のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.340

2014-12-27 00:00:40 | 新しい子猫たち 

意外な展開



それとはまったく別の動機で、こうした特定社会保障財団の規定見直しのための審議会が作られていた。悪徳は審議会の委員に、金抱かせ、女抱かせて、リトルチャ財団の格上げを工作しようと思っていたが、あっと云う間に審議会ができて、あっと云う間に、答申が出された、裏工作しようにも出来なかった。



この新しい特定社会保障財団と認められれば、税法的な便宜は大きくなって、基金の上限廃止もそのままだった。そしてリトルチャ財団も格上げになったが、不動財団も同時に格上げになっていた。もうひとつ意外な財団が、あっと云う間にできて、あっと云う間に格上げされていた。ジブ総研の社会福祉研究所が作った、香奈記念財団だった。





実は、政権内部で、陽太対策の一つとして、密かに検討されていた、陽太親衛隊が大きくなり、陽太の影響力が強まり、それにおべんちゃらする必要もあった。



不動だけ格上げしては目立つ、ナントカしろといわれた厚生労働省は、元々公的福祉をしているような社会福祉研究所に、土下座まがいの頼み方をして財団を作らせた。それに正義の評判も使えるリトルチャ財団も入れれば、正義の名前も使えると云う計算だった



ナンタラ記者会が、陽太を招いた講演が予定されていた。その前に処理する必要もあった。政府の福祉政策に注文でもつけられれば、ヤバイとの思いが強かった。



恵や陽太は、逆にほとんど動かなかった。むしろ最初、職員や理事の報酬制限の事項が入っていたので、それに難色を示した。



社会保障をしていても、その人たちにも生活がある。理事や幹部の報酬を下げれば、職員たちの報酬にも影響がある。そんな条項は排除しろ、でないとこんな新しい規定そのものを認めないぞと言ったので、直ちにそれは削除されていた。



恵も陽太も財団からの報酬は少なかったので、それを参考にして、条項を入れたのに、二人からヤイノヤイノといわれるとは意外だった。





恵は膨大なジブからの配当金、冶部ビル会長の報酬があるので、むりやり報酬は安くしていた。陽太も理事長としての報酬は少ないものの、ジブからの配当も入り、カミカミ事務局長、お元気レストランの取締役の報酬とか配当金がごっそりと入っていた。





ただ二人とも新しい人が理事長になれば報酬は上げないといけないと考えていた。



恵は、財団系の病院の医師の事も考えていた。医系職員は別の規定で対処するとの審議会の当初の規定は、誤魔化しにすぎない。医師も大切だが、他の職員も大切なのだ、仕事に差をつけるなといっていた。



陽太は、相談室の幹部の報酬を上げる事も考えていた。困っている人の相談に乗る人が生活に困っていては話にならない、それに陽太親衛隊の予備軍にも金を出さないと、選挙にも出られない。



社会保障研究所の所長も、ややこしい手続きは鬱陶しいと乗り気ではなかったが、半ば強制的に進められていた。報酬規定で言えば、今の所長の報酬は既に越えていた。役所も審議会の委員もたいした報酬はもらっていないと思って、この人の事はよく調べていなかった。恵と陽太の事だけ頭にあった。



ジブ総研自体の所長でもあった夢野は、社会保障研究所の所長の報酬は高くしていた。利益あるかどうかと学問は関係ないとも言っていた。社会保障研究所の所長は世界でも有名な学者だった。



元々ジブ総研は、レアメタル関係の特許、技術指導料でごっそりと金が入っていた。社会保障研究所の所長の報酬は、恵や陽太よりも高くなっていた。所長は、私にやめろと云う積もりなのかともいった。所長はこんな規定を考え付く奴らに、強い不信感を持った。



社会保障関係の中央官庁の公務員の報酬は他の公務員の報酬は変わらないのに、実際に社会保障をする人の報酬が高いとナゼ問題になるのか、おかゆをすすって、社会保障しろといっているのか、アイツラの魂胆見えたと思っていた。



報酬規定は、そもそも社会保障関係の財団を作って、アホを理事にしたてて、多大な報酬を渡すような金持ち一族の企みを防ぐ意図があったのが、自分と同じようなズルイ連中しか考えない、今の政府に、所長は怒っていた。



