あれは,あれで良いのかなPART2

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憲法記念日なので戦争のスタイルについて整理してみよう

2015年05月03日 23時46分56秒 | 法律問題
今日は憲法記念日です。多くの方が憲法についていろいろ説明しておりますが、その多くが「憲法9条」に関するものです。
しかし、9条の議論を見聞きしていると、どうも前提条件の土俵が違うかも、って思うところがあります。それは「戦争のスタイル」です。この前提条件を合わせなければ、いくら押し付け憲法とか世界遺産的憲法だなどという議論をしても、かみ合うはずがありません。
そこで、ものすごくざっくり戦争のスタイルを整理したいと思います。もちろん、古代史などは省略し、あくまでも第二次大戦以降についてに限定します。

まず、第二次大戦は、帝国主義の終焉戦争です。簡単にいうと「経済権益を求めて国の領土を拡大させる国取り合戦」です。つまり、名目は何であれ「国対国の戦争」になります。
このスタイルは、戦力総動員し、国民全員も戦争していることを認識し、権利制限を余儀なくされ、さらには徴兵や民間人攻撃もありうるというものになります。
便宜上「20世紀型戦争」と呼びますが、憲法9条が二度とやらないと誓ったのは、まさにこの「20世紀型戦争」です。おそらく、どんな憲法論者でも、これができるように憲法を改正しようっていう人はいないと思います。

第二次大戦終了により、基本的には帝国主義は終わりました。もちろん、その後もいろんな小競り合いはありましたが、国対国の戦争は減っていきます。
ときは21世紀になり、ここで戦争の主体が変わりました。それは「テロル」です。簡単にいうと「個人」が戦争を起こすようになったのです。
特徴は、宣戦布告をしない、領土拡大は二の次、ピンポイントで無差別攻撃する、目的があいまい、国民は戦争に駆り出されたと感じていない、複数の国家がターゲットになるなどが挙げられます。
もちろん、中には国=テロルっていうところもありますが、基本的にはテロルは「最後は個の力」になるのです。そして、これに対抗するためには、被害に遭う複数の国が連携して退治する必要があるのです。
このようなテロ攻撃こそ、「21世紀型戦争」であり、複数の国がテロル退治をすることが「集団的自衛権」などと呼ばれる国際主義なのです。

今どき、20世紀型戦争を仕掛けてくる国は皆無です。あれ、尖閣諸島を狙ってるあの国は?って思う人もいるでしょうが、あの国もバカじゃないので、宣戦布告して真っ向から攻めてくるはずがありません。それは国連も国際世論も許さないからです。
じゃあ、どうやってくるかというと、テロル同様の「見た目個人」の義勇軍的な連中がやってくる可能性が高いです。これも、見た目は21世紀型戦争です。

さて、この21世紀型戦争について、憲法9条は想定していたか否か、憲法9条で対応できるのか、そもそも日本は21世紀型戦争に巻き込まれる可能性があるのか、あるとしたとき、9条の何が問題になるのかなどという土俵で護憲派改憲派は議論をした方がいいでしょう。
前述のとおり、太平洋戦争のように多くの国民を戦争の惨禍にもう一度巻き込もうと考えているバカはいないはずですし、テロの攻撃で国民が巻き添えになっても仕方がないと考えているバカもいないはずですから、あくまでも21世紀型戦争を踏まえて憲法議論を深めていくことが、よりまともな議論ができると思います。

以上、かなり雑ですが、ざっくりとした戦争スタイルの変遷でした。

なお、私見ですが、軍事力増強と戦争をやることは別次元の話だと思います。なので、予算面は別の話として、軍事力を増強するが戦争放棄というのは、十分両立するものだと思います。

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