…出ちゃった…んで、さて、どーするのか?
まぁ、幽霊そのものズバリが出たワケではなく、怪音が部屋中に…って事だが、自身の経験で言えば…数分で収まる場合もあれば、間欠的に数時間続いたりするので、真剣に考えたらスゲー嫌な事になる…。
とは言え、そうそう転居も出来ないワケなので、諦めるというか、慣れるというか、そんな感じで当たり前のモノとして住んでいたりしたが、いつしかほとんど起きなくなってしまい、アジトを新築しなおしたら皆無になってもいる…。
ま、音の原因が幾ら調べても判らないので、音を止める事は不可能に近い。
「これ、ココ叩いてるよね?」
「…あ、コッチだ…」
「なんで音出るの?」
「あ、そっちだ…」
てな具合に、フツーに音を追っかけて原因は何なのか? あれこれと考えたりもしたんだが…判らないんだよねぇ…。明らかに室内から壁面を叩いている音なのだが、真似すると若干違いがあったりして、なかなかせっかちにノックしないと…なんてのが判るくらい…。
さて、どーするか…。我々は再び現場マンションに集合し、作戦会議を…。
ICレコーダーやらデジカメを用意してもらい、証拠を集める…って事にはしてもらったが、そうした事を意識しているのか、スタンバイしてると音が聞こえてこないと言う…。
「…んじゃ、出しっぱで。いんじゃね?」
「アンタ、そーゆー問題? ちっとは真剣に考えなさいよ…」
「盛り塩とかどーですか?」
「あー。塩ね。意味無かったよ、ウチの場合。」
「ええっ! ダメなの?」
少なくとも、アジシオとか専売公社(古いな…)の食塩じゃ、ダメみたいだ。一時期は常に新鮮なモノを小皿に盛っていたりしたが、ほぼ意味が無い。関係なくヤツらは壁面を叩きまくる…。
「でもさ、レコーダーなりデジカメなり出しっぱで音が無いならいいじゃん。」
「嫌なのかな? 余計に気味悪いね…」
「お線香炊くとか、そういうのはどうですかね?」
するとヤツらは仏式なのか…。純粋に供養して欲しいという意志でも判ればそれもアリだが、判らん以上はどうなんだか。あ。そもそも「輪廻転生」だから幽霊にならねぇのか?
心霊スポットと呼ばれる場所も、幾つも行ったが、線香とか、そうしたモノは持ち込んでいない。幽霊を信じる信じないに関わらず、そうした奇怪な現象が起きる事は確かなので、あまり関係ないと思う。ちゃんと出て来て、そうした主張をするのならば、じゃあ用意して…って事も出来るが、ちゃんと出て主張した試しも無い…。
「外人だったら、ちょっと意味違うよねぇ…」
「お、あんたらイエス様だろ? そういう話は無いの?」
「…聞いた事無いなぁ…イエス様が出て来る話はよく聞くけど…」
「そう言えば無いよね、牧師さんとかの話でも…」
と、至極まじめに対策会議を開いているが、そうした奇怪な音は聞こえてこない…。特に「パァーン…」って音が聞きたいのだが、鳴りゃしねぇ…。
「…音しないねぇ…」
「ねぇ? なんでだろ?」
「おじたんが嫌われてるとか?」
「おれは魔除けなのか…」
ちっ! 人を選びやがって…。でもまぁ、それもある事なのだ。
特定の人だけに不可解な現象が起きてる…なんて事があってだね、ま、幸いにその当事者はそれが心霊現象だとは全く考えていなかったのだけれど…他人から見れば…って事があった。
「何撮っても上手に撮れない…」
と、知人のカメラマンが相談を持ちかけられて、相談者が撮った写真の数々を見てみると…不可解なアート作品ばかり…。意図してアート作品みたいな写真を撮ってるワケじゃなく、庭の花とか、飼っている金魚とか、遊びに来た友人知人を普通に撮っているだけなのだが、光の芸術に席巻されたアート作品が出来上がる。
