のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1878

2021-06-07 00:43:20 | 新しい子猫たち 
紡績社内 の愛の会社 伝説は 根強く、戦後成金の代表と言われた 流石の洋之助 も 外部に会社を作らざるを得ない。常軌を逸している 従業員福祉を前提として 成り立つ仕事は少ないのだ。 営業ですら 治部洋服と云う 営業専門の会社を作ったし、この時にかなりの子会社を作った。今や上場企業となっている治部レーヨン、治部化成もこの時出来ている。


化学は もっと前の純子時代だったが、こうした会社の研究も紡績中央研究所が代行した。化学でさえ、根幹の特許は紡績中央研究所が開発していた。子会社には 研究と云う 金の要る事を免除していたのだ。


ただ愛の会社 と云うのは大変な 金も要るが、紡績の社員 は 会社からの愛を 社会に そして顧客に返す と云う 愛の精神が紡績には脈々と生きていた


こうして 本来ゼニ儲けの手段の会社の経営に愛の精神を入れると云う矛盾をはらんだ 紡績の精神を 代表するのが 洋次郎の精神。そして 今では洋次郎に生き写しと言われる 洋太郎の風貌なのであった。洋太郎の存在 そのものが 紡績の一つの精神的支柱と云っても良かった。洋太郎もそれを意識さぜるを得ない。