内科クリニックへ薬をもらいに行って来た。慎重に慎重に、車を運転して。
診察の前に測定器で血圧を測定する。上が124で、下が78。文句なし。診察時間3分。聴診器を胸と背中に這わせるだけ。それがあまりにもするするするなので、疑う。待ち時間は10分。お金を払うまでが10分。
帰りは余裕が生まれて、里山を巡りつつ遠回りをした。何処にも駐車はしなかったけど。ゆっくりゆっくり風景を眺めながら。
内科クリニックへ薬をもらいに行って来た。慎重に慎重に、車を運転して。
診察の前に測定器で血圧を測定する。上が124で、下が78。文句なし。診察時間3分。聴診器を胸と背中に這わせるだけ。それがあまりにもするするするなので、疑う。待ち時間は10分。お金を払うまでが10分。
帰りは余裕が生まれて、里山を巡りつつ遠回りをした。何処にも駐車はしなかったけど。ゆっくりゆっくり風景を眺めながら。
今日から8月なのかあ。フウウーン。月が新しくなると、なんかしれんけど、新しい期待のようなものが膨らむなあ。新しい道を歩き始めたときのような。新しい家に住み始めたときのような。
それで少しだけ元気が満ちて来た。滑り出しは上々。だったかな? 感覚的だけど。
ほふへ。空は青いのに雨が降って来た。こういうのは天気雨っていうのかな、俄雨っていうのかな、夕立っていうのかな。
時雨というのは秋の末から冬の初めに降ったり止んだりする雨のことだから、違うかな。俄雨はにわかに降って来てすぐ止んでしまう雨で、驟雨とか急雨とも。夕立は夏の夕方に掛けて降る大粒の雨。発達した積乱雲によって引き起こされるらしい。雷さんが鳴る。これは白雨という別名がある。
もう止んじゃった。でもちょっとは涼しくなったような。日射しも幾分かは柔らかくなったような。蝉の音は相変わらず。
さ、これから、クリニックへ薬をもらいに行く。血糖値を下げる薬と悪玉コレステロールを制御する薬。定期的に貰いに行く。一日一回朝食の前後に服用している。
行き帰りと待ち時間を含めてほぼ1時間を見ておくといいのじゃないかと思う。外に出たらいきなり汗が噴き出すだろうな。それくらいのことは、がまんがまん。
腹が減ってきたぞ。人並みに。お昼の時間を、さては、察知したのだな。体のあちこちの自動制御コンピューターたちは。感度良好というところかな。
一人のお昼ご飯は、でも、面倒だな。素麺の乾麺を茹でなくてはならない。鍋を用意しなくちゃならない。付け汁もこしらえなくちゃならない。箸も椀も要る。
そういうことを考えると、鈍る。意欲が鈍る。食っても食わなくてもいいかという気分になる。生来が怠け者なのだ。どうしよう。
かといって、素麺屋さんまで出掛けて行く気にもなれない。この暑さだ。炎天下に晒されたら、スルメのように日干しになってしまう。
「おまえさん、そうやってて何が楽しいか?」と耳に口を寄せて囁く不埒者がいる。ヤツは姿を見せない。声だけの存在。不意打ちを食らった老爺はしばらく思案する。
「長く人生を過ごして来たんだ、どんな時でも楽しくする術くらい心得ているさ」と大声で答えたい。ところがところが、我が声は痩せ細る。
「ん、まあ」くらいにしかならない。内容の濃さ薄さを問わないとして、ともかく長く人生を生きて来た。長さというその分の力量を溜めていそうなものだが、どっこい、そうなっていない。
一人でいる。負傷の足をいたわって、ぽつんとしている。もうすぐお昼だ。窓の外を風が行くらしい、庭の雑草のオナモミが揺れている。
この負傷した足だから、何処へも行けない。ベッドに寝て読書をして安静を保っていた。今は一人。誰もいない。読書にも疲れた。ぼんやりしてる。白い雲がそろそろ夏空を覆い尽くすところだ。雲までがぎらぎらしている。
朝ご飯はちゃんと台所のテーブル席について食べた。娘が昨晩焼いていたパンを1個。おいしかった。味噌汁は茄子がはいっていた。朝の果物に我が家で収獲した黄色西瓜を食べた。これは外側が黄色で、中は赤い。まあまあの甘さだった。
新聞2紙にも目を通した、ざっとだけど。で、どうだった? 読んで何か新発見をしたか? いや、なあんにも。口からぷっぷっと西瓜の種を吐き出すので精一杯だった。なんて理由をつける。
朝、目覚めてから、お風呂に行って、小さな丸椅子(桶っていうのかな?)に座ってシャワーを浴びた。掻いていた汗を石鹸をじゃぶじゃぶつけて流した。ひんやりして、すっきりした。ここまでは元気か回復した。しめしめ。老爺の目尻が下がる。
この炎天下でみな弱り果てているというのに、だ、青紫蘇はそうじゃない。弱っていない。萎んでいない。何故だ?
根に曰くがある。四方に凄まじいほどの根を張っている。ちょおとそっとの力で抜こうとしても抜けない。
彼は知恵者だなあ。この困難、この灼熱地獄を乗り越える術というのをちゃっかり編み出しているヤツがいるんだ!
炎天下で働いておられる人たちもたくさんだというのに、この老爺は冷房を掛けて部屋の中にいる。涼んでいる。すまないなあ。台風が過ぎ去った。日照りが復活してきた。今度は旱魃が心配される。光合成をするための、南瓜の巨大葉っぱが、太陽の熱を真面(まとも)に食らって、黄色く枯れかけている。胡瓜、トマト、茄子などの夏野菜はもう収獲が見込めない。