小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



散策の途中に石仏や石塔を見つけるのが好きで、数年間撮り貯めたそれらの写真を整理する目的も兼ねてブログを始めようと思っていた。当初このブログのタイトルは「足柄平野の石仏」にして石仏石塔だけを紹介しようと考えていたが、間口を狭くすると続かなくなりそうだったので思いつきで現在のブログ名に変えて、内容も地元のこと全般を扱うようにした。以来、当初の目的はあまり果たすことなく現在まで細々と続いているが、たまには思いついたように石仏のことを記事にしたい。私が路傍の石塔石仏に興味を持つようになったのは5年ほど前。荻窪にあるたかん堂に置かれた一基の庚申供養塔に刻まれた年号の元禄七年を調べたところ今から300年以上も前に建てられたものと知ってかなり驚いたことがきっかけ。数百年の時を超えて存在し続ける石塔や石仏が身近にたくさんあると知って散策の途中に見つけては写真を撮り、彫られている年号や文字を調べるようになった。数年間にわたり足柄平野の中にある沢山の石仏を見たが、特に印象に残っているのが南足柄市弘西寺の弘済寺境内にある大日如来の石像。建立されたのは明和七年(1770年)。陀羅尼という梵字の呪文を3万6千回唱えたことを記念して造られたもの。残念ながら右上部の光背が欠けているが、実に精緻に彫られていて素晴らしい。また光背の円に沿って陀羅尼と思われる梵字が刻まれており、そのこともあって、他の石仏とは違い、どこかオリエンタルさを感じる。石塔に梵字を彫るのは、漢字と比べ費用がだいぶかかったようなので、この大日如来像は、当時かなりの金額をかけて造られたようだ。足柄平野は寺院の数が多いこともあって、色々な石仏を見ることが出来る。それらの映像ストックもまだまだ沢山残っているので、また折に触れて紹介したい。

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