おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

アウトブレイク。

2005-04-09 09:31:13 | 我思う、故に書くなりよ。
アンゴラって国が大変である。まぁ、内戦でずっと大変だったワケで、輪を掛けて大変。

なんせ、敵が見えない。目に見えないウィルスで、かなり凶暴なヤツが広がってしまったのである。エボラと聞くと、聞き覚えのある人も多いかと思うが、この仲間の「マールブルグ」が拡大感染しているのである。

あんまり聞いた事無いので「マイナー」なヤツかと思いきや、こうした危険なウィルスを少し囓ると、イの一番に出て来ると言って良いほど「メジャー」なウィルスだと判る。なんせ、デビューが派手だった。ワクチンを作るためにアフリカから輸入した猿と接触を持った関係者がバタバタ倒れたのが67年の事。ドイツのマールブルグって所で起きたので「マールブルグ病」と名前が付いた。その後、ウィルスが原因の感染症と判り、殺人ウィルスと騒がれたりした。

その後、ポチポチと主にアフリカでこの病気が確認されたりしているが、エボラの様に大勢の死者を出す事も無く、殺人ウィルスの冠はエボラに明け渡したかに思えたのだが、今回のブレイクでは大勢の感染者と死者を出している。

ドイツでの感染は猿と判っているが、アフリカでは猿では無く、他の物とされている。つまり、何だかわからない所から人に感染したと言う事で、猿も何者かから感染したと言う見方が強い。んで、元々このウィルスを隠し持ってる動物やら昆虫やら、微生物を探しまくっているんだけれど、未だに判らないでいる。この点ではエボラも同じで、感染地域の動植物やら昆虫やらありとあらゆる生物、植物を調べてはいるが、未だに判っていない。

で、ウィルスに冒されると、発熱に始まって、ありとあらゆる炎症が出て来て、重症化すると粘膜と言う粘膜から出血が止まらなくなるんである。でまぁ血みどろになって死ぬ。まぁ、エボラのそれと変わりは無い。そんな調子だから、患者と迂闊に接触をすると、感染してしまう。患者から出た体液や血液はウィルスのぎっしり詰まった様なもんであるワケ。ウィルスに対抗するワクチンも無ければ、薬も無い。出て来た症状を何とかする対処療法しか手は無く、そうした努力の中で命が助かったならばラッキーという感じ。

そうした接触以外に感染する方法があるか無いかというと、これも詳しく判らない。だから、空気感染も考慮して感染者と対峙しないとイケナイワケだが、この点ではエボラから得た教訓で、だいぶ先手を打てる様になっている。

と、言いたい所だが、一部報道によると医療関係者から感染者が広まったと言う話も聞こえて来ているので、後手に回ったのかどうなのか、詳しい話が知りたいところ。感染拡大の封じ込めに失敗したとなると、近年では非常に珍しい。

そもそも、これだけ致死率の高いウィルスだと、あまり広範囲に広まったりしないのが普通。人口の極端に多い所では存在しないし、感染者が出たとしても直ぐに厳重に管理されるので、広まってもたかが知れる。人口の少ない所での発生は、感染者が死に絶えてしまうので、そこからよそに広がる事もあまりない。ウィルスからみれば、感染した人が出来る限り長く生きて、いろんな所にバラ蒔いてくれたらそのウィルスは種の保存に成功したワケなんだが、感染者が直ぐに死んでしまうとなると、広がるにも限りが出てしまう。なんだか矛盾した奴らなんだけど、どこかに潜んでいるんだよなぁ。

まぁ、大体の所でどう接したら良いか判っているので、広範囲に広まる事もあまり無くなって来てはいるのだが、死者をどのように扱うかと言う点で防げない場合も出て来る。極端な話だけれど、病気になっても医者がいないとか、医者はいても呪術師の次だったりだとかもそうだし、死者を埋葬するまで家族がさすり続けるのが慣わしだったりすると、それだけで感染者は増える。また、知識の持たない者が死者を扱う事でも同じ結果になってしまう。

水がふんだんに使える所ならば良いが、水を得るのに2~3日草原を歩かなくてはいけなかったりすると、手を洗うと言う習慣すら無かったりする。不衛生と言えばそれまでだけれど、これだって致し方ない。一番疑われている猿でさえ、主食の1つかもしれないワケだから、研究と一緒に啓蒙も進めないと発生はともかく、感染を封じ込めるのもやっかいなんだと思う。

先進国での研究は確実に進んでいるので、いずれはこんな恐ろしいウィルスも消える日が来るんだと思うが、実際の所、深く研究しているのは世界で4~5カ所しかない。恐ろしく致死率の高いウィルスを扱える施設がそれだけ無いワケで、P4と呼ばれる施設が必要とされる。日本にもP4施設はあるんだけれど、稼働しているんだかいないんだか。施設は作れても、周辺住民の同意が無ければ扱えないし、研究も出来ないワケ。

じゃあ、こんな恐ろしいウィルスは日本で広まる恐れは無いのか? と言うと、有り得る。感染者がアフリカで飛行機に乗ったとしても、48時間後には日本に着くだろう。旅行者だって多いし、具合が悪いのなんてのは自己申告だし、SARSでもまた流行らなければ、非接触での体温検知なんてのもやらないだろうし。こうした凶暴なウィルスを用いた「生物兵器テロ」だって考えられなくは無い。

トム・クランシーは「合衆国崩壊」でエボラによるテロをそこに描いて見せた。アフリカでエボラに感染した修道女を某国に拉致して、そこでウィルスを兵器化した物を、アメリカでバラ蒔いている。現実としてどうなのか怪しい所もあったけれど、炭疽菌によるテロは実際に起きたし。冷戦時代からアフリカ大陸が戦争兵器の実験場だったってのも気になるんだよねぇ。紛争に乗じて裏で色々とやってたりしたわけで、広大なサバンナやジャングルの中じゃ何があっても判らないしなぁ。

最近でも、真偽のほどは定かではないが、アジアの某国でエボラがブレイクしたとかと言うニュースが中華系のWEBサイトに流れた。当然、某国の当局は真っ向から否定したと言う追加報道が載っていたが、感染源は船による密入国者で、税関の人間が感染したと、いかにもな話だったけれど、ありそうだし、なさそうでもある話だとは思った。感染から発症までの期間がそこそこあるウィルスならば、まんざらでも無いからね。

それだけ、ウィルスにとって都合良く世界は縮まったと言うワケでもある。対岸の火事がそうでなくなるのも時間の問題なのかもしれない。今の所、幸いにして日本にやって来ていないと考えておいた方がいいだけの話なんだと思う。まぁ、日本だとどこでも一定のレベルで清潔だし、極度に不衛生な環境も少ないので、惨事になる様な事は無いかもしれないけれど、薬やワクチンが無いものだからねぇ…。

そう考えると、天然痘撲滅って、凄い事やってのけたんだなぁ…。

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