あまりに奇怪なので、見てくれって事で、お出掛けに…。
まぁ、立派なアート作品がアルバムに何冊も…。普通なら捨てちゃうんじゃないかと思うのだが、撮れる写真のほぼ全てがそうなのだから、それを大切にアルバムにしておく他に無いんだな…。
で、驚愕の事実を発見し、プロカメラマン2人は絶句する…。プリントされた写真では判らないが…ネガを見ると、あり得ない事になっていたのだ。
レンズを通した像はキチンとフィルムの所定の部分に届いており、ちゃんと露光されている…。所定の部分以外には光が当たらないので、未露光となり、ネガは透明になるんだが…この部分にまでアートな光は写り込んでおり、カメラがよほど変な破損でもしていなければ考えられない状態…。
カメラはコンパクトなフルオートで…こうした技巧が凝らせるモノでは無いし、壊れている事もなく、至ってフツー。
「あのさぁ…オレのイオスで撮ってもそうなるんだけど…」
と、見せられたネガには、確かにアートになっているが、所々無事な部分がある。無事とは言っても、アートに隣接している部分は若干影響を受けているが、プリントすれば気にならない程度。
「このコマは誰が撮ったの?」
「…オレ…。」
「アートなトコロは?」
「…あたし…」
プロサービスでメンテを受けているカメラなので、そうそうこうした事にはなりにくい。だけれども、相談者の女性が撮ると…アートに…。
こうなると、カメラが原因とは考えられず、幾ら買い換えても意味は無さそうだし、腕とか技術の話じゃないもんだから…どうしたらマトモに撮れるのか考えるのもムズカシイ…。
「あれ? これフツーじゃん。水着カワイイ。」
「あ、海外とか、旅行で出掛けた写真は大丈夫なんです。」
「何それ…。」
「ここで撮るとこうなるんです。」
…ま、土地の歴史を考えたら…ここは確かに…ってトコロだが、なぜあんたに…。結局、解決方法が見つからず、高価なコンパクトカメラを買い換えるよりは、使い切りカメラで我慢していた方が何かと良いんじゃないだろうか…って事になった。
ところが、この話は意外な結末を迎える…。
ほどなくして、相談者は転居を余儀なくされる。その理由は…新築で2年目のアパートなのに「取り壊し」。理由は明らかにされなかったそうだが、転居費用は管理会社とオーナーが出してくれた上に、謎の「迷惑代」が付いていたと言う。
住んでる女性は自身のアート写真以外に不都合は無かったのだが、他の入居者にはいろいろとあったみたいだと聞く。
「2階に住んでいた人が、窓の外に人が立っているのを見たとかで大騒ぎになったと言ってました。あたし、海外に出て留守だったんで知らないんですけど…」
幽霊アパートだったとでも言うのか…。そうした雰囲気は無かったが…。彼女は幽霊とは思わず、泥棒の類な話だと思っているらしい。ちなみに、アートな写真にはアートな光のうねうね…が写っているだけで、そのものズバリとか、それを思わせる様な像は無かったと記憶している…。
転居してから、彼女の撮る写真も極めてフツーになったんだと言う。
「写るんですが帰ってこなくて…代わりに3個送られて来たんですけれど…」
勧めたとおりに使い切りカメラを使ってたわけだが、現像に出しても撮った写真が戻って来なかったという。代わりに、不具合のお詫びと、写るんです3個が届いたとか。不具合じゃねーよな…でも、メーカーもあのネガ見たら相当驚くだろうと思う…。使い切りカメラじゃあり得ないんだから。
…話は戻り、怪音に悩むマンションの一室…
「…音しねぇな…」
「しないねぇ…」
「あたしにしか聞こえないのかなぁ…」
今日は終末なので、夜が更けても問題ない…。作戦会議している間に、持久戦になってしまった…。
