トドの小部屋

写真付き日記帳です。旅行記、本や美術展の紹介、俳句など好きなことをつれづれに。お気軽にどうぞ。

Sense of Wonder @静岡県立美術館

2023-05-21 17:41:15 | 美術
今日は日曜日で、特に予定のない日なので、静岡県立美術館で開催中の「Sense Of Wonder」という企画展を観に行きました。4月の美術館ボランティア研修会でも一度観ましたが、時間が限られていて駆け足で観覧したので、今日はゆっくりと観ることができました。5月8日に新型コロナが二類から五類に代わり、マスク着用も個人の判断に任せられることになって、規制が緩和されたせいか、今日の美術館観覧は事前予約制ではありませんでした。この企画展は、「感覚で味わう美術展」というコンセプトのようです。まず、外看板を撮影。



日曜日でしたが、特に混んでいることもなく、適度な人出でした。我が家から美術館までは、車で50分ほどかかります。美術館についたら、11時半頃でしたが、まだランチするほど空腹ではなかったので、先に企画展を観に行きました。第一室に入ってすぐ右手に、草間彌生さんの「水上の蛍」という作品がありました。ミューズスタッフの指示に従って、一人ずつドアを入って30秒ほど鑑賞するインスタレーション作品です。全身体感ですね。「水上の蛍」という名前のとおり、通路の中ほどまで進んで、黄色やオレンジ、赤などの蛍のような明りの世界を楽しむ作品でした。通路の周囲に水が入っているので、気を付けなくてはいけません。

第一室は、「彫刻の素材」にスポットを当てた展示で、彫刻に使われる材質の立方体の見本が展示されていて、それらと石膏でできた手に触ることができました。レプリカ以外は、触れません。ロダンの考える人の小型作品(ブロンズ)や、水浴(ブロンズ)、野の兎(ブロンズと石膏)、トルソ(木)、幼いキリン(石膏)、座る(ブロンズ)などの七作品が展示されています。

第二室は、「絵の中の音に耳をすませてみよう:楽の音、都市の静寂とざわめき」というテーマでした。第二室中央に澤田政廣さん作の「笛人」という木製の彫像がありました。横笛を吹く女性の像で、音楽を感じる作品。この第二室は、音楽を感じる作品が16個集めてありました。かすかにBGMが流れていたような。。。私はここでは、「笛人」と秋野不矩さんの「ブラーミンの家」がいいなと思いました。

第三室は、立体作品の行方。6作品。私も何度か観たことがある草間彌生さんの水玉模様がカラフルな「最後の晩餐」や大きな鹿のはく製が丸い半透明の玉でおおわれている作品など6作品。

第四室は、「絵の中の音に耳をすませてみよう:似た風景を思い出してみよう:自然の味わい」というテーマで、17作品。ここでは、懐かしさを感じる風景画がいくつか見られました。クロード・ジョセフ・ヴェルネの「嵐の海」という大きな絵があったせいか、BGMに雷が鳴りました。個人的には、佐分眞の「雪のグリュンデルワルド」と小糸源太郎の「春雪」が好きでした。雪のグリュンデルワルドは、アイガー山麓のスイスの村の雪景色。2014年夏に夫と旅行した思い出の地です。春雪は田園調布駅前の雪景色の絵。懐かしい昭和の風景画。

第五室は、「どんな感触なんだろう?触ってみたくなる、様々な平面作品の表面」というテーマで11作品。でも、作品表面には触れませんので、想像のみ。第五室は、現代アート的な作品が多く、私にはちょっと理解不能なのでした。(^-^;  足で絵具をぬぐったような作品や、爆発するように絵具を散らした偶然の産物?みたいな感じの作品が。💦
大庭大介さんのIcefallは興味深かったです。大きな作品で、画面全体白っぽいのですが、角度を変えて観ると違った絵が浮かびます。

第六室は、「豊かな実りの世界と静物画」。28作品。収穫まじかな畑の風景や、農作業帰りの農婦の絵。洋梨、レンコン、牡蠣などの静物画など、収穫に関係ある物が描かれた絵が集められていました。
第一室の木製のトルソー以外は、すべて静岡県立美術館所蔵の芸術作品ばかりだそうで、このような企画展は珍しいと思いました。

最後にお決まりの美術館ランチをロダンテラスで。今日はフォカッチャにスープ、サラダ、ドリンクを付けて1480円でした。良い気晴らしになりました。



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近代の誘惑ー日本画の実践

2023-02-23 13:44:55 | 美術
昨日は、七か月ぶりに静岡県立美術館に行ってきました。目的は、来年度からの美術館ボランディアを継続更新したため、1回目の研修を受けることでした。県美は今、「近代の誘惑ー日本画の実践」という企画展と、「光」という収蔵品展をやっています。企画展の会期は、2月18日から3月26日まで。収蔵品展「光」は、2月14日から4月9日までです。


