昨夜、NHK-Eテレで放送された「SWITCHインタビュー 達人達『野村萬斎×市川猿之助』」。ともに古典芸能である狂言と歌舞伎の世界をそれぞれリードする二人だが、性格の違いはともかく、能・狂言と歌舞伎の違いが二人のトークの中から引き出されて興味深かった。室町時代の“わびさび”文化や禅の影響を受けながら発展してきた能・狂言に対し、江戸時代の爛熟した文化の華やかさを持つ歌舞伎。名のある人物を描くことが多い歌舞伎に対し、「この辺りの者でござる」精神の狂言。四拍子(大鼓、小鼓、太鼓、能管)しか使わない狂言の萬斎は「三味線が入ると、どう動いていいか分からない」というのに対し、猿之助は「三味線がないときっかけが取れない」という。これからこの違いを確かめながら見るのも一興かなと思い、「三番叟」を狂言と歌舞伎舞踊で見比べてみた。
▼「翁(式三番)」より「三番叟」
▼歌舞伎舞踊「舌出し三番叟」
▼歌舞伎舞踊「舌出し三番叟」