今回のレースでもポイントを取れた事が唯一の救いかな。ヨシムラチームには世界の舞台で走るチャンスを与えてもらった事にとても感謝してるよ。最高のマシンとクルー達と一緒にレースができて良かった。本当にありがとう。 」
21 バリー・ヴェネマン NLD (BMW) 3 ( - / - )
22 ジェームズ・トーズランド GBR (BMW) 3 (15位/DNS)
「チームの努力に報いるためにもポイントを取りたかった。残念ながら手を負傷し、レース2の欠場を決めた。
次次戦のアラゴンには良くなっていると思うよ。最悪、ブルノ戦までには何とかなるでしょう。
チームメイトが両レースともトップ10入り出来、素晴らしい仕事をしたチームを祝福したい。」
23 ファブリッツィオ・ライ ITA (Honda) 1 ( - / - )
24 ブライアン・スターリン AUS (Kawasaki) 1 ( - / - )
- クリス・バーミューレン AUS (Kawasaki) - ( - / - )
「アメリカ大会に参戦できないのは残念だが、怪我がまだ治っていないので仕方がない。幸いにも良くなってきているが、チームと話し合って今回の欠場を決めた。そして6月上旬のアラゴンのテストに集中する事にした。レースから遠のいている自分のためだけではなくて、バイクの情報をもっと得たい。そして、次戦のミサノでは本来の走りを取り戻せたらと思う。コースも良く知っているしね。アラゴンではこれまで走ったことがない。ミサノの次はアラゴンでレースだから、今度のテストはコースを学べる良い機会だ。」
監督
A・ドッソーリ (ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チーム)
「マルコはこのコースに慣れていなかったし、悪天候も重なって厳しい展開を予想していたが、そのとおりになってしまった。第1レースではふたりともタイヤに問題が出たが、それはほとんどの4気筒マシンが同じ状況だったようだ。第2レースになると、コースの掃除をしたことと、おそらく気温が少し上がったせいで状況がいくらか好転。しかしマルコは今回、多くのポイントを失ったし、本人も納得のいく走りはできなかった。ユージンは結局5位に落ちてしまったが、タイヤの問題がなければ表彰台を獲得することができただろう。そして第2レースでもポテンシャルを証明してくれた。彼は今シーズンからWSBに参戦を開始したばかりのルーキーだというのに、ここまで十分な活躍を見せてくれている」
Round 5. Miller Motorsports Park 30 - May
- アフター・ザ・フラッグ -
スーパーバイク世界選手権 第5戦 アメリカ大会
■開催日:2011年5月30日(月)
■開催地:ミラー・モータースポーツ・パーク(1周4.907km)
■天候:曇り ■観客:48,000人
■PP:C・チェカ(ドゥカティ/1分58秒315)
■FL:C・チェカ(ドゥカティ/1分48秒827)
決勝レース1
トロイ・コーサーの好スタートでレース開始。芳賀紀行も2番手につける。続くのは、カルロス・チェカ、シルバン・ギュントーリ。マックス・ビアッジとジョナサン・レイは接触転倒しリタイア。
慎重なスタートを切ったチェカが、6周目にトップ浮上し、後続を引き離しにかかる。コーサー、芳賀、ギュントーリ、レオン・キャミア、ユージン・ラバティが2位争いを展開。
コーサーは、徐々に遅れ始め、ヤクブ・シュムルツが2位争いに加わる。
11週目、キャミアと争っていた芳賀が脱落。
終盤、ギュントーリとシュムルツのチームメイト同士で2位争いが熾烈となる。
ラスト2周、シュムルツがギュントーリの前に出る。
チェカ、シュムルツ、ギュントーリの順でゴールし、ドカティが表彰台を独占した。
チェカは、ウイニングランで転倒してしまうが、後の会見で、キャリアで最もハッピーな転倒だったと述べている。
芳賀は9位となった。
決勝レース2
好調を維持しているチェカがスタートから飛び出す。キャミア、ラバティ、メランドリ、芳賀、ビアッジが続く。
3周目、芳賀が転倒しリタイアとなる。