まぁ、幽霊そのものズバリが出たワケではなく、怪音が部屋中に…って事だが、自身の経験で言えば…数分で収まる場合もあれば、間欠的に数時間続いたりするので、真剣に考えたらスゲー嫌な事になる…。
とは言え、そうそう転居も出来ないワケなので、諦めるというか、慣れるというか、そんな感じで当たり前のモノとして住んでいたりしたが、いつしかほとんど起きなくなってしまい、アジトを新築しなおしたら皆無になってもいる…。
ま、音の原因が幾ら調べても判らないので、音を止める事は不可能に近い。
「これ、ココ叩いてるよね?」
「…あ、コッチだ…」
「なんで音出るの?」
「あ、そっちだ…」
てな具合に、フツーに音を追っかけて原因は何なのか? あれこれと考えたりもしたんだが…判らないんだよねぇ…。明らかに室内から壁面を叩いている音なのだが、真似すると若干違いがあったりして、なかなかせっかちにノックしないと…なんてのが判るくらい…。
さて、どーするか…。我々は再び現場マンションに集合し、作戦会議を…。
ICレコーダーやらデジカメを用意してもらい、証拠を集める…って事にはしてもらったが、そうした事を意識しているのか、スタンバイしてると音が聞こえてこないと言う…。
「…んじゃ、出しっぱで。いんじゃね?」
「アンタ、そーゆー問題? ちっとは真剣に考えなさいよ…」
「盛り塩とかどーですか?」
「あー。塩ね。意味無かったよ、ウチの場合。」
「ええっ! ダメなの?」
少なくとも、アジシオとか専売公社(古いな…)の食塩じゃ、ダメみたいだ。一時期は常に新鮮なモノを小皿に盛っていたりしたが、ほぼ意味が無い。関係なくヤツらは壁面を叩きまくる…。
「でもさ、レコーダーなりデジカメなり出しっぱで音が無いならいいじゃん。」
「嫌なのかな? 余計に気味悪いね…」
「お線香炊くとか、そういうのはどうですかね?」
するとヤツらは仏式なのか…。純粋に供養して欲しいという意志でも判ればそれもアリだが、判らん以上はどうなんだか。あ。そもそも「輪廻転生」だから幽霊にならねぇのか?
心霊スポットと呼ばれる場所も、幾つも行ったが、線香とか、そうしたモノは持ち込んでいない。幽霊を信じる信じないに関わらず、そうした奇怪な現象が起きる事は確かなので、あまり関係ないと思う。ちゃんと出て来て、そうした主張をするのならば、じゃあ用意して…って事も出来るが、ちゃんと出て主張した試しも無い…。
「外人だったら、ちょっと意味違うよねぇ…」
「お、あんたらイエス様だろ? そういう話は無いの?」
「…聞いた事無いなぁ…イエス様が出て来る話はよく聞くけど…」
「そう言えば無いよね、牧師さんとかの話でも…」
と、至極まじめに対策会議を開いているが、そうした奇怪な音は聞こえてこない…。特に「パァーン…」って音が聞きたいのだが、鳴りゃしねぇ…。
「…音しないねぇ…」
「ねぇ? なんでだろ?」
「おじたんが嫌われてるとか?」
「おれは魔除けなのか…」
ちっ! 人を選びやがって…。でもまぁ、それもある事なのだ。
特定の人だけに不可解な現象が起きてる…なんて事があってだね、ま、幸いにその当事者はそれが心霊現象だとは全く考えていなかったのだけれど…他人から見れば…って事があった。
「何撮っても上手に撮れない…」
と、知人のカメラマンが相談を持ちかけられて、相談者が撮った写真の数々を見てみると…不可解なアート作品ばかり…。意図してアート作品みたいな写真を撮ってるワケじゃなく、庭の花とか、飼っている金魚とか、遊びに来た友人知人を普通に撮っているだけなのだが、光の芸術に席巻されたアート作品が出来上がる。