私は日本画が好きなので、これは良さそうと思い、午前中に美術館に行き、一通り見てから、午後1時半からの研修に出ました。一度目は、時間を気にしながら、ちょっと急ぎ足の観覧になりましたが、研修終了後、もう一度観る時間があったので、堪能しました。日本画というと、伝統的な江戸時代の狩野派の絵画を思い浮かべますが、今回の企画展は、明治から昭和にかけて描かれた日本画が紹介されています。大きな屏風絵の展示も豊富で、掛け軸も見ごたえがありました。中でも第二室に対称的に並べて展示されていた下村観山の日蓬莱山図と横山大観の月蓬莱山図は圧巻でした。美しい。是非、ご覧いただきたいと思います。第一室のスサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する神話を描いた大きな屏風と山中で道に迷った神武天皇の一行がヤタガラスに助けられた場面を描いた屏風も生き生きした様子で、良かったです。そして、第六室には、私の好きな秋野不矩さんの大作、ガンガー(ガンジス河)が展示されていました。
コロナ禍になり、生徒たちと会話しながら、美術鑑賞をする学校グループのボランティア活動は、ずっと中止になっていたため、前回ボランティアをしたのは、随分前になります。令和5年度は、学校が生徒さんを連れて見学に来てくれるといいなと思います。
昨年7月に兵馬俑展を観て以来の美術館でした。お昼は、いつも利用するロダンテラスで、フォカッチャを食べました。外の噴水の眺めも好きです。



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兵馬俑と古代中国 @静岡県立美術館

2022-07-08 09:40:34 | 美術
7月6日(水)に静岡県立美術館で開催中の「兵馬俑と古代中国」を観に行きました。予定のない平日のど真ん中の水曜日を狙って予約を入れて行きました。ボランティア対象の内覧会の日は、ちょうど夫と入笠山登山をした日で、参加できませんでした。もっとも内覧会で一度見ても、後日、もう一度ゆっくり自分のペースで観たくていつも再訪します。人気の企画展なので、予約していきました。予約画面をスクショで保存し、入口で見せました。当日の観覧料は1500円ですが、ボランティアなので無料で観覧できました。コロナ禍になってから、学校グループのボランティアは全くできなくなってしまい、残念ですが、せめて、SNSでご紹介したいと思います。
一言でいって、素晴らしかった!今回の展示は日中国交正常化50周年記念の展覧会で、秦と漢の時代の遺産を一挙に観ることができます。中国国家一級文物24点を始め、日本初公開を多数含む約200点が展示されています(資料より)。
2000年以上前の秦の始皇帝のお墓に副葬されていた8000体におよぶ始皇帝の軍隊を模した個性豊かな容貌の等身大の兵士俑。今回の展示では、その一部が展示されています。秦の兵馬俑はとても大きいです。この戦服将軍俑は高さが196センチもありました。高身長だったのでしょう。



もう一人のいけめんの立射武士俑は178センチでした。



漢の時代になると等身大の兵馬俑は作られなくなり、サイズが小さくなりました。人間の殉葬を避ける目的があったらしいです。



秦の時代は、金を豊富に使っていたようでした。金虎です。



展示室に最初に飾られていた可愛らしい騎馬俑。高さは22センチ。



ここで、ご紹介しきれない数多くの宝物を是非、美術館でご覧くださいね。
最後に美術館の外看板です。









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忘れられた江戸絵画史の本流@静岡県立美術館

2021-06-17 10:32:20 | 美術
昨日は、午前中の早い時間に習字に出かけ、帰りに静岡市まで足を伸ばしました。まず、9月4日(土)の上野耕平さんのコンサートチケットをAOIで買いました。6月12日から会員先行販売が始まったのですが、忙しくて行けず、やっと買いにいけました。座席は一階真ん中あたり。このコンサートはコロナ対策用に間を開けた座席にはしないそうで、もうかなりの席が売れていました。帰りに1階に降りたら、ピアノ自動演奏中で、ピアノの前にマスクをかけた大きな熊さんが鍵盤に手を乗せてました。可愛い。

次に静岡県立美術館で開催中の「忘れられた江戸絵画史の本流」という企画展を観に行きました。駅前から車で20分くらい。ボランティア対象の内覧会の日は、疲労で行けず。やっと観に行けました。今回の展示は江戸狩野派コレクターの1500点を超える収蔵品から111点を選び、4点を除く作品すべてが初公開だそうです。(資料より)
美術館の外看板です。