序盤からチェカのペースが飛びぬけており、後続を引き離す。2位はキャミアで単独走行。3位争いが、ラバティとビアッジ。
中盤、ビアッジがラバティを引き離し、4位までがそれぞれ単独走行となっている。5位争いは、メランドリ、ギュントーリ、ファブリッツィオ。
トップ4台はそのままの順位で終盤まで走行を続け、チェッカーを受けた。
チェカは今季、2回目のパーフェクトウィンを達成。
以下、キャミア、ビアッジ、ラバティ、ファブリッツィオ、メランドリ、ギュントーリ、シュムルツの順。
ライダース・コメント(総合ランキング順)
1 カルロス・チェカ ESP (Ducati) 195 (1位/1位)
「昨年、私達に起こった事を考えれば、今日の二つの勝利はなんと素晴らしい事だろう。
レース1では、最初のラップは慎重に走ったけど、その後、マシンの感触もよかったのでプッシュして走る事が出来たよ。
コンディション的には難しい状況だったけど、マシンは非常に良かった。
簡単ではなかったが、前に出る事が出来、アドバンテージを築こうと懸命に走りました。
最終的に冷静に走りきることが出来、マージンをコントロールしながら優勝できました。
レース2でも、マシンは良かったので、レースを楽しむ事が出来ました。
チームやドカティにとって、素晴らしい日となりました。
すべての関係者に感謝を申し上げます。」
2 マルコ・メランドリ ITA (Yamaha) 134 (10位/6位)
「とても難しいレースだったよ。第1レースはスタートこそうまくいったけれど、そのあとで芳賀選手と接触して何人かに抜かれてしまった。さらに数周あとにはエンジンカバーを縁石にぶつけ、シフトペダルにオイルがついて足が滑るようになったんだ。そしてレース中盤になるとフロントタイヤにも不具合が出てきて、挙動が激しくなってマシンを安定させることができなくなった。第2レースもまた厳しい展開。今シーズンで最悪と言ってもいいだろう。思うような走りがまったくできなくて、自分のポテンシャルを証明することもできなかった。初めからマシンのセッティングに問題があって、とくにコーナー進入は苦しかった。そのなかで少しでも安定したペースをキープしようと努力したけれど、結局それもできなかったんだ。こんなレースをしていたらだめだね」
3 マックス・ビアッジ ITA (Aprilia) 133 (リタイア/3位)
「とても残念なレースだった。レイが僕に接触し、クラッシュを避けられなかった。
レース2では、打撲で少し痛みがあったが、最善を尽くした。スタートは良かったが、慎重に走った。
3位に入るためにがんばり、存在感を見せる事は出来たと思う。ここではチェカは無敵だったので、賛辞を贈りたい。
ミサノでは良い結果が得られるはずです。まだ選手権が終わったわけではないからね。」
4 ユージーヌ・ラバティ IRL (Yamaha) 109 (5位/4位)
「両レースともスタートがとてもうまくいって、グリッドポジションをキープして第1コーナーに入ることができた。でも第1レースはシフトミスをしてしまって15位まで後退。そのあとレース中盤までに2位まで挽回したけれど、タイヤを消耗してしまってペースが上がらなくなってしまったんだ。第2レースの前にシャシーのセッティングを調整し、タイヤの消耗にも気を配るようにした。序盤は3位につけていたけれど、タイヤのことを考えて無理な追い上げはしなかったんだ。その結果として4位を獲得することができた。ランキングでも4位に上がることができたので満足しているよ」
5 レオン・ハスラム GBR (BMW) 95 (8位/13位)
「この週末のレースは忘れたい。いくつかの問題が発生しており、その解決が必要だった。
チーム全体がもっと懸命に働かねばならない。
次のレースで良い成績を収めたいのなら、一から出直してやりなおさねばならない。」
6 ジョナサン・レイ GBR (Honda) 94 (リタイア/11位)