あまりに奇怪なので、見てくれって事で、お出掛けに…。
まぁ、立派なアート作品がアルバムに何冊も…。普通なら捨てちゃうんじゃないかと思うのだが、撮れる写真のほぼ全てがそうなのだから、それを大切にアルバムにしておく他に無いんだな…。
で、驚愕の事実を発見し、プロカメラマン2人は絶句する…。プリントされた写真では判らないが…ネガを見ると、あり得ない事になっていたのだ。
レンズを通した像はキチンとフィルムの所定の部分に届いており、ちゃんと露光されている…。所定の部分以外には光が当たらないので、未露光となり、ネガは透明になるんだが…この部分にまでアートな光は写り込んでおり、カメラがよほど変な破損でもしていなければ考えられない状態…。
カメラはコンパクトなフルオートで…こうした技巧が凝らせるモノでは無いし、壊れている事もなく、至ってフツー。
「あのさぁ…オレのイオスで撮ってもそうなるんだけど…」
と、見せられたネガには、確かにアートになっているが、所々無事な部分がある。無事とは言っても、アートに隣接している部分は若干影響を受けているが、プリントすれば気にならない程度。
「このコマは誰が撮ったの?」
「…オレ…。」
「アートなトコロは?」
「…あたし…」
プロサービスでメンテを受けているカメラなので、そうそうこうした事にはなりにくい。だけれども、相談者の女性が撮ると…アートに…。
こうなると、カメラが原因とは考えられず、幾ら買い換えても意味は無さそうだし、腕とか技術の話じゃないもんだから…どうしたらマトモに撮れるのか考えるのもムズカシイ…。
「あれ? これフツーじゃん。水着カワイイ。」
「あ、海外とか、旅行で出掛けた写真は大丈夫なんです。」
「何それ…。」
「ここで撮るとこうなるんです。」
…ま、土地の歴史を考えたら…ここは確かに…ってトコロだが、なぜあんたに…。結局、解決方法が見つからず、高価なコンパクトカメラを買い換えるよりは、使い切りカメラで我慢していた方が何かと良いんじゃないだろうか…って事になった。
ところが、この話は意外な結末を迎える…。
ほどなくして、相談者は転居を余儀なくされる。その理由は…新築で2年目のアパートなのに「取り壊し」。理由は明らかにされなかったそうだが、転居費用は管理会社とオーナーが出してくれた上に、謎の「迷惑代」が付いていたと言う。
住んでる女性は自身のアート写真以外に不都合は無かったのだが、他の入居者にはいろいろとあったみたいだと聞く。
「2階に住んでいた人が、窓の外に人が立っているのを見たとかで大騒ぎになったと言ってました。あたし、海外に出て留守だったんで知らないんですけど…」
幽霊アパートだったとでも言うのか…。そうした雰囲気は無かったが…。彼女は幽霊とは思わず、泥棒の類な話だと思っているらしい。ちなみに、アートな写真にはアートな光のうねうね…が写っているだけで、そのものズバリとか、それを思わせる様な像は無かったと記憶している…。
転居してから、彼女の撮る写真も極めてフツーになったんだと言う。
「写るんですが帰ってこなくて…代わりに3個送られて来たんですけれど…」
勧めたとおりに使い切りカメラを使ってたわけだが、現像に出しても撮った写真が戻って来なかったという。代わりに、不具合のお詫びと、写るんです3個が届いたとか。不具合じゃねーよな…でも、メーカーもあのネガ見たら相当驚くだろうと思う…。使い切りカメラじゃあり得ないんだから。
…話は戻り、怪音に悩むマンションの一室…
「…音しねぇな…」
「しないねぇ…」
「あたしにしか聞こえないのかなぁ…」
今日は終末なので、夜が更けても問題ない…。作戦会議している間に、持久戦になってしまった…。