三昧(ざんまい)無碍(むげ)の空広く 四智(しち)円明(えんみょう)の月冴えん 此の時何をか求むべき 寂滅(じゃくめつ)現前(げんぜん)するゆえに 当処(とうしょ)即ち蓮華国(れんげこく) 此の身即ち仏なり
臨済宗「座禅和讃」より
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「四智」とは「大円鏡智」「平等性智」「妙観察智」「成所作智」を指す。悟道に達した時に得られる智慧。
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今日の夕方、ここを読んでさぶろうがにたりとした。悟道にほど遠いのに、にたりとした。「悟道した者がいること」そして「悟道した者の境地がある」ということを知って、そこで、にたりとした。
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「此の時何をか求むべき」。求めなければそこで即、寂滅為楽(じゃくめついらく)の涅槃界が現前する。現前とは現在此処に出現する、ことか。
簡単なことじゃないか、求めなければこころの平和が現前しているのだ。
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なのに、現実のさぶろうはあくどい。あくどくあくどく外に求めている。求めて求めて得られないで居る。哀れ。