「今週末はフラストレーションが溜まるという言葉をよく使ってきました。でも、それは少し言い過ぎていたのかもしれません。今回はレースを戦うのに十分なパッケージになっていなかったし、第2レースはすべての力を出しきった結果でした。第1レースがあっという間に終わり、21周のデータを持ち帰ることができなかったことも第2レースに向けて助けになりませんでした。第1レースは1周目にとても強引な追い越しの犠牲になってしまいました。そのため、2人とも転倒してしまいました。今週はあまり順調ではありませんでしたが、それと同じくらい残念でした。一生懸命仕事をしてくれたチームのみんなには、気の毒な結果に終わり申し訳なく思っています。最後まで、このサーキットに合うマシンのポイントを見つけられませんでした。5ポイントしか獲得できなかったのは残念。気持ちよくこのサーキットを後にすることはできないけれど、唯一の慰めは、昨年に比べればいい状態で帰国できるということ。他のチームはミサノでテストしているけれど、次戦はいいスタートをしたいと思っています。ミサノにはいい思い出があるから」
7 レオン・キャミア GBR (Aprilia) 91 (4位/2位)
「必要な結果を手に入れ、良い感触で週末を終えられます。
レース1は、表彰台を手に入れるために走りましたが、ギアに問題があり数秒ロスしていたと思う。だから、4位となってしまったのは残念だ。
レース2では、良いスタートで、チェカの後ろに付けられました。
良いペースで走行出来ていましたが、チェカに追いつく事は出来ませんでした。
チームとアプリリアには感謝しています。この調子で、将来を見据えて頑張っていきたい。」
8 ミシェル・ファブリッツィオ ITA (Suzuki) 85 (リタイア/5位)
「もっと良い結果を狙っていただけに、腹立たしく思っている。第1レースでのクラッシュは、衝撃を受けるまで全く気付かず、どうすることもできなかった。あっという間に空中に投げ出され、左半身から地面に激しく叩きつけられた。攻めすぎたルーベン・ザウスが後ろからぶつかってきたというわけだ。レース後に我々のところへ謝りに来たけれどね。マシンを修理して、第2レースに臨んだ。身体の痛みが却ってポジティブパワーにつながればと思い、あえて痛み止めの薬は使わなかった。スタートは特に良くなかったので、レース序盤は相当追い上げなくてはならなかったが、徐々に順位を上げて11ラップ目で5番手まで上がり、前方を走るラバティとの距離をさらに詰めていった。ラップタイムは自分のほうが速いことを知っていたし、次の周回で彼をパスできると思ったところで残念ながらチェッカーとなってしまったが、あともう1周あったなら4位になっただろう。15番グリッドスタートからの5位獲得はうれしいけれども、あと1周あれば4位だったと思うと少し悔しい。」
9 ヤクブ・シュムルツ CZE (Ducati) 83 (2位/8位)
「今日はとても満足しています。チームは、表彰台を獲得できる素晴らしいマシンを用意し、素晴らしい仕事を成し遂げました。
レース2は、リアに問題があってプッシュ出来ませんでした。この理由はこれから慎重に分析するつもりですが、結果としてはポジティブだったと言えるでしょう。
これから私達はミサノに向かいます。僕の好きなサーキットだし、マシンも向上させていいけると思いますよ。」
10 シルバン・ギュントーリ FRA (Ducati) 54 (3位/7位)
「スーパーバイクでの初めての表彰台なのでとてもうれしいよ。
オーストリアでのクラッシュ以来、レース結果に影響を及ぼしていたが、今は良い状態となった。
チームの素晴らしい仕事に感謝する。
レース2では、ヤクブと同じようなリアの問題が発生し、グリップせずに速く走る事が出来なかった。
それでも今後に期待を抱かせる結果で、ミサノでマシンを更によくしていきたい。」
11 芳賀 紀行 JPN (Aprilia) 54 (9位/リタイア)
「残念ながらレース1では、土曜日にドライのセッティングを詰める事が出来なかった結果が表れてしまいました。
もっといい成績が得られたはずで残念です。
レース2は、無難なセッティングで臨みましたが、表彰台争いをしていて転倒をしてしまった。」
12 アイルトン・バドヴィニ ITA (BMW) 51 (7位/9位)
「レース1よりもレース2に満足している。上手く対応できたと思う。