金抱かせ、女抱かせての交渉ではなくて、恵、陽太そして社会保障研究所の所長の意見や要望に沿って、規定を修正し、それを単に答申とするための審議会にすぎなかった。



リトルチャ財団は、表面を飾るために格上げにしたのにすぎなかった。恵は生きているのが不思議な年寄りだったし、陽太もクダラン用件ではまずこない。社会保障研究所の所長も報酬規定が議論された事に強い不信感があってこない、華々しく記者会見しても、ノーベル賞にも輝いた恵もいない。有名人だった陽太もいない、学者として世界的に有名になっていた社会保障研究所の所長までこず、地味な連中が代理では、パンチにかけた。正義弁護士は名前は売れていた。



正義弁護士の正義面で、正義ぶったコメントが記者会見では花を添えた。





リトルチャ財団は、正義が運営したが、やはり財団を運営するには、正義の正義ずらだけでは上手くいかなかったが、悪徳の運営サポートもあって、なんとか運営していた。



それにお宝銀行の秘書室長は、法務部長の助言もあって、財団設立の金は少なくして、毎年に回る寄付を少し大きくしていた。この方が税金が安くついた。お宝銀行のあげる収益自体も多くなっていて、税法上の便宜は大きかった、しかし他の財団は結局、もっと大きな金を手に入れていた。





もっとも一番大きく税法上の特典を生かしたのは、ジブトラストだった。ジブが支払う税金はとても大きく、財務省が今年納付される予定の税金をチェックしていた。





あの特定社会保障財団の話は、ジブトラストの収益見通しが順調で、税法上の便宜を図っても税収が減らないから、考え出された面もあった





ジブトラストそのものは、もう大きく伸びる事はなかったが、香奈は意識的に本体へ入れる金を増やしていこうとしていたのだった。





香奈も生きているのが不思議な歳になって、ジブの組織は色々と考えて変更していた。ただ、世界各地の金融センターそして財産管理会社に金を貯めすぎていた、税金安くするためには有効だったが、香奈は税金の事があるのに、本体に金を集めようと思ったのには理由があった。





香奈亡き後、ジブの財産を金融センターにおいておく事は、神之助管理下の金の比重が高くなりすぎると思っていた、本体と各地のジブ現地法人、金融センターなどの比率を修正しておく事が必要と考えていた。





財産管理会社の金はジブそのもの金ではあるが、今までの経緯もあって、香奈個人の財産管理会社をベースにした会社もあって、その整理が必要だった。



香奈は、ジブ単独の財産管理会社の金は神子の管理下におき、ジブ本体と海外ジブの金は神太郎の管理下、金融センターの金は神之助管理下におき、その比率が大体イコールになるようにしようとしていた、ジブ本体が保管している現金は他と比較すると少なかった。





こうした修正を行うためにも、一度本体に金を集める必要があって、本体の利益が増えていたのだった。一度に大きく比率は変えれないので、この作業は少しつづ進んでいた。





神之助も協力していた、ナンタラミクスは、円安を招いていた、神之助の長期的な予測ではこれは一時的なものだと考えていた。一時的といっても数年は続く、この時期に海外資産を円に換えておけば、資産価値は増えるのだった。





神之助管理下のジブオーシーズなどのオーバーシーズ関係の資産、香奈特別会計もそしてリトルチャット運用会社などの海外運用分も少しつづ、円転換をしていた、一度に変えると為替に影響が出てくるので、円安が進んだ時にすこしつづ進められていた。





社会保障研究所の作った、香奈記念基金財団も赤字の事業は財団との分担比率を調整して、組織をいじった、そして税金を考えて、寄付を財団に対してした。そうするとジブ総研としては大きく税金が下がっていた、



恵の財団は、ジブトラストの利益の一定割合が寄付となるのが原則だったが、税金との調整もあった、ジブの会計を預かる事務所と恵の財団の会計責任者との間で調整が行われていた。



今回の変更で恵の財団がジブから受け取る金額はかなり増えた、香奈は恵に一時的なジブ内部の会計調整によるものだから、増えた分はためておいてねと話していた。





不動財団は、不動総合とカミカミからの寄付がメインだったが、不動総合も税法上の便宜を受け、カミカミも同様だった。便宜をうけた利益の半分程度は、寄付を増やしていた。





文句たれていた。恵の財団、不動財団そしてジブ総研がもっとも大きく金に余裕が出来たのは皮肉だった。