のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1098

2017-04-02 00:00:35 | 新しい子猫たち 

この経理部長は苦労人、もうひとつの大きな銀行でも 大きな支店の支店長代理まで務めたが部下の面倒見が良すぎて、前の頭取にあらぬ誤解をされて、正人が気の毒に思って、香奈ファナンシャルに引き取った。家を建て替えたばかりでもあった。

正人はその頃に、通信機メーカーの経理が杜撰すぎるので、この人を香奈ファイナンシャルからの派遣とした。ローンの返済は、香奈ファイナンシャルがもう一つの大きな銀行から引き継いだ。この人もそれを大変喜んであの通信機メーカーの経理を立て直す事に努めた。経理屋なのに、優しい人で、内部にいた人たちの面倒見もよくて創業者のオッサンも、この人を頼りにしていた。

実は経理だけの問題ではなく通信機メーカーの管理部門の重鎮、精神的な支柱でもあった。

面倒見がいいという事は、この人に掛かる重圧も強かった。

あの女子社員の仕事はテキパキとして、このジイサンも喜んだ。ただ今まで部下、幹部たちは危機感を持って、仕事に頑張った。ジイサンは喜びながらも、特定の人を期待しすぎる危険も感じていた。

このジイサンはみんなの仕事ぶりを見て、あの女子社員を重用しすぎて、ギスギスした雰囲気になる事を恐れ、創業者のジイサンと話をして経営管理部なる部を作り、このジイサンが部長を兼任した、あの女子社員だけでなく、内部部局から、抵抗分子と思われているような人、仕事が出来過ぎる女子社員などを集めた。


それが成功して管理内部もしっかりとして、実際の営業網を任せている、チャタロウグループの販売会社との連絡網もしっかりとしてきた。