知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

食品衛生上の規制の対象となる可能性

2007-10-21 09:35:45 | Weblog
事件番号 平成18(行ケ)10182
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成19年10月17日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 飯村敏明

『本願発明1その他本願に係る各発明は,スモークによる処理ではあるものの,COガスを含むガスによる処理に係る発明であるため,食品衛生法上の規制の対象として,公の秩序ないし善良の風俗を害するおそれのある発明(特許法32条)に該当する可能性を否定できない(甲6,7参照)』

実施可能な記載の条件

2007-10-21 09:21:47 | 特許法36条4項
事件番号 平成19(行ケ)10011
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成19年10月16日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 石原直樹

『第3 原告主張の審決取消事由の要点
1 取消事由1(甲5発明の認定の誤り)
 審決は,無効理由2についての判断に係る,本件発明1と甲4発明との相違点についての判断において,甲5発明の認定を誤った結果,当該相違点についての判断を誤ったものである。
 ・・・
 仮に前者だと解した場合でも,「固定棚の先端」とは固定棚のどの部分を意味するのか,「支持部」は「固定棚の先端」にどのように設けられているのか不明であり,かつ,本件明細書にはこれらを規定する具体的な記載は存在しない。したがって,審決の認定は失当である。』


『第5 当裁判所の判断
1 取消事由1(甲5発明の認定の誤り)について
・・・
また,「円形孔からなる支持部」は,上記のとおり,単一部材によって形成される固定棚の一部であって,外管をその伸縮に応じて摺動自在に挿通して固定棚を水平に支持するものでなければならないものの,「固定棚の先端」にどのように設けられているのかについて,それ以上特定した規定はないから,上記限定の範囲内で,任意の技術手段によりなし得るものであり,かつ,本件特許出願当時の当業者の技術水準に照らし,この点につき,周知慣用の技術手段が存在していたことは明白であるから,「固定棚の先端」にどのように設けられるのかが明細書に記載されていないと,発明の実施ができないというものではない。』