あれは,あれで良いのかなPART2

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補正が必要なのは予算より国会自身では?

2009年01月28日 01時12分01秒 | 政治・選挙
定額給付金を盛り込んだ第二次補正予算案について,両院協議会で協議がまとまらず,憲法の規定に基づいて衆議院の議決が国会の議決になるということで,成立しました。これにより,今後定額給付金の支給が本格的に始まります。ただし,財源の裏付けとなる関連法案については参議院での審議が継続しており,おそらく法案が否決されることになることから,3月中に衆議院で3分の2以上の再可決で成立するというスケジュールになる見込みです。

給付金予算が成立 両院協、不調で決着(共同通信) - goo ニュース

パワープレイが続きますね

今回ほど両院協議会が注目を浴びたのは珍しいのではないでしょうか。
確かに衆議院の優越の規定がある以上,「両院協議会は無用の長物では」という意見もあると思います。しかし,法案の場合は両院協議会を必ずしも開く必要がないが,予算案については憲法上必ず開くという規定になっているため,これについては如何ともしがたい部分です。
また,そもそもなぜ両院協議会が設置されているのかというと「単に数の論理だけで押し切らず,知の論理と数の論理をぶつけ合うことでより民主主義的な解決を目指す」という趣旨によるものなので,必ずしも無用の長物とは言いがたい点があります。
ただし,現実には,「数の論理がすべて」という現状の国会運営においては,このような無用論や「参議院不要論」が叫ばれても仕方ないのかもしれません。
ただ,せっかく両院協議会が注目を浴びたわけですから,これを機に憲法に少し興味を持ってみてもよいかもしれません。思いも寄らない発見ができるかもしれませんよ。

さて,今回の補正予算案ですが,政府与党は定額給付金について一切折れることはしませんでした。果たして本当に効果があるのか,本当に疑問を感じます。目的が結局なんだかよく分からないからです。
与党の説明は,結局のところ,「景気対策になる」ということのようですが,2兆円ではカンフル剤としては少額です。また,仮に使うとしても,円高効果から海外の商品を購入してしまったら,単なる「外貨流出効果」しか発生せず,景気回復の効果は生じません。
さらに,そもそも多くの方の意見では,「消費に回らず借金返済や貯金に回す」ということで,結局お金が銀行に戻ってきてしまいます。さらにさらに,口座振込方式をとるため,キャッシュが市場に回らず,インフレ効果も期待できません。
その上,口座振込の手数料も別途国が負担することとなり,その金額が数百億円規模になるとのことです。当然,手数料とは銀行の利益です。
とすると,この制度は,以前も言いましたとおり,「体の良い銀行救済システム」にすぎないのです。公的資金を注入するというと評判が悪いので,単に名前を変えて公的資金を注入するのと同じようなことなのです。

しかし,衆参で意見が異なったとき,憲法の原則通り,もっと「両院で協議を行うべき」でした。ところが,かたや数の論理で押し切ることだけを考えており,かたやこの後の政局を睨んでごねることだけを考えているという「自己中心的協議会」にしか映らず,憲法の意図することとは大きく異なる状況になっていました。
まさに,補正が必要なのは予算よりも,国会議員の素質と政党の考え方の方なのではないでしょうか。
選挙対策はもちろん大切なのでしょうが,それよりも,まずはこれをやることで何のメリットがあるのか,デメリットがあるのかを,それぞれの立場からきちんと説明することが大切です。反対だけ,賛成だけなら猿でもできます。
あと,当然の話ですが,次の選挙では,議員の方々は,自分がどの立場でどういう行動を取ったのかはきちんと有権者に伝えましょう。選挙の時になって急に「本当は,自分は違う考えだった」と言い出すのはタブーですし,そういう候補者は「信用できない」とみなして良いでしょう。

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8 コメント

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Unknown (なかた)
2009-01-28 18:21:58
自民独裁王国の群馬県民です。
二次補正予算によって群馬県内の公共事業(道路中心)が対一次比で全国1位となりました。東京より多いです。県内では独裁自民以外の支持者に対しての締め付け(予算配分を減らす)が顕著になってきています。
特に群馬選出の国会議員の中で笹川議員の暴走ぶりが目だっています。ほとんど独裁者です。危険です。
地元で公共事業が大幅に増えるのは嬉しいのやら悲しいのやら。

でなぜ自民党はそんなに公共事業に走るのでしょうか??
理由は簡単です。自民支持の土建会社が選挙の時、宣伝カーを走らせ、運転手も出して、○○候補をよろしくとガンガン怒鳴りながら走り回って「あの候補はよく頑張っている」と住民に思わせてくれるからなんです。
そして、土建会社は献金という名のワイ○を自民に渡す。だから、自民党議員は公共事業が大好きなんですね。
日本国民はバカだからだまし易いし、こう言った事実も知らない。

民主党が政権をとっても政治はあまり上手くはいかないとは思いますが、交代できる政党を育てるのは国民の義務でしょうね。我慢、我慢ですね。
俺は巨人ファンだから絶対巨人。わては阪神ファンやから絶対に阪神がいいと言った、次元の話とは政治は違いますので、だめな民主でも政権をとらせて育てるべきなんです。
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風呂前 (時評親爺)
2009-01-28 20:04:40
お晩の風呂前にございます(風呂待ちちう)

けだし・・・

> 補正が必要なのは予算より国会自身では?

