第180通常国会が24日、召集されました。奇しくも東京では前夜から雪が積もり、まっさらな気持ちで朝を迎えました。会期は6月21日までの150日間です。
野田首相が「政治生命を懸ける」と言い切った消費増税の実現へ道筋をつけられるかが最大の焦点となります。残念なことですが、「政権奪回」を掲げる自民党は消費増税をめぐる与野党協議を拒否し、解散・総選挙を迫る徹底抗戦の構えです。一方の首相も理不尽な抵抗に対しては衆院解散も辞さないと腹を固めているように見えます。今国会は、解散含みの緊迫した展開となりそうです。
御用納めの翌日、年の瀬も押し迫った29日の深夜、野田首相は自ら民主党税制調査会と党一体改革調査会の合同総会に出席し、「今、我々が逃げたら、この国はどうなるのか」と訴え、社会保障と税の一体改革の素案に税率の引き上げ幅と実施時期を明示することへの理解を求めました。その結果、税率引き上げ時期を「2014年4月に8%、15年10月に10%」とし、原案より半年遅らせる案で決着しました。また、消費税引き上げを実施する際、「経済状況などを総合的に勘案し、消費税引き上げの停止を含め所与の措置を講じる規定を法案に盛り込む」との景気弾力条項を入れたことに加えて、増税前に衆院議員定数の削減や公務員人件費カットを実施する方針も明記しました。
たかが半年ですが、増税期時期をずらしたことは大きな意味があると思います。現在の衆議院議員の任期は、2013年8月までです。したがって、消費税の引き上げを行う前に民意を問う総選挙が必ず行われます。
年末年始、地元でも消費税率の引き上げについては、さまざまなご意見をいただきました。増税は拍手喝采を受ける政策ではありません。一方で、国と地方合わせて一千兆円にのぼる借金も、少子高齢化の下での社会保障の問題も、この数年で起こった問題ではなく、ずっと前からの課題です。しかし、これまでの政治は、それを先送りにしてきました。どの政党が政権にあろうが、誰が総理であろうが、避けて通れない問題であることははっきりしています。いつか消費税を引き上げなければならないということに、真っ向から異論を唱える人はそうは多くないと思います。問題は、そのタイミングと手順です。
まず、タイミングについて、私は、現在のような経済状況では増税は実行できないと思います。ダイエットをするにも風邪をひいている時に無理にやれば寝込んでしまいます。そもそも、何のために増税するかと言えば、税収を増やすためです。しかし、消費税増税を実施すれば、必ず個人消費は冷え込み、景気は下振れします。税率を上げたけど、税収は上がらなかったというのでは何のための増税か分かりません。円高とデフレを克服して経済を回復軌道に乗せてこそ、増税は実行可能となります。
次に、手順です。「まず隗より始めよ」という言葉があるように、まず、議員が自ら身を削る姿勢を示した上で、公務員給与の削減を含む徹底した行政改革を行わずして、国民にだけ負担を求めることが許されるはずがありません。私は、議員定数の削減、公務員給与削減を実行しないで消費税を引き上げることには反対です。
再度、申し上げます。私たちの任期は2013年8月までです。増税の実行は2014年の4月であり、次の選挙の後の話です。選挙の後の話をしても意味がありません。次の選挙までに、総理が決めたことを約束どおり、実行できるかどうかは、まさにこれから選挙までに、議員定数を削減できるか、公務員救助をカットできるか、円高・デフレを克服できるかにかかっているのであって、我々が次の選挙までになすべきはそのことに全力を挙げることなのです。もし、党内、党外を問わず、これを阻むものがあれば、解散して民意を問う、その覚悟で、野田総理にはぶれずに進んでいただきたいと思います。
ただ、地元を歩いて感じるのは、野田首相の本気さ、覚悟がまだ国民に伝わっていないし、説明が不十分なために増税の前にやるべきことをやるということも国民に理解されていないということです。
野田首相には、自分の言葉でもっと国民に語りかけ、自ら説得する姿勢を前面に出していただきたいと思います。私もこの国会は、覚悟をもって、増税の前の徹底的な行革と政治改革の断行に取り組んでまいります。
