オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

映画『Dear Doctor』(ネタバレあり)

2009-07-06 | おすすめ映画

モアリズムがサントラを担当した映画『Dear Doctor』を観に行きました。
昨日の今日ですが、SecretのAkiちゃんとまたまたデート。
なかなか含みのあるいい映画でしたね。
そして「おあともよろしいようで・・」というのが何より。

西川美和監督の映画は『蛇イチゴ』『ゆれる』そしてこの『Dear Doctor』の3本を観たんだけれど、どれも共通しているのは人間の裏側のドロッとしたところを余すところなく描いているところ。
そしてそのドロッとした沼から咲く一輪の蓮の花のように、最後に何故か清々しいワンカットで救われるところ。

「その嘘は、罪ですか。」というキャッチコピー。
人は多かれ少なかれ、誰でも嘘をつきながら生きていて、その嘘を信じたい人がいる。・・・というようなことを感じましたね。

『裸の王様』や『王様の耳はロバの耳』のように、誰もが(本人さえも)ホントのことを言えない時と言うのは、苦しいです。
「ホントはこうだったんです」
笑福亭鶴瓶演じる伊野先生・・最後に年老いた自分の父親にホントのことを打ち明けるシーンに胸を打たれました。

ところで「生死」を扱う映画で、いつも私が心に引っかかる映画の1つにトムハンクス主演の『グリーンマイル』があります。
この映画の最後のシーンをを思い出す度に「現代医療が目指す延命や、不老不死って果たして本当に幸せなんだろうか」って思います。
先日105歳で亡くなった知り合いのFさんというお婆さんの夢は、「早く天国のお父さん(ご主人)に会いたい」ということだったと聞きました。
物事って1つの物差しでは測れないものだと、つくづく思います。

私は私自身の物差しでしか世界を測れない。
でもそれでいいのだと思います。
きっとそれが、生きている意味のようなものかもしれないから。

「僕が死んだらハイになって 笑う花を咲かせましょう
 そのとき君が今のままなら きっと僕だと気付いてくれるでしょう
 ・・・・・
 遠まわり 遠まわりするのさ どんな道草にも花は咲く」
(モアリズム『笑う花』より)