とのタイトルは、消極的・積極的に解するところ(謎)、名タイトルでありますな(明言汗)

> 2兆円ではカンフル剤としては少額

しかしナンでございます、某与党の巷に溢れる?看板を観ますと、件の”定額給付金”につき喧伝しているとも見えるところでもありまして、何と申しますか、そのぅ、諸般の背景を考えますとナンでございます(ワケワカメ汗)

つーことで次行ってみよう!汗
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国会議員は今こそ・・・ (masa)
2009-01-28 22:10:41
 今の与党の討論を聞いていると、「公明党に飼いならされた麻生内閣」というのが、日に日にくっきりと見えてきますね。

 民主党首の小沢君も、「こんな首相に対して反論すんの~?」という感じの顔をしていたのをTVで見ましたし。

 それよりも地方自治体の「商品券+ちょっぴり上乗せ」の方が、よっぽど現実的ですし、実績もありますね。

 中央官庁の人間は、今こそ「おらが村のアイデア」を参考にすべきだと思います。
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なかたさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2009-01-28 23:29:47
こんばんは。
群馬の場合,選挙がまだまだ「昭和の手法」です。それが影響しているかどうかは分かりませんが,日経リサーチの地域ブランド調査では,群馬県は最下位となってしまいました。つまり,「日本一魅力がない県」というレッテルを貼られてしまったのです。
もちろん,あの調査もすべて鵜呑みにできるわけではありませんが,いずれにせよ「時代が変わっている」ことと「しがらみを断ち切る」ということをきちんと考えなければ,本当に群馬県が日本中から孤立してしまうという危険性があります。

政権交代だけで解決できる話ではありませんが,現状はかなりしがらみが多いですからねえ,って感じです。
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時評親爺さま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2009-01-28 23:32:21
こんばんは。夜お茶中にございます。

定額給付金,これってイメージとして「金のないやつは,おれんとこへこい。俺もないけど心配するな」っていう植木等先生の歌を思い出さずに入られません。
要するに,心配なんです,ハイ(心配性汗)
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masaさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2009-01-28 23:35:27
こんばんは。
定額給付金を現金で配る問題点は,「使われない可能性」「海外に流出する可能性」にあります。
確かに,商品券であれば,このようなリスクは軽減できますね。
あとは,全国一律という発想がいかにも国家主義的だなあ,って思います。経済政策は国家的規模で考えるべきではありますが,地域間格差を考えなければ,その効果はあまり期待できなくなります。
おっしゃるとおり「おらが村のアイデア」は十分尊重するべきだと思います。
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Unknown (フフン)
2009-01-29 19:55:01
色々と勘違いと疑問があるので、指摘と質問をします
①2次補正の総額は約4兆8000億円。事業規模だと約27兆円であり、2兆円ではない
②では、どういう経済刺激策が良いのか?

>なかたさん
本末転倒な発想ですね。
民主党は、自分たちの案が採用されそうになると、一転して反対に回る習性があり、駄目なのにも程度というものがあるわけですが、それでも育てる価値があるとお思いで?
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フフンさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2009-01-30 00:53:10
こんばんは。
第二次補正については,以前別の記事で書きましたが,そもそもこの中身をよく知らない人が多いのは事実です。こうした側面はもっと報じるべきだと思います。
2兆円の給付金はあくまでも一部にすぎません。
経済刺激策ですが,名案があれば私が政治家になるくらいです(笑)。
ただ,ポイントは,①確実に消費に回すこと,②国外に流出しないこと,③経費を最小限にすることだと思います。
すると,個人的には,「消費税率の一時低減措置」がよいのかな,って思います。イギリスなどでも実施されましたが,時限措置にすることで,消費者が消費を煽られること,大きな買い物(不動産類など)が期待できること,国内への消費刺激になりうること,事務経費はかなり削減できることなどの利点があります。
ただし,デメリットは,「歳入減が2兆円以上」になってしまう点です。将来にツケを回さないという方針を前提にすると,そこがネックになってしまいます。
ただ,キャッシュばらまきよりは効果があるのでは,と思います。
もちろん,これには異論も当然あります。むしろ,こうした議論を国会で行うべきなのではないでしょうか。民主党が甘い点は,こうした対案を提示せず「とにかく反対」だけを主張している点にあるでしょうね。
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