塾講師が生徒を刺殺するというこれまた常識では考えられないような事件が発生しました。
事件のあった学習塾はもちろんのこと,学習塾業界全体にも大きな波紋をもたらせたようです。
講師の質って何?
マンション業界と異なり,学習塾の多くは,直ちに迅速な対応を行っているようです。
私のごひいきなブログのSachi-netさんのところにおいても,早速講師全員に対し,書面による注意指導をしたようです。
ちなみに,同氏は「塾講師の逮捕について」で犯人に対し,塾業界の信用失墜の責任は大きい旨,厳しく追及していましたが,まさに正論であり,同調できる内容でした。
今回の事件,動機や事件経過がまだあいまいなので,詳細は今後の捜査に委ねたいと思いますが,例によって,ちょっと違った視点から気になった点をいくつか述べます。
1 「講師が前科者だったことを見抜けなかった塾の責任は大きい」という批判について
今回の事件について,塾長(塾経営者)は当然講師の管理責任は問われるでしょう。それは,塾の授業中に講師が起こした事件であるから,それは当然のことです。そして,そのような講師を選任したというてんでも,塾長の責任はかなり大きなものになるでしょう。
ただ,その中で「この犯人が前科者だったのを見抜けなかったのが大きな問題だ」と声高に叫んでいたコメンテーターがいました。
私は,それに対しては「それはおかしいぞ!」と言いたいです。
塾長が責められるべき点は,「講師としての人間性,資質を見抜けなかった」ことと「平素の授業態度や生徒,父兄の評判から講師を継続してよいか否かを常に考えていなかった」という講師管理業務自体に対する責任に過ぎません。前科者を選んだことではありません。
そもそも,前科者であるか見抜けなかったという点を批判する人に対しては,ではどうやって前科者かどうかを見抜くのか,まず教えてほしいものです。そりゃあ,検察庁や市役所には前科者リストがありますが,個人情報保護の中,前科の情報なんて今や弁護士に対しても安易に教えてくれません。それを,バイトの採用でどう調べろと言うのでしょうか。
それと,前科者=悪者という方程式は本当に正しいのでしょうか。前科者は刑務所において刑を償うことにより,一応の制裁を受けたことになります。そして,出所後はまじめに働いて立派に更生している人の方が多いです。前科者であるから講師になれないというのは,明らかに前科者に対する偏見ではないでしょうか。このような偏見が,前科者に対する更生の機会を阻害する原因になり,結果生活ができないために再び犯罪を犯してしまうという悪循環を作っているといっても過言ではありません。
あくまでも,彼に前科があったからではなく,講師としての人間性に問題があった,それを塾長が見抜けなかった,ただそれだけの話です。
前科云々は,今回の事件ではあまり大きな問題ではないと考えます。
2 「生徒とウマが合わない講師は辞めさせるべき」という批判について
レベルにもよりますし,今回の犯人と女子生徒との関係については,まだ何ともいえませんが,一般論としては,この批判もちょっと行きすぎではないかと思います。
塾の場合,1クラスに数十名の生徒がいます。そして,生徒の個性はそれぞれです。当然,生理的に合わないという生徒や講師がいることはかなりの確率であり得るでしょう(会社の中に1人や2人,ウマの合わない人がいるのでは,という理論と同じです。)。
とすれば,もし生徒とウマが会わないから即解雇というのは,言ってしまうと「課長とウマがあわないから解雇」と言っているのに等しいです。
ここで問題となるのは,「ウマの合わない生徒と講師をどうするのか」について塾長がどう考えていたのか,という点です。
もちろん,あえてそのままにするということもありでしょう。ただ,それにより著しく教育効果が落ちるのであれば,クラス編成や個別指導などさまざまな手法で対応すればよいわけです。
更に言うと,講師側で多少の我慢ができるのであれば,そこはプロとして毅然と対応すればよいわけです。すなわち,講師にプロ意識が必要であるということです。
ちなみに,生徒に受ける講師=一流ではありません。時には生徒に嫌われる講師が一流の場合だってあります。厳しい講師は,生徒の受けは悪いですが,結果は出します。これはプロとしての意識を持って生徒に接しているからです。
いずれにしても,生徒とウマが合わないから講師を変えたりクビにするというのはかなり話が飛んでしまっていると思います。
以上,本題とちょっとはずれた点で気になったことを述べました。
学習塾経営者の皆様,これから冬期講習などで保護者と接する機会が多いでしょう。
今こそ,己の指導方針や理念をしっかり説明する時期であるといえます。同時に,講師の資質について今一度しっかり見直してみましょう。悪い面ばかりではなく,よい面も発見できるかもしれません。
更に言うと,例えバイトであっても,生徒から見たら講師は全員「プロ」です。プロ意識のない講師はクビにするか,自ら辞職してください。
そして,すべては生徒のために!!
