石原都知事が知事を辞任しました。今後,立ち上がれ日本と連携して新たな新党を発足するとともに,いわゆる第三極の政党が一つにまとまることを目指しているとのことです。
橋下市長、石原新党「カラー違う・連携難しい」(読売新聞) - goo ニュース
逆逆!!
ここで第三極と言われる政党をまとめてみます。
みんなの党
国民の生活が第一(小沢新党)
維新の会(はしも党)
石原新党(立日)
今度の衆院選,組織票は別にして浮動票をベースに考えると,多くの人は「無党派」であることと,これまでの空気を踏まえると,「非民主,非自民」に回ります。そして,その受け皿がいわゆる第三極と呼ばれる新党になるという構想になります。
半年前までは,この役割を事実上みんなの党が独占していたため,次回の衆院選では,みんなの党がキャスティングボートになり,政権運営が自民ベース,民主ベースのどちらにみんなの党がつくのか,っていうところが注目点とされていました。
ところが,ここへきて一気に新党登場で,まずみんなの党の存在意義が少し薄らいでしまっています。一方で,各党とも自力では単独過半数は無理という思惑もあり,選挙協力の手探りを始めています。そういう意味では,みんなの党は,引き続き「かすがい」としての役割を有していると言えるでしょう。
ただ,逆にここまで新党乱立気味になると,第三極は票が割れてしまい,小選挙区では極めて不利となり,結果,自民党有利という選挙構造になってしまいます。そこで,各新党は,選挙協力と連立政権を模索し始めているのです。
ところがところが,世の中そんなに甘くはない。
この主要4党,基本的に考え方が全く違います。
特に石原新党とみんなの党は対極にあるといっても過言ではありません。
また,はしも党も,石原氏個人との付き合いは好きだが,立ち上がれ日本がいるとなると,郵政民営化関連議員であることから,はしも党ブレインの竹中氏がアレルギーを起こし,連携を拒絶する可能性は極めて高いです。
さらに,小沢氏と石原氏は,もともと水と油でしたから,ここが手を組むというのは,共産党と自民党が連立するようなものです。
したがって,ここが一つにまとまるというのは,相当至難の業であり,事実上不可能でしょう。
ただ,可能性としてありうるのは,「部分的選挙協力」です。選挙区での共倒れを懸念するのは4党共通の悩みですから,こうした基本理念は別にしても,人的つながりがある選挙区では,ある程度協力することでとにかく,「自民,民主のいすを奪おう」という発想になる可能性は極めて高いといえます。
したがって,こうした選挙協力はありうると思われます。
次に,このような選挙を実施した場合,政権がどうなるでしょうか。
おそらく,現状では,「単独過半数を持つ政党がない」ということになる可能性が高いでしょう。
下馬評及び次回の推定投票率からすると,第一党は自民党になる公算が強いです。しかし,公明党交えても過半数取れるかどうか微妙です。
一方,民主党は歴史的大敗は避けられないものの,それでも第2党の位置は辛うじて保つと思われます。当然ながら,過半数とはほど遠く,閣僚経験者すら落選するという憂き目にあう可能性は極めて高く,党運営自体ままならない状態になります。少なくとも,単独で政権を持つことはないでしょう。
そうすると,第三極の新党の選択肢は,1自民党と連立,2民主党と連立,3第3極で連立,4野党に徹する,ということになります。
前述のとおり,3の可能性が低く,また自民党と民主党が躍起になって勧誘してくるため,積極的に4を選択することもないでしょう(結果的に,ということはもちろんありますが。)。
そうすると,1か2となります。
ではどちらにつくか?これは,選挙結果を見なければ全く分かりません。
ただ,少なくとも,石原新党は自民党と公約が似ているため,そちらにつくでしょう。そうすると,はしも党も自民党に付きやすいと考えられます。
みんなの党は,もともと自民党から分裂してできた党ではあるものの,公約が大きく違うので,自民党との連立は難しいでしょうが,一方で,民主党とも考えの異なる点が多いため,そちらもなかなか連立が難しいかもしれません。
小沢新党は,民主党から家出した手前,いまさら出戻りはできず,かといって,自民党も勘当状態で飛び出したので,そこはそこで戻れないでしょう。
したがって,みんなの党と小沢新党は,結果として4になる可能性が高いです。
ただ,いずれにせよ,政権与党は,連立になるため,予算一つにしても方針がまとまらないでしょう。まして,原発問題や福祉問題,消費税問題などは,細かな点で相違点が目立つため,ここをすり合わせるなんてまあ無理な相談です。
だとすると,結局のところ,連立政権は,早期に破たんする可能性が高いでしょう。そして,連立政権の破たん=解散になりますから,結果的に「衆議院は短命」ということになるのです。
では,次回の選挙って,私たち有権者にとって無意味,無駄なことなのでしょうか?
