のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

新しい子猫たち No.337

2014-12-23 00:17:01 | 新しい子猫たち 

悪徳と清香の事務所の対立



悪徳の対立候補は、清香に近い正義弁護士だった。初めの選挙の時に、清香は、悪徳を馬鹿にしていたので、特に動かず、悪徳は必死で工作して、多くの地方での支持を受けた。



正義弁護士は文字通りの正義派、人権派弁護士だったが、正義を振りかざす依怙地な所もあって、評判はイマイチだった、結果は悪徳が辛うじて、勝って会長になった。



悪徳は、組織運営にも優れて、組織は順調だったが、弁護士として依頼者とは別の被告側の企業からも金を貰って、交渉していた過去の事実も指摘され、金に汚い奴といわれるようになった。



次回の選挙には清香が積極的に動いて、今度は正義弁護士が大勝した。



正義は組織運営は下手な上に、なにかと云うと法の正義とかいうので、みんな呆れた。



正義の清き水に住みかねて、元の濁りの悪徳恋しき



とかの狂歌も言われるようになった。





清香も流石に組織運営には正義は向いていないと悟った。それに正義法律事務所の運営も赤字続きだったので、清香の事務所に吸収して、正義は次回の選挙には出なかった。





悪徳は、二度会長選挙に出て、金使いすぎた事もあったし、悪徳の欲しかったのは、日弁連の元会長と云う肩書きだけでもあったので、金儲けに邁進する事にした。



組織運営能力とか、組織をまとめいていく力は悪徳にはあったが、正義にはなかった。





清香は、悪徳の根性は腐っているとは思っていたが、法の理解とか組織の運営能力、チームをまとめていく力は過小してはいなかった。それに神太郎が、今度は評価しているとの話も聞いて、悪徳にあってみたいと思ったのだ。


新しい子猫たち No.336

2014-12-22 00:00:28 | 新しい子猫たち 

お宝銀行の法務部長、

悪徳弁護士と会う






元々、悪徳弁護士は、個人融資担当部門の法律相談を担当していたのにすぎなかった。



そして個人融資担当部門は、いずれはなくなる部門としての認識が、お宝銀行内部には根強くあって、法務部長は悪徳弁護士に会った事もなかった。



銀行では、天皇とも神ともいわれていた頭取の意向で、秘書室長から法律アドバイザーとしての報酬を上げるように云われた法務部長は、悪徳弁護士というよりは、悪徳法律事務所を顧問弁護士として、お宝銀行の個人融資部門の法律相談をまかせ、それに悪徳弁護士とそのグループの弁護士たちがそれに専任する事を条件として、多額の報酬にする事にした。



恵の財団や不動財団そして香奈特別保証の連絡は、必要なので、但し書きで対応する事にした。





元々、顧問弁護士なんぞは、挨拶程度の清香の事務所だけで十分、万一の訴訟には清香の事務所に任せる事になっていたのに、悪徳なんぞからナンダカンダと云われないようにするためでもあった。





形の上では、顧問弁護士が増えるが、悪徳は単に個人融資部門の相談だけですけどねと言って、清香の事務所にも連絡した。通常はその会社独自の顧問弁護士と清香の事務所が連絡を取るのが一般的だったが、個人融資部門だけですとも説明した。意外な事に、清香自身が会いたいと言っているので、契約の時に話をしてくれと言われた。





清香は外部の人には滅多に会わない事で有名だった。法務部長ですら、会った事はなかった。清香の下のパートナーと言われる幹部と会うだけだった。





法務部長は内心、面白くなかったが、悪徳弁護士とあって、契約の事を話した。報酬は以前の倍にもなっていた、ただ専任条項はやや不満だったが、今では個人融資に専念していたので、仕方ないなと思っていた。





清香から会いたいといわれたのは驚きだったが、法曹界の化け物といわれる清香の心証を良くしておきたいとの気持ちもあって、清香の事務所と面談の相談をした。





悪徳は、昔の日弁連の会長選挙の時に、清香の事務所とは、少しはいざこざもあったのだった。


新しい子猫たち No.335

2014-12-21 00:31:14 | 新しい子猫たち 

清香の法律事務所



元々、旦那の大元法律事務所だったが、名前も変わって、現代風の名前になっていた。元々、洋之助が清香の事を考えて、紡績の顧問弁護士にしたのがキッカケだったが、次第に紡績グループそして冶部一族の会社の顧問弁護士になり、そしてジブトラストの顧問弁護士、ジブ系列の会社の顧問弁護士にもなり、日本の大手企業のかなりの会社の顧問弁護士になっていた。