レースペースにも満足だ。シーズンが進むにつれ、進化してきている。
これからも懸命に働いていかねばならないね。」
13 トム・サイクス GBR (Kawasaki) 50 (6位/10位)
「第1レースの6位はポジティブな結果だと思う。昨年に比べて、前進したことを感じた。レース1の終盤には自己ベストラップタイムを出すことが出来た。これは今までになかったこと。3列目のグリッドでスタートも良くなかったけれど、追い上げてトップ6に入ることが出来た。第2レースはセットアップをほとんど変えなかった。今週末は全体的に思い切った変更はしなかったが、それも良かった。しかし、第2レースのスタート直後の1コーナーで、不運なことに行き場がなくなり身動きがとれなくなってしまった。ペースは第1レースよりも速かったけれど、レイと少しやりあっていた時、バドビーニに追いつかれて抜かれてしまった。だが、初日の予選で4番手だったことは自信になった。雨の10番手というのも、これまで雨に課題を抱えていたことを思えば大きな前進だった。チームのみんなとカワサキに感謝したい。チーム一丸となって働いた結果だった。そして、更なる進化を遂げられると確信している。」
14 トロイ・コーサー AUS (BMW) 49 (13位/リタイア)
「この週末の終わり方は残念だね。
レース1では、良いスタートを切れて逃げようと思ったけど、リアのグリップが無くなってしまった。理由が分からないので、データを分析しなければならない。
レース2では、タイヤを持たせようと思っていたが、多くのポジションを失った。そして、フロントから転倒した。」
15 ホアン・ラスコルツ ESP (Kawasaki) 39 (14位/12位)
「Ninja ZX-10Rのポテンシャルを引き出すために、もう少しバイクを理解しなければいけないと思った。第2レースのセットアップは良かったと思う。第1レースはリアタイヤが完全に終わってしまった。レース中盤にはラップタイムが1分55秒台まで落ちてしまった。第2レースでは同じタイヤを使ったが、1分50秒台をキープ出来た。1周につき5秒も速くなった!もしすべてが上手くいっていて、いいグリッドからいいスタートができたら、トップ10に入れたかもしれない。今回は予選が雨になったこともあって、タイヤの選択に迷ってしまった。まだまだスーパーバイクの経験が足りないし、もっと沢山走らなくてはいけない。」
16 ルーベン・チャウス ESP (Honda) 31 (リタイア/18位)
「両レースともに、いいスタートが切れました。マシンの感触も昨日よりだいぶんよかった。昨日、雨の中で使ったクラッチのフィーリングがよくて、今日はドライになったけれど、それを使いました。これを使うことで少し振動がなくなったけれど、ドライコンディションではエンジンブレーキの効きが足りず、第1レースはファブリッツォとの接触を避けることができませんでした。第2レースに向けて、チームがいくつか改善してくれて感触はさらによくなったけれど、第2レースではシケインでエンジンカバーが縁石に触れてしまい、その衝撃で転倒してしまいました。不運が続いたけれど、少なくとも第2レースは再スタートが切れたし、ラップタイムも悪くありませんでした。もう少しで両レースともDNFになるところでしたが、レースはときどきこういうことが起きるので、前を向いてポジティブにならなければいけません。今大会ではいくつか前進することができました。残念な結果でしたが、今回の成果を2週間後のミサノにつなげたい」
17 ロベルト・ロルフォ ITA (Kawasaki) 15 (17位/16位)
「良い日で無かったね。レース1では、リアタイアに不具合があり交換のためにピットに戻った。
レース2では、スタートは悪くなくプッシュしていたが、燃料漏れでリズムを失った。まだまだ不十分なので、懸命に働く必要がある。
このミラーでのすべてのスタッフに感謝を述べ、次のミサノはホームなので、良い成績を上げる事の望む。」
18 マキシム・バーガー FRA (Ducati) 12 (11位/14位)