いいえ,そんなことはありません。むしろ,「大きな変革」のために必要な選挙になります。
次回の選挙は,「政権選択選挙」というより「政策選択選挙」になります。100%考えが合致する政党なんて存在するはずありませんが,これだけ多くの選択肢が出てくれば,一番自分の考え方に近い政党というものが選びやすくなるはずです。そこで,そういう政党を選択すればよいのです。
一方で,各政党の働きぶりを十分に見ることができますから,短命で終われば終わるほど,むしろ,「今回の政権の良し悪し」をリアルタイムに評価して,次の選挙に反映できるのです。そうすることで,国民の信託を得られなかった政党や政治家は,確実に淘汰されていきます。
つまり,永田町の事情でたとえ短命政権であったとしても,「有権者が見ている」ということを意識させることで,短命の中でも,やるべきこと,いうべきことをきちんと主張してくるはずなのです。少なくとも,「永田町ごっこ」にあけくれたら,有権者がそっぽを向くことくらいの空気は読んできます。
こうした「短命政権選挙」を2,3回繰り返すことで,政界再編はある程度形になってくるでしょうし,政治家の意識も変わってきます。
た・だ・し,投票率が60%切るような状態になると全く話は変わってきます。
60%切るということは,組織選挙ですから,「有権者が見ている」という意識は皆無になり,今までと同じことの繰り返しになります。政界再編もゲームのような駆け引きだけの世界で進んでしまい,そこには国民の意思なんてものはみじんも含まれないこととなってしまいます。
原発や消費税,年金や景気問題,こうしたことをきちんとやるかどうかは,実は「私たち有権者」にすべてかかってきているのです。
話が大きくそれましたので,元に戻しますが,石原新党の存在は,第三極をまとめるどころが,第三極の嫁入り先を分割させる存在となりえます。そして,それが「次の政界再編」へのステップになると言えるでしょう。ただし,そのトリガーを引くのは有権者たる国民です。有権者が眠っていたら,永田町けんか祭りが永遠に続くことでしょう。
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ここで第三極と言われる政党をまとめてみます。
みんなの党
国民の生活が第一(小沢新党)
維新の会(はしも党)
石原新党(立日)
今度の衆院選,組織票は別にして浮動票をベースに考えると,多くの人は「無党派」であることと,これまでの空気を踏まえると,「非民主,非自民」に回ります。そして,その受け皿がいわゆる第三極と呼ばれる新党になるという構想になります。
半年前までは,この役割を事実上みんなの党が独占していたため,次回の衆院選では,みんなの党がキャスティングボートになり,政権運営が自民ベース,民主ベースのどちらにみんなの党がつくのか,っていうところが注目点とされていました。
ところが,ここへきて一気に新党登場で,まずみんなの党の存在意義が少し薄らいでしまっています。一方で,各党とも自力では単独過半数は無理という思惑もあり,選挙協力の手探りを始めています。そういう意味では,みんなの党は,引き続き「かすがい」としての役割を有していると言えるでしょう。
ただ,逆にここまで新党乱立気味になると,第三極は票が割れてしまい,小選挙区では極めて不利となり,結果,自民党有利という選挙構造になってしまいます。そこで,各新党は,選挙協力と連立政権を模索し始めているのです。
ところがところが,世の中そんなに甘くはない。
この主要4党,基本的に考え方が全く違います。
特に石原新党とみんなの党は対極にあるといっても過言ではありません。
また,はしも党も,石原氏個人との付き合いは好きだが,立ち上がれ日本がいるとなると,郵政民営化関連議員であることから,はしも党ブレインの竹中氏がアレルギーを起こし,連携を拒絶する可能性は極めて高いです。
さらに,小沢氏と石原氏は,もともと水と油でしたから,ここが手を組むというのは,共産党と自民党が連立するようなものです。
したがって,ここが一つにまとまるというのは,相当至難の業であり,事実上不可能でしょう。
ただ,可能性としてありうるのは,「部分的選挙協力」です。選挙区での共倒れを懸念するのは4党共通の悩みですから,こうした基本理念は別にしても,人的つながりがある選挙区では,ある程度協力することでとにかく,「自民,民主のいすを奪おう」という発想になる可能性は極めて高いといえます。
したがって,こうした選挙協力はありうると思われます。