元々、清香は、中小企業の経営指導までしていたので、単に法廷での弁護活動ではなかったが、次第に法廷での訴訟がメインに変わり、膨大な弁護士を抱える法律事務所になっていた。





法廷外の法律相談も勿論行っていたが、弁護士と云えども、法の正義が重要とかいいだすようになって、ある程度の企業は、清香の事務所とは別に顧問弁護士とか法務部を持つようになっていた。





紡績でさえ、清香の事務所以外に顧問弁護士がいた。そしてその法務部とか顧問弁護士が清香の事務所と連絡を取りながら、法律コンサルタントとか法律相談とかをしていた。





清香の法律事務所は、莫大な顧問料が入ったが、金のない人たちの法律相談、刑事事件の国選弁護なども多く手がけるようになり、刑事では検察庁と対抗できる組織とも言われていた。





刑事は主に旦那の担当であったが、元々文句いいの清香はいつしか検察内部に食い込み、清香は、検事総長とも電話一本でナンダカンダいえる人とささやかれていた。検察の公訴取り下げ事件は少ないが、多くは清香の事務所が絡んでいた。検察幹部の突然の異動には清香の意向が絡んでいるとも噂されるようになって、陽太と清香のラインは、別格の強みと囁く人もいた。





お宝銀行の法務部






れはそれとして、お宝銀行の顧問弁護士も、清香の法律事務所であった。お宝銀行の法務部は、へんな法律事務所よりも多くの弁護士が社員としていたが、清香の法律事務所には頭が上がらなかった。





お宝銀行は、はじめ国際間決済をメインとしていたので、マネーロンダリングと疑われないように、法律ゴロみたいな奴を多く抱えていたので、それが法務部となった。





ただ、今では体制とどっぷりの関係になって、法務部長は、金融庁関係の審議会の委員ともなっていた。法律相談が必要な組織ではなかった事は云うまでもなかった。


新しい子猫たち No.334

2014-12-20 10:47:05 | 新しい子猫たち 

リトルチャ、悪徳弁護士と会う





リトルチャの組織では、チビダロウが各種の情報を収集して、それを分析して、リトルチャに報告していた。組織として、上がってくる各種の経営情報以外に、世間の噂、関連業界の話まで多岐に渡っていた。



チビタロウは複数の調査会社を使い、同じことを複数の会社に調査させるとの小細工もしていた、チビタロウの携帯は猫ホーンと呼ばれる、コネコ通信の最新型に、猫語翻訳機を組み込んだもので、調査会社は時折かかってくるチビタロウからの依頼には大事に応じていた。そして香奈の家の猫たちからの技術情報を伝達する役目もチビタロウは負っていた。





チビタロウは元々リトルチャタロウの弟子なので、大局的な判断はリトルチャタロウにも相談した。チビタロウは、リトルチャにリトルキャット基金での個人融資が上手くいっているのは、悪徳弁護士たちのグループが懸命に努力しているからだと報告した。





お宝銀行の頭取も、部門の責任者を兼務していた秘書室長からの報告でも、返却率がすこしつづあがり、恵の財団、不動財団そして香奈特別保証との連携も進み、悪徳弁護士たちの努力で、利益も上がっている事は知っていた。





リトルチャは努力して、成果が出れば、金出すのが当然と思っている猫なので、元々利益なんぞとれない事業が継続して運営できているのは、それは大切な成果なのだ。マイナスからプラスに転じさせた功労者なので、特別ボーナスを出そうとして、悪徳弁護士をリトルチャの部屋に呼んだ。





悪徳弁護士は超現実主義者で、リトルチャはお宝銀行の単なるマスコット人形のモデルに過ぎない、香奈の飼い猫の一匹のリトルチャをモデルにしただけだ、お宝銀行は、香奈の個人マネーから出来た銀行で、それを大きくしたのは今の頭取だろうと単純に思っていた。





お宝銀行の本店ではなく、リトルチャの部屋に呼ばれた悪徳弁護士は、そこでリトルチャに会った、そこにはお宝銀行の頭取、リトルキャットファイナンシャルの社長そしてチビタロウ、意外な事に神太郎までいた。



