◆H15. 2.27 東京高裁 平成12(行ケ)500 特許権 行政訴訟事件
特許法36条4項
『ランプから発する波長380~780nmの可視光領域の光線の光エネルギーのみによっては,空気中の酸素分子を酸素原子に分解することはないと理解すべきであるから,仮に,本願発明の構成により本願明細書に記載されているような効果を奏することが事実であるのならば,ランプから発する波長380~780nmの光線を照射しただけではなく,これに他の技術的要件が加わることによって空気中の酸素分子が酸素原子に分解されたからであると理解せざるを得ない。ところが,本願明細書中には,この技術的要件を推測させる記載すら見当たらない。このように,本願明細書中の記載によっては,当業者が空気中の酸素分子を酸素原子に分解することを容易に実施することができるとはいえないのであるから,本願明細書には,金属の表面処理加工を行った後,ランプから発する波長380~780nmの光線を照射し,空気中の酸素分子を酸素原子に分解することにより,前記金属の表面に付着した有機物を分解させ,これを除去するという,という構成の本願発明を,当業者が容易に実施することができる程度に,その内容が記載されている,とすることはできないというべきであり,これと同旨の審決の判断に,何ら誤りはない。』
特許法36条4項
『ランプから発する波長380~780nmの可視光領域の光線の光エネルギーのみによっては,空気中の酸素分子を酸素原子に分解することはないと理解すべきであるから,仮に,本願発明の構成により本願明細書に記載されているような効果を奏することが事実であるのならば,ランプから発する波長380~780nmの光線を照射しただけではなく,これに他の技術的要件が加わることによって空気中の酸素分子が酸素原子に分解されたからであると理解せざるを得ない。ところが,本願明細書中には,この技術的要件を推測させる記載すら見当たらない。このように,本願明細書中の記載によっては,当業者が空気中の酸素分子を酸素原子に分解することを容易に実施することができるとはいえないのであるから,本願明細書には,金属の表面処理加工を行った後,ランプから発する波長380~780nmの光線を照射し,空気中の酸素分子を酸素原子に分解することにより,前記金属の表面に付着した有機物を分解させ,これを除去するという,という構成の本願発明を,当業者が容易に実施することができる程度に,その内容が記載されている,とすることはできないというべきであり,これと同旨の審決の判断に,何ら誤りはない。』