「ドライでは、私のドカティは良い感触を得ていました。レースでは良いペースを維持し、なんとか11番手まで追いつきました。
レース2では、14位が精一杯でした。今、特別な7ポイントを持ってヨーロッパにもどります。ここミラーでは、チームは素晴らしい仕事をしてくれて感謝している。
次のミサノはチームのホームレースなので、頑張りたい。」
19 マーク・アイチソン AUS (Kawasaki) 9 (16位/17位)
「かなり難しい日であった。両レースともタイヤに重大な問題があった。レース1は、6ラップ位でグリップはかなり低下しており、16位となった。
レース2では、始めは楽しんで乗っていたのだが、やはりリアのグリップが急激に低下し、17位となった。
まだマシンに関して学んでいるのだが、タイヤが摩耗する問題を解決し、バランスを改良できると、将来のレースは競争力を得られると本当に信じています。
チームのハードワークに感謝しています。」
20 ジョシュ・ウォーターズ AUS (Suzuki) 8 (12位/15位)
「レース1では、とにかくスタートが上手く行かなかったのが残念だよ。失敗した訳ではないけれどスタートの激しさはオーストラリアやAMAのスーパーバイクと比較できないぐらいハードで、このバトルに入って行かないと世界では戦えない。でも上手く行けばもっと結果が良かった筈なんだ。
レース1の感触から、レース2はもっと前に行けると思ったけれど、1週目からリアタイヤに違和感があって、チェッカー迄の間に何度もクラッシュしそうになったんだよ。とても残念という言葉しか今は出てこないし、こんな結果になってしまってチームに申し訳なく思うけれど、今回のレースでもポイントを取れた事が唯一の救いかな。ヨシムラチームには世界の舞台で走るチャンスを与えてもらった事にとても感謝してるよ。最高のマシンとクルー達と一緒にレースができて良かった。本当にありがとう。 」
21 バリー・ヴェネマン NLD (BMW) 3 ( - / - )
22 ジェームズ・トーズランド GBR (BMW) 3 (15位/DNS)
「チームの努力に報いるためにもポイントを取りたかった。残念ながら手を負傷し、レース2の欠場を決めた。
次次戦のアラゴンには良くなっていると思うよ。最悪、ブルノ戦までには何とかなるでしょう。
チームメイトが両レースともトップ10入り出来、素晴らしい仕事をしたチームを祝福したい。」
23 ファブリッツィオ・ライ ITA (Honda) 1 ( - / - )
24 ブライアン・スターリン AUS (Kawasaki) 1 ( - / - )
- クリス・バーミューレン AUS (Kawasaki) - ( - / - )
「アメリカ大会に参戦できないのは残念だが、怪我がまだ治っていないので仕方がない。幸いにも良くなってきているが、チームと話し合って今回の欠場を決めた。そして6月上旬のアラゴンのテストに集中する事にした。レースから遠のいている自分のためだけではなくて、バイクの情報をもっと得たい。そして、次戦のミサノでは本来の走りを取り戻せたらと思う。コースも良く知っているしね。アラゴンではこれまで走ったことがない。ミサノの次はアラゴンでレースだから、今度のテストはコースを学べる良い機会だ。」
監督
A・ドッソーリ (ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チーム)
「マルコはこのコースに慣れていなかったし、悪天候も重なって厳しい展開を予想していたが、そのとおりになってしまった。第1レースではふたりともタイヤに問題が出たが、それはほとんどの4気筒マシンが同じ状況だったようだ。第2レースになると、コースの掃除をしたことと、おそらく気温が少し上がったせいで状況がいくらか好転。しかしマルコは今回、多くのポイントを失ったし、本人も納得のいく走りはできなかった。ユージンは結局5位に落ちてしまったが、タイヤの問題がなければ表彰台を獲得することができただろう。そして第2レースでもポテンシャルを証明してくれた。彼は今シーズンからWSBに参戦を開始したばかりのルーキーだというのに、ここまで十分な活躍を見せてくれている」