人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

公共交通の再生

2008年02月13日 | 政治
 私は、愛知13区、碧海5市の抱える課題の一つは、常々、公共交通の脆弱さだと考えていますが、今日、訪問先で名古屋大学大学院環境学研究科の加藤博和准教授の小論を紹介されました。

 クルマ社会の進展によって、各地でバス路線の廃止が進んでいます。今後、高齢化社会の進展によって、クルマを運転できないお年寄りが増えてくると、この問題はもっとクローズアップされてくると思います。
 
 例えば、安城でもわずかに残っている新安城駅からJR安城駅を経て更生病院に向かう路線でさえ、名鉄からは赤字を理由に廃止の申し入れがあるそうです。これに対して、安城市は、市からの財政支援を増額することで存続を求めています。

 加藤先生の小論のユニークな点は、このような各地で起こっている状況について次のように痛烈な批判を加えている点です。

「『突然のことで驚いた』『一方的で認められない』といったシロウト同然のコメントを出し、その後署名運動や事業者等への要望書提出といったあまり意味のない行動をし、挙句の果てに事業者に言われるがまま公的補助を出して従来通りのまま存続(延命?)を図るという、何ともしまらない対応をとる自治体が数多く見られた。」

「あまり意味がない」、「何ともしまらない」などかなり刺激的な言葉が並んでいます。

 では、安城のアンクルバス、碧南のくるくるバス、刈谷の公共施設連絡バス等のコミニティーバスが路線バス廃止への回答になるかというと残念ながらそうはなっていないと思います。
 結局は、市内を循環させているだけで、路線は市をまたいだ人の移動等ニーズを反映していないし、ダイヤも使い勝手が悪いものになってしまっています。
 
 この点についても加藤先生は「『ないよりまし』と、クルマを自由に使えない人たちが無理して利用するコミニティーバスが全国を走り回る結果をもたらしている」と厳しい評価を下しています。

 加藤先生は、地域公共交通の再生の答えは、地域住民、沿線店舗・病院等、バス事業者が参画するNPOが要になって行政の支援を前提とせずに路線バス運行を独自に行い、最終的にはそれに市も補助金を拠出した「生活バスよっかいち」の活動の中にあると述べています。

 NPO法人「生活バス四日市」のスキームは私もおもしろいと思います。これをうまく活用すれば、碧海5市の地域でも市域をまたぐような市民のニーズにもうまく対応できる可能性があります。興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

http://www.rosenzu.com/sbus/index.html
 

 


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