第一章基盤形成ー奥絵師の活躍。第二章全国展開ー江戸狩野派早期の傍流の実力者たち。第三章ー巨大化と多様化ー表絵師の体制確立と展開。
第四章変化と飛躍ー奥絵師様式の刷新。第五章江戸狩野派の終焉?ー江戸後期表絵師の躍動という構成でした。
江戸幕府の奥絵師の四つの家系を頂点とするピラミッドのような絵師たちの階層があり、特に狩野探幽を始祖とした狩野家の息子、孫など直系の子孫たちはものすごいステータスだったんだろうと推察されました。そんな彼らの下に位置した表絵師たちの活躍も目覚ましく、数々の作品が今回展示されていましたが、何しろ、111点という膨大な作品数と、小さな絵から大きな屏風絵、画帖の作品まで様々で、キャプションも長く、詳しく、とても全部読んですすむことはできず、さーっと流していきました。栄華を極めたであろう彼らの日本画が、今日、「忘れられた江戸絵画史の本流」と題されているのも、わかる気がしました。私も含め、一般の現代人にはあまり受けないかもしれません。というわけで、私にしてはハイスピ―ドで、約1時間ちょっとで通覧して、美術館を後にしました。

昨日はあいにくの雨でしたが、その分、美術館中庭の竹林の緑と石の作品の艶やかさが際立っていたので、写真を撮りました。福元修一さんという方の「帰郷」という作品です。波のような、水紋のようなものの前に人が一人立っています。



この日のお昼はいつものように、ロダンテラスでピザを食べました。サラダ、スープ付き。+200円でドリンクが頼めます。1400円でした。客席は距離を開けてあります。水曜日の午後ですので、適度な客の入りでした。紅茶のホットを頼んだら、ティーポット一杯に供されて嬉しかったです。ロダンテラス、お勧めです。




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STORIES@静岡県立美術館

2021-04-24 09:28:55 | 美術
昨日の金曜日に現在静岡県立美術館で開催中の「STORIES」という企画展を友人と観に行きました。ボランティア対象の内覧会で観ましたが、もう一度ゆっくりと観覧したく思っていたものです。新型コロナウィルスがますます広がりつつある状況ですので、静岡市内繁華街に行くことは避けていますが、静岡県立美術館は市街からかなり外れているので、コロナも来ないかなと思っています。それでも、入口にサーモグラフィと消毒薬が設置され、マスクは必須です。最近私は不特定多数の人と接する場所に出かけるときは、使い捨ての不織布マスクの上にさらにマスクを重ねづけしています。写真は美術館のそばにある外看板です。



会期は5月16日まで。静岡県立美術館の収蔵品について、学芸員さんが知っていることを語る企画展です。収蔵されるまでの経緯など裏話的な内容も含まれています。ニューヨークで作品を評価された若き日の草間彌生はドナルド・ジャッドと交流があったことを知りました。富士山の絵を多く描いたことで有名な和田英作の富士の絵、曾宮一念の「毛無山」、「毛無山連峰」「スペインの野」、川村清雄の「梅に親子雀」、「波」、石田徹也の「社長の傘の下」を始め、今回は展示室一杯に石田徹也さんの作品を観ることができました。石田徹也さんは焼津市出身の画家ですが、早逝されたため、それほど多くの作品が残されていませんが、遺族から21点の作品を寄贈されたそうで、私は彼の作品をこんなに多く観たのは初めてでした。また彫刻家、掛井五郎さんの作品もたくさん見ることができました。美術館へ登っていく坂の途中のプロムナードに鎮座している「蝶」は、ご自身のお母さんをモデルにされたそうで、そのお母さんの名前は旧かなづかいで「ちゃう」。逞しく美しいお母さんだったらしいです。バンザイクリフという彫像も印象的でした。静岡県立美術館収蔵の名品として有名な伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風」も第一室にドーンと展示されています。日本画、洋画、彫刻、現代美術など、様々な県美の収蔵品に関心のある人向きの企画展です。ストーリーズをじっくり読みつつ鑑賞しているとかなり時間がかかりまして、疲れました。なので、第7室はさら~っと観ただけで、出口付近のソファーで休憩しました。企画展を観る前に、館内レストラン「ロダンテラス」で食事を済ませておいてよかったです。お昼ご飯は11時開店と同時に入り、ゆっくりと楽しめました。



展示を観終わった後、甘いものが食べたくなって、美術館から徒歩圏内にあったカフェに入り、苺パフェを食べました。1100円の豪華なパフェ。とても美味しかったです。一人なら注文しないけど、2人なら食べようという気になるものですね。太りますけど・・・



閉塞感のある日常ですが、気を付けながら楽しみたいものです。

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