リトルチャは昔、神太郎が悪徳弁護士をゴミみる目で神太郎が見たと云う話も聞いていた。神太郎が人見る眼は確かだった、心が読めるとも香奈は言っていた。リトルチャは、神太郎に彼の心を見て欲しかったのだった。



神太郎にはリトルチャグループとの調整を総括的に行いたいので、ご足労頂きたいとリトルチャにしては丁重に頼んでいた、神太郎はほとんど決着のついた話ばっかりなので、リトルチャグループの首脳会議には不思議な思いで同席していた。



神太郎グループとリトルチャグループの協力関係は進んでいて、神太郎オフィスのナンバー2とも云えるアイツが担当して、特に問題もなかった筈だった。





会議の席上もお互いの協力関係を確認しただけだった。そこでリトルチャは悪徳弁護士に多大の特別報酬を出すと言ったが、悪徳弁護士は意外な事に断った、特別な事はしてませんと云う理由だった。





悪徳弁護士は、リトルチャが本物だと一瞬にして悟った。多大な報酬を受ければ、やっぱり、あいつは金目当てと思われると判る程度の頭はあった。





リトルチャは、お宝銀行の頭取に、法律アドバイバーとしての報酬を上げる事を検討するように命じた、お宝銀行の頭取もそうですね、ウチの法務部の部長に悪徳弁護士の事務所に行かせて、細かい話をさせますと言って応じた



緊張感の漂う部屋から早々に悪徳弁護士は引き下がった





リトルチャ



神太郎さんは昔、彼を見て、ゴミ見るような目をしたらしいですけど、今の彼も同じですか



神太郎



僕は昔会った事も忘れているよ。ただ今の人は複雑な感情を持っている人だね、単純にいい人ではないけど、心の中で葛藤している人だと思うよ、人間の多くはそうなんだけど、そういう葛藤を持っている人の方が案外強いのだよ、恵おばさんもあんなタイプは今までの財団の法律屋にはいない、屁理屈こねても主張を通す人だね、ウチも助かっているみたいだよと言ってましたよ、



鋏ではないけど、人もまさしく使いようによって変化するんだね。


新しい子猫たち No.333

2014-12-19 00:25:41 | 新しい子猫たち 

お宝銀行は変わって行った その3



企業投資部門は、香奈特別保証との連携を強めた。

香奈特別保証も中小企業に支援みたいな融資だけをしているのではなかった。





リトルキャット運用会社には豊富な猫基金があった、リトルチャとの約束で、今後の猫たちのために貯めておく金だった。リトルチャグループとチャタロウグループからの配当の半分を猫基金とするのは、正人とリトルチャとの間の約束だった。





正人はその金を初めは、もう一つの大きな銀行に預けていた。リトルチャは、お宝銀行にも預金しろと正人と交渉して、今までの預金はそのままで、もう一つの大きな銀行とお宝銀行とに半分ずつ預ける事で、リトルチャと正人は合意していた。





もう一つの大きな銀行に預けていた金のある程度を引き出して、お宝銀行に預けろとリトルチャがいい、正人はそれは駄目、今後の金にしたいと言い出して、予定比率をもう一つの大きな銀行の方が多くしていたのに、半々と云う点で合意したと云う、なかなか、緊迫したやり取りもあったが、結局そこに落ち着いた。



それから時間も経って、お宝銀行には、莫大な金をリトルキャット運用会社として預金していた。



香奈特別保証は、企業が口座決済で不足する金を一時的に立て替える事を始めていた。つまり一時的とは言えども、融資みたいなもので、結構利益が出ていた。香奈特別会計が出資していた有力企業が相手だった。





ジブトラストとして多額の金を預けている一族の銀行と香奈ファイナンシャルやリトルキャット運用会社として多額の金を預けている、もう一つの大きな銀行の口座が当初の対象だった。





香奈特別保証は独立した会社で本来香奈ファイナンシャルやリトルキャット運用会社とは独立した会社の筈だった。ジブトラストとはまったく関係もなかった。

そこが多額の金を預けていたとしても、香奈特別保証の融資の担保にはならない、しかも契約もない。担当レベルや役員レベルではとても認められなかった。





しかし香奈の名前もある会社なので頭取に相談した。そして頭取決済で、それぞれの銀行が香奈特別保証に特別に安い利子で貸して、それより少し高い利子で、香奈特別保証が貸すシステムが認められていた。





