のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.331

2014-12-17 19:32:03 | 新しい子猫たち 

リトルチャは自分の亡き後のグループについて、密かに案じていた。

人はいずれ死ぬ。猫も当然いつか死ぬ。自分が亡くなった後、グループがバラバラになり、みんなで足の引っ張り合いをするようになるのは、イヤだった。

リトルチャが自分の亡き後の事を考えていると云う事は、これを見ていたお宝銀行の頭取は実感していた。

リトルチャグループ全体の事をより一層考える事にしてお宝銀行では各部門の独立性そして自由な行動をより認める事にして、お宝銀行に行くのは限定して、ほとんどは、リトルチャの部屋で一緒にグループ全般の総括をするようになった。

お宝銀行は変わって行った

頭取は、潰れる予定の銀行を立ち直らせて、しかも、レアメタルの出る山まで、二束三文と思われていたのを、膨大な借金と交換とした、当時は、裏取引まで噂された、債権放棄だったが、今はそれこそ宝の山と変わっていた。


銀行は自己資本比率が多い銀行になり、しかも本当の自己資金が多い銀行だった。しかもリトルチャグループの国際決済銀行としては、世界でも有数の銀行ネットワークを育て上げた人だった。


銀行間融資とか、世界中の銀行にも出資して、世界的なネットワークになった。一見すると小さい銀行ではあるが、国際金融では、世界で名の知られた銀行にしたのは、彼だった。


彼は、融資には消極的だった。よく知らない分野でもあって、リトルキャット九州は、リトルチャからの要請もあって、わざわざ支店も作って、資金援助体制も整えたが、彼はよく知らない融資ビジネスには消極的だった。ただリトルキャット九州が成長して、取引相手は拡大し、お宝銀行の企業融資部門も成長したが、彼自身が消極的な態度を崩さなかった。


要するに、頭取自身の考えが銀行そのものを縛っていた。頭取は優秀な人だっけれども、多角的な見方には欠けていた。それにもう頭取は世間ではジイサンになって、海外を駆け巡る気持ちはなくなっていた。敷地内では80歳は洟垂れ小僧でも世間では違うのだった。


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