パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

洗骨

2019年02月06日 | 本・マンガ・テレビ・映画
2月6日(水)雨

昨日は、「洗骨」の試写会へ。
これは、ワタクシ、見る1日前まで知らなかったのだが、ガレッジセールのゴリさんが監督!!!
よって、重いテーマの割には、そこかしこに笑いが仕込まれている。

沖縄の離島「粟国島」に残る風習『洗骨』
亡くなった後、島の西側(あの世)に風葬され、4年後にまた骨だけになった形で出されて、家族がその骨を洗う。
母が亡くなり、それを受け入れらない父(奥田瑛二氏)は呑んだくれた生活。
家の借金を、東京で働きながら返す長男(筒井道隆氏)
名古屋で美容師をやっている娘(水崎綾女さん)も4年後、洗骨のために帰郷するが、そのお腹はすでに臨月。
戸惑い、怒り、狼狽える家族親族。
ワタクシ、この映画を見ながら、大島蓉子さんに見とれてました。
父の姉役。
厳しい伯母さんである。
司令塔のように、みんなを叱咤し、激励し、まとめる。

親戚に、必ず一人はいるんだなあ、こういうおばちゃん。
ワタクシにとっては、従姉kemiちゃんとこの伯母ちゃん。
うちの兄ちゃんなんてしょっちゅう怒られてた。
兄ちゃんが「親にも怒られ、伯母ちゃんにも怒られ・・・」とぼやいていた。
あたしは良い子だったから怒られないし、色々辛い時期には伯母ちゃんに励ましてもらったりした。
今思い返せば迷惑かけたなあ〜と反省するのだが、ちっちゃい娘を連れては毎週末のようにおばちゃんとこに入り浸っていた。
夫の親族にも「浜のおばさん」という、司令塔のような伯母さんがいる。
もう90歳を超えているが、兄弟たちを叱咤激励して、甥っ子姪っ子たちにも目を配り、その嫁たちにも心を配り、美味しい梅干を漬ける。

そんな伯母ちゃんたちを思い出しながら、この島のおばあに心惹かれる。
訳ありな妊娠をした姪っ子のことも怒鳴りつけたりしながら、でも、噂好きな輩にはガツンとカツを入れて姪っ子を守る。
いつまでも妻の死を受け入れられない不甲斐ない弟にもカツを入れ、
そんな情けない父をバカにしている甥っ子を叱り飛ばし・・・
もう、ワタクシの中では大島さんの顔が自分のおばちゃんや浜のおばさんの顔に見えてくる。
それだけでもう泣けてしまう。
死と生
どんな形であれ、そして、どこであれ、人間である以上、それの繰り返しだ。
生まれて、死んでいく。
その、「死」を乗り越えるためのいろいろな風習。
「死んだ人」のためのいろいろな風習も、結局のところ、「生きている人」「残された人」のための風習だ。
ワタクシは、「死」を怖れるあまり、この風習(一番身近なところでのお通夜。お葬式)を避けて生きてきた。
「洗骨」はまた一段とハードルが高そうな風習ではあるが、そこはとても丁寧な描き方がされており、次第にその風習がとても美しく優しく神聖なるものに思える。

不義理で逃げていられた時期は過ぎた。
少し遅すぎるきらいはあるが、これからはもう少し「死」にちゃんと向き合おうと思いながら帰路についた。
コメント
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