3月14日(金)雨
「さす九」とは「さすが九州」
いえ、褒めてません、男尊女卑の意識が根強い九州を揶揄する言葉だそうです。
書きながら、心のどこかで、それは昔の、そう我が老母達世代の話でしょと思ってました。
そして、ジェンダーギャップ指数の高い地域と、いかほど違うのか知りたいと思いました。
我が家は今、地域の班の班長さんである。
世帯数15軒ほどで、さらにはほとんど高齢者ゆえ、大した行事も仕事も無い。
年度始めの集金がちょっと大変だったくらいで、あとは回覧板を回す程度。
年に数回ある地域の神社の掃除は夫が皆勤賞で出てくれた。
とはいえ、「長」と名の付くものになりたく無い人生を歩んできたので、今月でお役御免だと思うとスッキリした気持ち。
後は、来期の班長さんと世話役さんの名簿を提出するだけ。
班長さんは、我が家と同じくらいの時期に引っ越して来られた赤い屋根の可愛いおうちのTさんで、、、ん?次の世話役さんは誰だ?
我が家は似非ポツンと一軒家なので、ここの地域の事をほとんど知らないまま数年が過ぎたという感じ。
前年度の班長さんとこに駆け込み聞くも「次は誰かしら?」とおぼつかない。
しょうがないのでここらのドンに電話すると、さすがテキパキと動いてくれて次期の世話役さんは決定。
後はTさんに最終確認すればオッケー。
回覧板を持って来られた時にお願いしてみようと思うも、回覧板はそこのおうちのお嬢ちゃんが持ってくる。
n「今、お母さん、おうちにいらっしゃる?」
お嬢ちゃん「はい!」
n「班長さんの件で今からお電話しますと伝えておいてね」
で、班の名簿を見ると・・・男の人の名前の後ろに携帯電話番号。
う〜む、「さす九女」の血が騒ぐ。
この携帯は、パパのものだろうか?もしそうだとすると、おそらくパパはまだお仕事中だろう。
いきなり近所のおばちゃんに、来期班長だからねなんて電話が来ても困るだろう。
ここはおうちに走ったほうが早い。
お嬢ちゃんの後ろ姿はもう見えず。
小走りでTさんのお宅へ。
ピンポン鳴らすとまたお嬢ちゃん。
「お母さんは?この携帯番号パパのかなと思ったから。」
お嬢ちゃん「今、お母さん、お風呂入ってます」
n「じゃあ、お伝えください。次の班長さんをお願いします。もしご都合が悪い時だけ電話して」とワタクシの携帯番号を書いて渡す。
去年の集金時「来年は順番的にお宅が班長さんみたいよ」という話をしたら奥様は「また色々教えてください」と言ってたから大丈夫だろうとふんでいた。
しばらくして・・・携帯が鳴る。
え?嫌な予感。
出ると男の人の声で「Tです。娘から班長の件、聞きました。」
物腰の柔らかい、優しい口調ながら、仕事の関係で今年はどうしても出来そうにないとおっしゃる。
ワタクシ、言葉を尽くして、大した仕事も無いし、大変なのは一回の集金くらいですよと熱弁を振るう。
Tパパもまた言葉を尽くして、今年は無理だとおっしゃる。
聞くに、子ども園で働いておられ、今年は年長さんの担当で云々・・・
朝早くから夜遅くまでの勤務になり、土曜出勤もあるし、妻も働いてまして等々
いや、だから、大した仕事ないってば、と思うし、心の中で、パパが無理なら集金はママでいいやないのと思う。
まだ就学前の男の子もいるから、それほどガチで働いてる風には見えない。
坊やと散歩がてら集金して回ればと。
ここらが「さす九女」の思考。
しかし、Tパパが一歩も引かないので諦めて「わかりました、じゃあ来年度の方と交代してもいいかを世話役さんに聞いてみますね」
で、入れ替えは構わないとの承諾を得て、今度はその方のお隣の方に電話するも不在。
あゝもうめんどい。と思いつつまたTパパに電話して「交代していいって事でしたので、◯さんに連絡して代わってもらうようにしますね、今、ご不在なのよ」
Tパパ「お隣なので、うちから相談して変わってもらうようにします。」
あ、それはありがたい。
と、一件落着した後、しみじみと色々反省する「さす九女」n。
こういうとこやぞ!と。
Tさんちでは、夫婦で話し合って、今年は無理だよね〜となったのだろう。
そして、この電話がおばちゃんだろうがおじちゃんだろうが、パパが「オレが事情を説明するよ」となったのだろう。
我が家の夫は班長会議に全て出てくれて、神社の掃除も全部出てくれた。
が、ぢつはワタクシ、これはレアなケースだと思っていた。
普通は地域の仕事は妻の役目。
そういう刷り込みをされていた。
でも、まあまあうちの夫は協力的な人だから、という意識。
「協力的」
あゝこういうとこよ。
育児を手伝うよというパパに弄っとするママ達が多い事はネット上ではよく見聞きしていた。
手伝うって何よ!と怒るママ達の気持ちもすごくわかる。
でも、やはりまだまだだなあワタクシという事を思い知らされた夕方のひと騒動であった。