あれは,あれで良いのかなPART2

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減る税収,増える歳出で自治体破産が現実的か

2009年03月09日 21時17分43秒 | 地方自治
国税の話ですが,不景気のあおりを受け,法人税収が7兆円ほど減るおそれがあるとのことです。この税収不足に対処するべく,赤字国債の発行も視野においた対応を検討しているようです。

税収不足、兆円単位のおそれ 08年度、法人税下ぶれ(朝日新聞) - goo ニュース

市町村財政はもっと深刻に

国の財政が破綻寸前にあるのは今さら説明はいらないと思います。
今回の税収減は国税の話とはいえ,法人税収が減少するとなると,地方税である法人事業税も減少することになります。また,所得税も大幅減少することが容易に想定できるため,住民税もそれに関連して大幅減少します。
つまり,地方財政は「大幅税収減」を余儀なくされます。
しかも,実は市町村財政を襲う減収はこれだけではありません。平成の大合併により,地方交付税交付金については,当初5年間は旧市町村レベルで交付を維持する(まあ,厳密言うと「維持」ではなく,「同じレベルで交付」なのですが)が,これから5年間で合併後の市町村レベルに順次引き下げていくことになります。つまり,平成15年に合併した市町村は,いよいよ「交付税,お前もか」という感じで地方交付税交付金も減ってしまうわけです。
さらにさらに,国策としての減税であれば「減税補填債」という借金をすることができますが,歳入減のみであれば,地方自治体ではいわゆる「赤字地方債」の発行は原則できませんので,歳入を補うすべはないのです。

一方,歳出はどうでしょうか。無駄な公共事業削減は,形の上ではどこの市町村でも行っています(え,本当?ってここでは突っ込まないでね。)。
ただ,不景気のあおりを受けたことや,派遣切り対策などを踏まえて,人件費削除はさほど行えず,逆に,生活保護の増加や,働く母親が増加したことから,延長保育なども余儀なくされるなどといった福祉関連費の増加,中小企業対策としての緊急融資費の増加,学費を払えない家庭に対する援助など教育関連費の増加,地元企業振興策としての事業費や各種購入費用の増加など,経常経費を中心として結構増加してしまいます。
その上で,「不景気には公共事業」と信じてやまない首長だと,結局「工事だ,工事だ」といって,公共事業費が増加してしまうのです。
せいぜい,削れるのは,「職員の給与」くらいなもの,っていうオチになるわけです。

以上を踏まえると,電卓を叩かなくても,「どうみても赤字が増えるのではないか」っていうことの察しは付くと思います。
そうなのです。地方財政は,来年度,再来年度は相当な氷河期が予想されます。当然,国が支援することは現状では想定できません。むしろ,現状では,地方に対する財政支援は減少させるでしょう。国の財布も空っぽだからです。
するとするとどうなるか,残るは「破産」です。地方自治体の財政破綻が夕張市以外にも起こりうるでしょう。しかも,本当にそうなると,「複数の町」で発生するかもしれません。

今,私たちにできることは,選挙がある町ならば,選挙という選択肢が取れますが,選挙がしばらくない町の場合は,「町の政策を見守る」という以外にありません。
ただ,「不景気なので景気対策として**をやります」と言われた場合,それを鵜呑みにしてはいけません。景気対策として効果があるのは,「払った以上のお金が戻ってくる可能性が高い施策」くらいです。逆に,猫も杓子も「景気対策としてあれやれ,これやれ」と煽ることは,結局は自分の首を絞めかねないでしょう。
あとは,とにかく「自分の住んでいる町に興味を持つ」ことです。財政破綻の最大の要因は,実は「無関心」にあるのですから。破綻してから「何やっているんだ」と叫んでも手遅れです。

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2 コメント

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iinaさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2009-03-18 02:08:19
こんばんは。
「景気は気から」という格言もありますが,世の中不景気不景気というと,もっと不景気になってしまうということのようです。
だからといって,「好景気だ」とかけ声だけかけ続けていると,数年前のような「実感なき好景気」となり,その恩恵にあずかれるのは,ごく一部だった,なんていうオチになってしまいます。
不景気の対策は,ご指摘のとおり,私たちがお金をジャブジャブ使うことにありますが,残念なことに,「ジャブジャブ使う原資」がないという点にあります。
さしあたり,賛否はありましたが,定額給付金を貯蓄や借金返済に回さず,かつ海外ブランド品などではなく国産品(できれば地場産品)を購入する方向で使い切ることがいいかもしれませんね。わずかではありますが,効果はあることでしょう,きっと。
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悲観論好き (iina)
2009-03-17 08:14:02
景気減速で国も市町村も、税収減になるでしょうね。
役所は、お金をまわそうと景気対策として公共投資するかも知れません。
万能薬は、簡単にみつかりそうもありません。
でも、ココと同様に”猫も杓子”も悲観論が大勢のようです。
日本人は、心配性なのかこのようなシナリオが好きなようですね。
われわれがお金を使えば、金が循環して景気浮揚に貢献するとは、実感する
までには時間がかり直ぐには考え及ばぬものです。
当座にもらう定額給付金を、全額使い切ることにしましょう。
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