◆H18. 1.19 神戸地裁 平成16(行ウ)29 特許権 行政訴訟事件
条文:関税定率法21条1項5号、改正特許法104条の3第1項
【概要】
原告が石製灯籠用扉及び石製灯籠を輸入しようとしたところ、被告は、特許第3012200号の特許権を侵害するとして、平成17年法律第22号による改正前の関税定率法21条1項5号の輸入禁制品に該当するとの認定処分を行い,本件各物品の輸入を差し止めたため、認定処分の取り消しを求めたもの。
【争点1】
特許権は,無効審決が確定するまでは適法かつ有効に存続し,対世的に無効とされるわけではないこと,特許の有効,無効の判断は第1次的には特許庁にあること、を理由に、本件特許を有効なものと扱い,本件認定処分を行ったことに何ら違法はないか。
【判示1-1】
認定処分取消訴訟を提起しても,同特許権に無効理由が存在することを理由に同認定処分の適法性を争えないとすることは,特許権者に過度の保護を与える反面,貨物輸入申告者に不当な不利益を与えるもので,衡平の理念に反するというべきである。
【判示1-2】
認定処分制度の趣旨は、特許権者その他の知的財産権者の権利を保護する点にある。
改正特許法104条の3第1項によれば、侵害訴訟において当該特許が無効審判により無効にされるべきものと認められるときは、特許権者は相手方に対しその権利を行使することができないのであるから、特許権に無効理由が存在し、侵害訴訟において、特許権者の権利行使が制限されるような場合にまで、税関長が認定処分を行う必要性も合理性も存しないというべきである。
【結論】
本件特許には,特許法123条1項2号の無効理由が存在し,本件認定処分は違法であるから,取消しを免れない。
(感想)
取り消しを免れない点については、そのとおりと感じる。しかし、進歩性を否定する際の検討方法が、特殊であると思う。
検討の概略は、課題と効果から技術的本質を3つ認定し、それぞれの技術的本質について別個に検討し、それぞれが公知技術等から容易に想到できたものであると結論づけるというものである。
条文:関税定率法21条1項5号、改正特許法104条の3第1項
【概要】
原告が石製灯籠用扉及び石製灯籠を輸入しようとしたところ、被告は、特許第3012200号の特許権を侵害するとして、平成17年法律第22号による改正前の関税定率法21条1項5号の輸入禁制品に該当するとの認定処分を行い,本件各物品の輸入を差し止めたため、認定処分の取り消しを求めたもの。
【争点1】
特許権は,無効審決が確定するまでは適法かつ有効に存続し,対世的に無効とされるわけではないこと,特許の有効,無効の判断は第1次的には特許庁にあること、を理由に、本件特許を有効なものと扱い,本件認定処分を行ったことに何ら違法はないか。
【判示1-1】
認定処分取消訴訟を提起しても,同特許権に無効理由が存在することを理由に同認定処分の適法性を争えないとすることは,特許権者に過度の保護を与える反面,貨物輸入申告者に不当な不利益を与えるもので,衡平の理念に反するというべきである。
【判示1-2】
認定処分制度の趣旨は、特許権者その他の知的財産権者の権利を保護する点にある。
改正特許法104条の3第1項によれば、侵害訴訟において当該特許が無効審判により無効にされるべきものと認められるときは、特許権者は相手方に対しその権利を行使することができないのであるから、特許権に無効理由が存在し、侵害訴訟において、特許権者の権利行使が制限されるような場合にまで、税関長が認定処分を行う必要性も合理性も存しないというべきである。
【結論】
本件特許には,特許法123条1項2号の無効理由が存在し,本件認定処分は違法であるから,取消しを免れない。
(感想)
取り消しを免れない点については、そのとおりと感じる。しかし、進歩性を否定する際の検討方法が、特殊であると思う。
検討の概略は、課題と効果から技術的本質を3つ認定し、それぞれの技術的本質について別個に検討し、それぞれが公知技術等から容易に想到できたものであると結論づけるというものである。