新しい物好き

歳をとってからこそ、新しい物好きでありたい、と思う。
　
　歳をとってから、新しいものを否定するのは簡単だ。昔はそんなものがなくても大丈夫だった、と言っていればいい。

　歳をとってからは、新しいものを覚えるのがしんどいのだ。そんなに変わらないでくれよ、と悲鳴を上げたくなることもある。
しんどいから安易に否定する、そんな論調をいやというほど見かける。

　新しいものは、変革をもたらす。それは、ひょっとしたら悪い方向に向かっているのかもしれない。たとえそうだとしても、そちらに向かって何歩か歩いてみなければ、どんな道なのかわからない。

　年月をかけて積み上げてきた知恵も、新陳代謝を遮断してしまえば単なる因習に堕してしまう。