一族の銀行では神とも天皇とも云える神一が、ジブトラストに保証人になってもらうなんて事ができる筈がない。いざと云う時には僕が動くよといって簡単に終わった。





もう一つの大きな銀行は頭取が正人にこうしますよと言ったら、香奈特別保証は親父の指揮下に入ってるから、宜しくねと云う正人の言葉があったので、頭取もそれ以上の事を云う必要もなかった。





政則は香奈ハイテクの財務責任者だった。香奈ハイテクは、一族の銀行がメインだったが正人が政則に言って、もう一つの大きな銀行の比重を大きくしてもらっていた、香奈ハイテクを敵に回す事はできないのは明白だった、関連子会社も多かった。





実際に返して貰えない時には香奈特別保証が貸した金を出資に換えて、金はそれぞれの銀行に返すので、事故もなく、香奈特別保証の資金も潤沢になっていて、何の問題もなかったのだか、もう一つの大きな銀行と一族の銀行の役員や担当部門の奴らは、人のふんどしで相撲取っている奴ら、何もしないで金稼いでいる奴らと香奈特別保証を見ていた。





口に出さないが、そういう態度は明白だった、

お宝銀行は違った、この対象銀行にお宝銀行を入れてもらう交渉の時には、リトルキャット運用会社の金が預金されている事もあったがそれには触れず、無担保保証に応じたし、利子も少し安くしていた、香奈特別保証は、お宝銀行の口座を加えるだけでなく、推奨した。





お宝銀行の法人口座は急増していた、それに国際間決済も代行して、他の銀行よりも為替レートも実際のレートに近く、当日の仲値レートの一円の上で買い、一円より下で売りとかではなくて、もっと狭かった、海外との取引のある企業はお宝銀行に口座を持ち、しかも短期の融資までしてくれた、増えたのは当然だった。





しかも、後で触れるが、リトルキャット基金での個人融資は、初めは既存の本店支店だけで行っていたが、香奈特別保証、恵の財団、不動財団なとと連携を高める内に、不動マンションがある地域、財団の事務所のある地域、中小都市まで、支店とか事務所などが増えていっていた。





もう一つ、お宝銀行には、お宝ネットバンクと云う子会社があって、これは大きくなって、コンビニでのATM利用とか空港での独自ATMまでもって、逆にそれは口銭取って、他のクレジッドカード会社などにも間口を広げていた。





支店とか事務所には当然、このネットバンクの相談窓口もあった。





個人融資も支援みたいな融資だけでなく、企業融資と似たような、銀行決済時に不足する金を自動融資する制度を取り入れた、これもある時払いの催促なしだったが、お宝銀行の個人融資は、相手をよく見て、金払える客かではなくて、助けたい相手かを考えるのを優先していた。



別に利益取るのが目的ではなくて、リトルチャに感謝してくれる相手でないと意味ないと考えていたからだった。個人融資としても考えが違っていた。





対象が増えた個人融資は返却率がかえって、上がり、利益まで出るようになったのは不思議な事だった。





頭取が副頭取の権限を強めて、銀行に行く日を減らしてから、お宝銀行の収益は上がっていた。頭取は馬鹿ではないので、副頭取の権限を更にあげ、本当に大切な事だけの決済権限に限定するようになって、お宝銀行は次第に大きくなっていた





この時の日本の銀行業界はもう一つの大きな銀行がトップで、それにちょっとの差で次ぐのが、一族の銀行となっており、二大メガバンクと云われていたが、第三の銀行として、お宝銀行とお宝ネットバンクの名前が上がるようになっていくのだった。





象徴的な事件が起きた。


世界の巨大な資源メジャーと云われていた香奈オフィスは、もう一つの大きな銀行、一族の銀行とをほぼ同じ比率で使い、世界でもそれぞれ大きな銀行を使用していたが、奈津美は、香奈オフィスでの膨大な国際間決済のかなりの部分をお宝銀行に任せた。銀行業界に激震が走った。





奈津美は猫チャンネルはあったが、現実的に国際決済ではお宝銀行に任せた方が、経費が少ないと云う単純な理由でもあった。銀行としての信用力も高いと奈津美は冷静に判断していただけだった。



日本も三大メガバンク時代になっていくと云う人までいた。