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事件のあった学習塾はもちろんのこと,学習塾業界全体にも大きな波紋をもたらせたようです。
講師の質って何?
マンション業界と異なり,学習塾の多くは,直ちに迅速な対応を行っているようです。
私のごひいきなブログのSachi-netさんのところにおいても,早速講師全員に対し,書面による注意指導をしたようです。
ちなみに,同氏は「塾講師の逮捕について」で犯人に対し,塾業界の信用失墜の責任は大きい旨,厳しく追及していましたが,まさに正論であり,同調できる内容でした。
今回の事件,動機や事件経過がまだあいまいなので,詳細は今後の捜査に委ねたいと思いますが,例によって,ちょっと違った視点から気になった点をいくつか述べます。
1 「講師が前科者だったことを見抜けなかった塾の責任は大きい」という批判について
今回の事件について,塾長(塾経営者)は当然講師の管理責任は問われるでしょう。それは,塾の授業中に講師が起こした事件であるから,それは当然のことです。そして,そのような講師を選任したというてんでも,塾長の責任はかなり大きなものになるでしょう。
ただ,その中で「この犯人が前科者だったのを見抜けなかったのが大きな問題だ」と声高に叫んでいたコメンテーターがいました。
私は,それに対しては「それはおかしいぞ!」と言いたいです。
塾長が責められるべき点は,「講師としての人間性,資質を見抜けなかった」ことと「平素の授業態度や生徒,父兄の評判から講師を継続してよいか否かを常に考えていなかった」という講師管理業務自体に対する責任に過ぎません。前科者を選んだことではありません。
そもそも,前科者であるか見抜けなかったという点を批判する人に対しては,ではどうやって前科者かどうかを見抜くのか,まず教えてほしいものです。そりゃあ,検察庁や市役所には前科者リストがありますが,個人情報保護の中,前科の情報なんて今や弁護士に対しても安易に教えてくれません。それを,バイトの採用でどう調べろと言うのでしょうか。
それと,前科者=悪者という方程式は本当に正しいのでしょうか。前科者は刑務所において刑を償うことにより,一応の制裁を受けたことになります。そして,出所後はまじめに働いて立派に更生している人の方が多いです。前科者であるから講師になれないというのは,明らかに前科者に対する偏見ではないでしょうか。このような偏見が,前科者に対する更生の機会を阻害する原因になり,結果生活ができないために再び犯罪を犯してしまうという悪循環を作っているといっても過言ではありません。
あくまでも,彼に前科があったからではなく,講師としての人間性に問題があった,それを塾長が見抜けなかった,ただそれだけの話です。
前科云々は,今回の事件ではあまり大きな問題ではないと考えます。
2 「生徒とウマが合わない講師は辞めさせるべき」という批判について
レベルにもよりますし,今回の犯人と女子生徒との関係については,まだ何ともいえませんが,一般論としては,この批判もちょっと行きすぎではないかと思います。
塾の場合,1クラスに数十名の生徒がいます。そして,生徒の個性はそれぞれです。当然,生理的に合わないという生徒や講師がいることはかなりの確率であり得るでしょう(会社の中に1人や2人,ウマの合わない人がいるのでは,という理論と同じです。)。
とすれば,もし生徒とウマが会わないから即解雇というのは,言ってしまうと「課長とウマがあわないから解雇」と言っているのに等しいです。
ここで問題となるのは,「ウマの合わない生徒と講師をどうするのか」について塾長がどう考えていたのか,という点です。
もちろん,あえてそのままにするということもありでしょう。ただ,それにより著しく教育効果が落ちるのであれば,クラス編成や個別指導などさまざまな手法で対応すればよいわけです。
更に言うと,講師側で多少の我慢ができるのであれば,そこはプロとして毅然と対応すればよいわけです。すなわち,講師にプロ意識が必要であるということです。
ちなみに,生徒に受ける講師=一流ではありません。時には生徒に嫌われる講師が一流の場合だってあります。厳しい講師は,生徒の受けは悪いですが,結果は出します。これはプロとしての意識を持って生徒に接しているからです。
いずれにしても,生徒とウマが合わないから講師を変えたりクビにするというのはかなり話が飛んでしまっていると思います。
以上,本題とちょっとはずれた点で気になったことを述べました。
学習塾経営者の皆様,これから冬期講習などで保護者と接する機会が多いでしょう。
今こそ,己の指導方針や理念をしっかり説明する時期であるといえます。同時に,講師の資質について今一度しっかり見直してみましょう。悪い面ばかりではなく,よい面も発見できるかもしれません。
更に言うと,例えバイトであっても,生徒から見たら講師は全員「プロ」です。プロ意識のない講師はクビにするか,自ら辞職してください。
そして,すべては生徒のために!!
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