なんでそうなるのか

青森県八戸市で公務員試験塾オクトを主催する岡政也のブログです。

代弁者

2013-12-01 15:53:20 | インポート
 売れているエッセイストや作家は、大衆の代弁者である、とも言える。
みんながなんとなく思っていることを、スカッと言葉にしてくれる。自分では言いづらいことを言ってくれる。
だから、お金を払ってその著作を読もうという気持ちになる。

 ところが、多数派の想念には、様々なネガティブな面がある。問題は、もっぱら、そのような気持ちを救い上げるのに巧みであるがゆえに売れている作家がいる、ということだ。
妬みや僻み、憎悪や偏見、これらを煽る言説は、実は痛快だ。残念ながら上品ならざる心象をくすぐる方がカタルシスを生む。

 そうして、そのような心情が増幅されて、世論が形成されていくとしたら、怖いことだ。他愛のない雑文の中にも、世を蝕む毒が潜んでいることをもっと警戒するべきだ。