次に,このような選挙を実施した場合,政権がどうなるでしょうか。
おそらく,現状では,「単独過半数を持つ政党がない」ということになる可能性が高いでしょう。
下馬評及び次回の推定投票率からすると,第一党は自民党になる公算が強いです。しかし,公明党交えても過半数取れるかどうか微妙です。
一方,民主党は歴史的大敗は避けられないものの,それでも第2党の位置は辛うじて保つと思われます。当然ながら,過半数とはほど遠く,閣僚経験者すら落選するという憂き目にあう可能性は極めて高く,党運営自体ままならない状態になります。少なくとも,単独で政権を持つことはないでしょう。
そうすると,第三極の新党の選択肢は,1自民党と連立,2民主党と連立,3第3極で連立,4野党に徹する,ということになります。
前述のとおり,3の可能性が低く,また自民党と民主党が躍起になって勧誘してくるため,積極的に4を選択することもないでしょう(結果的に,ということはもちろんありますが。)。
そうすると,1か2となります。
ではどちらにつくか?これは,選挙結果を見なければ全く分かりません。
ただ,少なくとも,石原新党は自民党と公約が似ているため,そちらにつくでしょう。そうすると,はしも党も自民党に付きやすいと考えられます。
みんなの党は,もともと自民党から分裂してできた党ではあるものの,公約が大きく違うので,自民党との連立は難しいでしょうが,一方で,民主党とも考えの異なる点が多いため,そちらもなかなか連立が難しいかもしれません。
小沢新党は,民主党から家出した手前,いまさら出戻りはできず,かといって,自民党も勘当状態で飛び出したので,そこはそこで戻れないでしょう。
したがって,みんなの党と小沢新党は,結果として4になる可能性が高いです。
ただ,いずれにせよ,政権与党は,連立になるため,予算一つにしても方針がまとまらないでしょう。まして,原発問題や福祉問題,消費税問題などは,細かな点で相違点が目立つため,ここをすり合わせるなんてまあ無理な相談です。
だとすると,結局のところ,連立政権は,早期に破たんする可能性が高いでしょう。そして,連立政権の破たん=解散になりますから,結果的に「衆議院は短命」ということになるのです。
では,次回の選挙って,私たち有権者にとって無意味,無駄なことなのでしょうか?
いいえ,そんなことはありません。むしろ,「大きな変革」のために必要な選挙になります。
次回の選挙は,「政権選択選挙」というより「政策選択選挙」になります。100%考えが合致する政党なんて存在するはずありませんが,これだけ多くの選択肢が出てくれば,一番自分の考え方に近い政党というものが選びやすくなるはずです。そこで,そういう政党を選択すればよいのです。
一方で,各政党の働きぶりを十分に見ることができますから,短命で終われば終わるほど,むしろ,「今回の政権の良し悪し」をリアルタイムに評価して,次の選挙に反映できるのです。そうすることで,国民の信託を得られなかった政党や政治家は,確実に淘汰されていきます。
つまり,永田町の事情でたとえ短命政権であったとしても,「有権者が見ている」ということを意識させることで,短命の中でも,やるべきこと,いうべきことをきちんと主張してくるはずなのです。少なくとも,「永田町ごっこ」にあけくれたら,有権者がそっぽを向くことくらいの空気は読んできます。
こうした「短命政権選挙」を2,3回繰り返すことで,政界再編はある程度形になってくるでしょうし,政治家の意識も変わってきます。
た・だ・し,投票率が60%切るような状態になると全く話は変わってきます。
60%切るということは,組織選挙ですから,「有権者が見ている」という意識は皆無になり,今までと同じことの繰り返しになります。政界再編もゲームのような駆け引きだけの世界で進んでしまい,そこには国民の意思なんてものはみじんも含まれないこととなってしまいます。
原発や消費税,年金や景気問題,こうしたことをきちんとやるかどうかは,実は「私たち有権者」にすべてかかってきているのです。
話が大きくそれましたので,元に戻しますが,石原新党の存在は,第三極をまとめるどころが,第三極の嫁入り先を分割させる存在となりえます。そして,それが「次の政界再編」へのステップになると言えるでしょう。ただし,そのトリガーを引くのは有権者たる国民です。有権者が眠っていたら,永田町けんか祭りが永遠に続くことでしょう。
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