のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1658

2020-09-15 01:30:12 | 新しい子猫たち 
 リトルホワイトの福祉の概念は 猫の殺処分をなくす と云う事を原点とするもので 福祉 そのものについて 特別な思い入れがあったのでは毛頭なかった。猫だったし、それも もはや世界の大富豪の香奈の飼い猫だった リトルホワイトには元々福祉については何の関心もそもそもなかった。香奈は猫には甘い。特に自分の飼い猫たちには好きなようにさせていた。いくら賢い猫でもそこから福祉が大切と思う考えは沸いては来ない。 


陽太は福祉の陽太と言われたが、陽太自身も冶部一族の中でも裕福な家に生まれ、使えない程の お小遣いをもらってきた。政界に興味があった陽太が、当選するために考え付いたのが福祉大切と云う概念でそれで票を集めようとしたためと言えよう。ジブトラストの中心人物だった、母の神子 は 政界に出てもゼニは儲からないと言ったが、息子には甘いので それなりのゼニを陽太に持たせた。陽太は ゼニゼニと云うよりは 福祉を持ち出した。それで世間の注目を浴びた。選挙戦術に長けていた 陽太は 複数の陽太グループと共に政界に躍り出た。それは福祉大切の政策が新鮮に映ったからとも言えた。そして陽太は見事に政界の波を泳ぎ切った。妥協を重ね、アホと思いながらも時の実力者とも協力し、ついには総理になった。ただ陽太は 単に看板だけと云えた 福祉大切はいつの間にか、本当にそう思うように変わっていった。


リトルホワイトは陽太グループと接する内に それが当たり前のように思っただけと云えた。


個々の問題についてはリトルホワイトは実はそんなには知らなかった。単に分析とか評価の対象としての福祉しか知らないとも言えたのだ。ただリトルホワイトは陽太親衛隊とも云えた、福祉大切の元に政界に出てきた奴らと知り合った。政界の汚れにもなじまず、本当に福祉大切の概念だけで活動出来ていた。陽太は汚れ役は全て受け持ってきた。リトルホワイトはアホかと思いながらも世話を焼いて、実務的な事も彼らに教えた、しかしリトルホワイトも彼らから福祉大切の概念がどんなに素晴らしいかを教えられた。それに彼らは 本当にいい奴だ と リトルホワイトも判ってきた。自分大切、ゼニ大切の奴らではなかった。

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