あれは,あれで良いのかなPART2

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市町村合併について(まとめ)

2005年05月20日 23時25分51秒 | 市町村合併
市町村合併についてまとめをしたいと思います。

第1 市町村合併の必要性を明確にする。
1 市町村側から見た合併の必要性

  どのような町にするのか,明確にしなければいけません。
  少なくとも,赤字解消という理由だけでは,合併は失敗します。
2 住民に対する情報開示
  合併におけるメリット及びデメリットを客観的に情報提供する必要があります。
  多くの場合,市町村側に有利な情報のみの提供や,また不利な情報も適当に修正したり独自の解釈を加えて提供している場合が大半ですが,これでは住民は正しい判断ができません。
  住民が正しい判断ができない合併は,どこかで必ず破綻します。
3 住民の理解を高める
  メリット,デメリットを提供した上で,なおやはり「合併が絶対必要である」ということを住民に対して時間をかけて分かりやすく説明し,理解を求めます。
  この際,「このままでは町がつぶれる」程度の説明では,およそ理解は得られません。1で述べた明確なビジョンを提示することが必要となります。

第2 市町村合併制度の問題点
1 住民不在であること

  住民が参加する機会が法律上皆無です。
  この点は,究極的には法改正により住民投票制度等を法定制度化することが望まれます。
  しかしながら,地方自治体としては,住民投票を行うことはもちろんのこと,定期的にアンケートを採るなどして住民の意向を把握しうる体制を取る必要があります
2 住民からのアクションが困難であること
  合併に消極的な住民もいます。これについても直接請求権等を法定化することが望まれます。
  しかしながら,やはり反対意見が出ている場合,町として十分な説明を実施し,また反対理由をよく吟味した上で説得または方向の修正を図るなど,住民本位の合併政策にしなければなりません。

第3 あるべき市町村合併の姿
1 明確なビジョンの策定(地方主権に向けて)

  合併したら町がどうなるのか,又どうしたいのかを明確に示さなければなりません。ゴール(目的)のない合併は,迷走するだけで終わります。
  また,住民も一番関心があるのは町の未来よりも自分の生活です。自分たちの生活がどうなるのか,明確に示してあげなければ,合併に対しては消極的となります。
2 住民生活の確実な向上
  合併の理由として,市町村の財政破綻をいくら説明しても,現実味のない話となってしまう以上,なかなか納得することは困難です。
  やはり,合併により何がどう変わるのかを具体的に提示する必要があります。
  特に,1でも説明したとおり,やはり生活がどうなるのかについて説明することが一番理解が得られやすいです。
  住民税が安くなる,上下水道が安くなる,上下水道の範囲が広がる,医療施設が増えるなど生活に関連することのメリットを説明しなければなりませんし,そのための合併でを考えなければ意味がありません。
3 住民とともに合併を検討する
  合併の一面として地方自治体の地位向上(地方分権の推進)があるため,ある程度は官主導による合併もあると思います。
  しかしながら,その場合であっても,まず住民の意向を十分調査,検討する必要があります。
  また,協議会への住民参加や住民投票制度を活用するなどして,住民が積極的に合併に対して意見を述べる場を提供しなければなりません。
  強硬な合併は,末代にまで影響を及ぼしかねません(昭和30年代の合併のしこりが未だに残る実例もかなりあります。)。
4 合併後の利益は住民に還元する
  合併により特例債や地方交付税措置など,財政面の一時的な負担軽減が図られます。また,合併による人件費軽減や効率化などにより,それなりに財政負担が軽減するはずです。
  この軽減分については,もちろん財政再建のために用いることも重要ですが,一部は住民に還元しなければなりません。
  住民税の軽減が,一番分かりやすく,理解が得られやすいと思われますが,住民税に限らず,各種施設利用料の軽減や国民保険税などの軽減という方法も可能ではないかと考えます。
5 国や都道府県と対等に歩む
  3でも説明したとおり,合併の主眼には,やはり地方分権の推進があります(やがては地方主権に向かうことも視野に置く必要があります。)。
  合併により職員が増えるため,相対的により優秀な職員も増加することになります。
  これにより,従前国や都道府県からのいいなりにすぎなかった各種施策について,むしろ積極的に行うようにし,逆に国や都道府県に対して意見ができる(問題提起ができる)ようにしなければなりません
  特に,政策法務の考え方(単に条例を作るだけではなく,法律や通達等を独自に解釈,判断して,市町村としての条例化する)を取り入れ,準則をまるごと条例化することから脱却する必要があります。

以上,市町村合併についての考え方をまとめました。
結局,今回もロングランとなってしまいましたが,最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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参考(私の過去の合併ブログ)
1 市町村合併が本格的に始まりました
2 市町村合併について(良いこと編)
3 市町村合併について(悪いこと編)
4 市町村合併について(お金の話)
5 市町村合併について(地方交付税に気を付けろ!)
6 市町村合併について(住民からみた合併)
7 市町村合併について(手続上の問題点)
8 市町村合併について(住民の対応策その1)
9 市町村合併について(住民の対応策その2)