のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1891

2021-06-20 00:17:40 | 新しい子猫たち 
紡績の会長室も色々な製品のコマーシャルを流した。消費者直結の普及品では 広告の反響は高いようだった。リトルキャット系の調査機関から詳細な報告書が出た。CMの効果は限定的、費用対効果としては そんなに効率は良くないと云うものだった。


ただ実際には 紡績グループの売上は少しずつではあるが伸びていった。


このネットテレビよりも 前に行った 地域の病院構想に対して寄付をしていた事が大きかった。紡績グループも各地の相談会をサポートしていた。人も出した。各地で将棋関係のイベントもした。その効果との相乗効果ではないかと云うのが リトルホワイト系の調査機関の示唆したものだった。


ただ効果はそうした宣伝効果だけではなかった。紡績もこうした相談会に人を派遣するのに 運用本部も中央研究所も限定的ではあるが たまには人を出した。むしろ下からの要望だった。同じ会社なので我々も偶には行きたいと言い出した。


貴族的とは言いすぎだったが、従業員福祉が行き届いていた、紡績グループの社員も 広く社会を見る事が出来た。貴族的ではあるが、愛の精神は紡績社内に根付いていた。会社は社員に愛の気持ちで接して、社員は社会に そして顧客に対して、その愛の精神を発揮しなさいと云うのが 紡績の愛の精神。


社会のそして地域の実態を知るにつれて、そうして社会に少しでも貢献したいと言い出して、そうした製品の開発も進みだした。そうして成績が伸びていったのだ。


実は会長室ではなく 社長室の働きが強かった。清太郎は息子に示唆して、こうした動きを加速させていた。清太郎は息子の事が気にかかっていた。元々は コンビニとスーパーの融合を考えていた聖子は 大株主であった シックステンに 清太郎の息子の一人、つまり孫の一人を相談役を付けて出した。コイツは コンビニ業界で知られていく内に 相談役の意見を全く聞かなくなった、ソイツに対して聖子が怒ったのだ。聖子は相談役を付けたのに、その人の意見を全く聞かなくなった のに怒ったのだ。


そして安いよでも スーパーとコンビニの融合は無理と云う結論も出て、コイツはコンビニに専念して、安いよ には帰ってくるな もう役員としての席はないよ といった。コンビニの株も かなり 瑠璃に譲った。相談役も瑠璃興業の役員にもして瑠璃興業がオーナーのコンビニを統括してもらうようにした。シックステンの株式は、孫のために少しは残した程度だった。聖子はワンマンのようで今の経営陣の話はよく聞いた。下の意見を聞かない奴は やがて 安いよスーパーそのものを壊すと聖子は怒ったのだ。聖子は孫は可愛いが 自分が作った 安いよは もっと可愛い。アイツのために安いよ を壊すリスクは犯せないと 洋太郎にも清太郎にも 言った。


清太郎も調べてみると聖子の話は良く判った。洋太郎も紡績に残した奴は大丈夫だろうかと清太郎に言っていた。洋太郎は 安いよは聖子が作ったから これが出来る。紡績は我々が受け継いだ。継承させていくのが我々の務め、残した奴を見極めるのが お前、清太郎の務めだよ。アイツがそれが出来ないと紡績そのものを変えていくしかない、紡績そのものを資産管理会社のようにするか、今のままでいくか、子会社との関係をどうするか、それをお前が判断しないといけなくなる。と念を押していた。清太郎は自信が無かった。その教育も兼ねて 息子に こうした事で人を派遣する時の調整をさせた。アホではないし、ナニか悟るだろうと期待していた。息子もそうした人たちと地域の実情を知るにつれて変わってきた。


そして 息子が変わり、紡績本体も紡績グループとしても 変わっていったのが大きかった。社会に対して企業としてどのように貢献できるかを考えだした。