人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

「希望格差社会」

2005年01月06日 | Weblog
 2005年、新たな年を迎えた。新年に意気込んで書き始める日記と言うのは続かないのが世の常だが、このブログは細々とでも何かとか書き続けて、時々の思いや考えを後で振り返ることができればと考えている。

 年末年始は、予想外に休暇をもらうことができ。妻と一緒に私の両親が住む福岡に帰省した。まだ小さい姪っ子甥っ子も一緒だったため、あまり外に出ることもなく典型的な寝正月となってしまった。

 かと言って、本もあまり読まなかったのだが、読んだ本で面白かったのは、

「希望格差社会」山田昌弘著、筑摩書房刊

である。
著者の山田昌弘東京学芸大学教授は、「パラサイト・シングル」という言葉の生みの親でもある。

 副題には、「『負け組』の絶望感が日本を引き裂く」というこれまたショッキングな副題が付けられている。
 よく「勝ち組」と「負け組」という言葉が使われるが、昨今指摘されている格差の拡大は、単なる収入といった量の開きではなく、質的な隔たりへと変化していることに著者は警鐘を鳴らしている。
 大学を出ても就職できるとは限らない、理想の結婚ができるとは限らないし結婚しても離婚さえるかもしれない、就職してもリストラされるかもしれない、生活の様々な局面でリスクが増し、生活が不安定化している。

 人は、辛くても貧しくても、ささやかな夢があれば生きていける。戦後の焼け野原の中で、我々の祖父母の世代は、昨日より今日より明日がよい日になると信じてがんばってきた。他方、いまの日本には、すべてがあるが、希望だけがない。
 夢や希望を失った人はどうなるか、努力することをあきらめ、現実から逃避する、自暴自棄になる、そうして社会は病んでいく・・。

 岡田代表は、昨年の臨時国会の代表質問で、小泉総理がアテネ五輪に言及し「やればできる」と言ったのに対して、「努力した人が報われる社会にするとともに、努力したけど報われないたくさんの人々がいることを決して忘れない政治を実現すること、目指すことを誓い、私の代表質問といたします」と演説を締めくくった。
 これを一歩進めれば、努力することをあきらめてしまった希望を喪失した「希望格差社会」を何とかしなければならないということになるのではないだろうか。

 著者も述べているように、社会で進展している状況を食い止めようとしても難しい。何ができて何ができないのか、何をすべきか何をしてはいけないのかを議論することがまず政治に求められていることである。



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