食道楽は国境をこえて。

フランス・パリでの生活
おいしいものと、楽しいことに囲まれて…

Fromage d'Annecy アヌシーのフロマージュリー

2011年07月20日 | チーズ
去年の年末から、探してるチーズがあって

パリ中の有名どころのフロマージュリーにうかがったんだけど。

『そんなチーズ、(存在し)ないよ』

って、言われるばっかりで



サヴォワ地方のチーズって聞いたから、もしかしたら、ってうかがったアヌシーのフロマージュリー、



CREMERIE DU LAC-クレームリー・デュ・ラックさん




以前、

“パリなら、フランスのほとんどのチーズが手に入る”

とブログに書いた私。


…訂正



“パリなら、たいていのフランスの有名なチーズは手に入る”



私が探していたチーズは、

“Vacherin des Bauges-ヴァシュラン・デ・ヴォージュ”と、

“Vacherin d'Abondance-ヴァシュラン・ダボンダンス”。



ヴァシュランは、牛の種類。

ヴォージュは、サヴォワ地方のヴォージュ山塊の事。

アボンダンスは、同じくサヴォワ地方の谷の名前。



パリ市内のフロマージュリーでこの2つのチーズがあるかどうか聞いたら、

『ヴァシュラン・デ・ヴォージュ?
違うよ、ヴァシュラン・モン・ドールの事でしょ』

『ヴァシュラン・ダボンダンス??
アボンダンスっていったら、トム・ダボンダンスの事だよ』

と言われ続けた私…。

それもそのはず。

MOFフロマージュリーさんのお店でも、ご本人が店頭に立っているお店はほとんど無くて…。

このチーズは、フランスでも1軒か、2軒の農家でしか作られていない、“幻のチーズ”

従業員の皆さんは、ご存じなかったみたい

どっちも、種類としては、モン・ドールの兄弟みたいなものらしいんだけど。




それが、

ヴァシュラン・デ・ヴォージュ、

コチラのお店で発見



ヴァシュラン・ダボンダンスは、

『僕から言わせてもらうと、それは、“存在しない”チーズだよ』

と言われた。

で、ススメられたのが、やっぱり、トム・ダボンダンス。

これは、コンテみたいな加熱圧搾チーズ。

せっかくなので、これも購入して

さらに、サヴォワ地方といえば、ラクレット



『二人とも旅行者?
じゃあ、真空掛けてあげるよ』

と、



旅行者仕様に

これで、独特な香りのチーズを持ち歩ける






マルシェでも、



たくさんのコンテが売られてたり、魅力的な街、アヌシー

ケド、どうせ買うなら、親切なこちらのフロマージュリーで






後記

ヴァシュラン・ダボンダンス、存在しないって言われた理由が判明。

2004年か2006年以降、唯一存在していた、ヴァシュラン・ダボンダンスを作っていたチーズ農家さんが、“後継者ナシ”が理由で、閉めてしまったとの事。



フランスの初代大統領、シャルル・ド・ゴール氏は、

『チーズの種類が246もある国を、いったいどうやって治めろと?』

と、発言したとか。

意味は、それだけ多様性のある地域を、って事だったみたいだけど。

実際、伝統的なチーズは400種類。

私が探してた小さなチーズ農家さんのものを合わせると、2003年の時点で1001種類になったとか。



でも、農業大国フランスでも、後継者不足は大きな問題。

そして、スーパーマーケットで売られる工場製の増加。



チーズの種類が、これ以上減らない事を信じて。

そして、チーズ農家製が、更に活発になるように。

(本当に)微力ながら、私はフロマージュリーでチーズを買い、そして食べ続ける




Cremerie du Lac
3 Rue du Lac 74000 Annecy


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