己の欲望追求を果たすためにひたすら走り回っている人たちがいる。
彼らはひたすらひたすら脇目も振らずに走り回っている。
もっともっと幸福になりたい。もっともっと裕福になりたい、もっともっと偉大になりたい、もっともっと強大になりたいと言うようになる。
それが実現されても、実現の満足感を得ない。次のもっともっとに促されてじっとしていることができない。
一見したら、しばらくの間は、労働に身を挺す働き蟻に見える。
それでは我慢ができなくなる。欲望をさらに膨らませる。
強欲な巨大生物になる。口が大きくなる。100人分の口の大きさになる。10000人分の口の大きさになる。がつがつ食べるようになる。
その日から、もっと悪智慧を働かせる。己の欲望をすり替える方法を思いつく。
そして己のすることはみな「国家のためだ」とか「社会のためだ」とかの錦の御旗を果てて、強弁をする。
そしてとうとう戦争をする。人民のいのちを犠牲にするだけの「国家のための戦争」をしでかして来る。それを推敲するための強大な組織を作る。軍隊を組織する。
軍隊と軍隊はぶつかる。正面突破に出る。侵略を開始する。
☆
これが人間の悲しい歴史だ。(非力なわたしにはそんなふうに見えて来る)
己一人の中の「小さなささやかな平和」に留まっていられない人たちの、悲しい歴史だ。
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