野田首相が「政治生命を懸ける」と言い切った消費増税の実現へ道筋をつけられるかが最大の焦点となります。残念なことですが、「政権奪回」を掲げる自民党は消費増税をめぐる与野党協議を拒否し、解散・総選挙を迫る徹底抗戦の構えです。一方の首相も理不尽な抵抗に対しては衆院解散も辞さないと腹を固めているように見えます。今国会は、解散含みの緊迫した展開となりそうです。
御用納めの翌日、年の瀬も押し迫った29日の深夜、野田首相は自ら民主党税制調査会と党一体改革調査会の合同総会に出席し、「今、我々が逃げたら、この国はどうなるのか」と訴え、社会保障と税の一体改革の素案に税率の引き上げ幅と実施時期を明示することへの理解を求めました。その結果、税率引き上げ時期を「2014年4月に8%、15年10月に10%」とし、原案より半年遅らせる案で決着しました。また、消費税引き上げを実施する際、「経済状況などを総合的に勘案し、消費税引き上げの停止を含め所与の措置を講じる規定を法案に盛り込む」との景気弾力条項を入れたことに加えて、増税前に衆院議員定数の削減や公務員人件費カットを実施する方針も明記しました。
たかが半年ですが、増税期時期をずらしたことは大きな意味があると思います。現在の衆議院議員の任期は、2013年8月までです。したがって、消費税の引き上げを行う前に民意を問う総選挙が必ず行われます。
年末年始、地元でも消費税率の引き上げについては、さまざまなご意見をいただきました。増税は拍手喝采を受ける政策ではありません。一方で、国と地方合わせて一千兆円にのぼる借金も、少子高齢化の下での社会保障の問題も、この数年で起こった問題ではなく、ずっと前からの課題です。しかし、これまでの政治は、それを先送りにしてきました。どの政党が政権にあろうが、誰が総理であろうが、避けて通れない問題であることははっきりしています。いつか消費税を引き上げなければならないということに、真っ向から異論を唱える人はそうは多くないと思います。問題は、そのタイミングと手順です。
まず、タイミングについて、私は、現在のような経済状況では増税は実行できないと思います。ダイエットをするにも風邪をひいている時に無理にやれば寝込んでしまいます。そもそも、何のために増税するかと言えば、税収を増やすためです。しかし、消費税増税を実施すれば、必ず個人消費は冷え込み、景気は下振れします。税率を上げたけど、税収は上がらなかったというのでは何のための増税か分かりません。円高とデフレを克服して経済を回復軌道に乗せてこそ、増税は実行可能となります。
次に、手順です。「まず隗より始めよ」という言葉があるように、まず、議員が自ら身を削る姿勢を示した上で、公務員給与の削減を含む徹底した行政改革を行わずして、国民にだけ負担を求めることが許されるはずがありません。私は、議員定数の削減、公務員給与削減を実行しないで消費税を引き上げることには反対です。
再度、申し上げます。私たちの任期は2013年8月までです。増税の実行は2014年の4月であり、次の選挙の後の話です。選挙の後の話をしても意味がありません。次の選挙までに、総理が決めたことを約束どおり、実行できるかどうかは、まさにこれから選挙までに、議員定数を削減できるか、公務員救助をカットできるか、円高・デフレを克服できるかにかかっているのであって、我々が次の選挙までになすべきはそのことに全力を挙げることなのです。もし、党内、党外を問わず、これを阻むものがあれば、解散して民意を問う、その覚悟で、野田総理にはぶれずに進んでいただきたいと思います。
ただ、地元を歩いて感じるのは、野田首相の本気さ、覚悟がまだ国民に伝わっていないし、説明が不十分なために増税の前にやるべきことをやるということも国民に理解されていないということです。
野田首相には、自分の言葉でもっと国民に語りかけ、自ら説得する姿勢を前面に出していただきたいと思います。私もこの国会は、覚悟をもって、増税の前の徹底的な行革と政治改革の断行に取り組んでまいります。