今日、不思議なことがあった。城彩苑から二の丸広場を通って帰ろうと広場を横切っていた。広場の真ん中を通り過ぎたあたりで子どもたちが何人か駆け回っていた。その中の一番小さい男の子、おそらく2歳にはまだ届かないかなというくらいの子がたたずんで僕を見ていることに気付いた。僕は笑顔を返して通り過ぎようとした。するとその子が僕の方に歩いて近付いて来た。おじいちゃんか誰かと間違っているのかなと思い、慌ててかけていたサングラスを外した。しかし、その子は驚くわけでもなくそのまま後を付いて来る。遠くでお母さんが「◯◯ちゃ~ん、どこ行くの!」と呼ぶ声が聞こえた。僕はその声で安心して歩き去ろうとした。ところが、それでもその子は当たり前のように付いて来る。とうとうお母さんが「すみませ~ん」と謝りながら走って来た。別れ際にもう一度笑顔をして見せると、その子はまるで前から知っている人と別れるような表情をしてお母さんに手を引かれて行った。
帰り道、あの子と僕は前世で出逢っているのだろうかと思えてきた。
帰り道、あの子と僕は前世で出逢っているのだろうかと思えてきた。