新しい子猫たち No.１８８５

紡績グループにとって　洋太郎は紡績の精神を具現している存在。もはや私物化とか言っている段階ではない。会社と洋太郎は　ほぼ　同一化している。洋太郎がもし死んだら、紡績グループ　は　重大な岐路になるとすら言われている


会社の重大な会合に幹部が出席して、怒られる事があるのが紡績。部下とか部下の家族が病気の時には、会社の会合より、見舞いに行くぺき　と言われるのが紡績。仕事は代行　つまり次席が出るようにしないといけない。


洋太郎は　本当は　頭はキレキレの人だったが　洋次郎の愛の精神を体現しているとみんなに見られていると自覚しており、そのように振舞ってきた。そして紡績そのものは会社としてばっとしないが　資産は　イヤになる程ある。運用本部と中央研究所は　儲けの筆頭であって、それ以外の営業利益は社員のために全て使っていると言ってもいい会社なのだ。


紡績本体の従業員は　今は貴族とも揶揄されている。長年の従業員福祉のお陰でほとんどの社員は持ち家があって、しかも運用本部と中央研究所以外の社員は、だいたい社員の師弟。会社の中はいわば親戚ばっか。企業年金がしっかりとしていて、長年勤めていると退職しても、十分食っていける。紡績本体では退職とはいわず　隠居とすら揶揄されている。勤務とはいわず　御奉公と言う人すらいる。


これでは仕事にはナランと云って　子会社を作るが、やがて　子会社も紡績本体の従業員福祉に追いつこうとして、そして　更に子会社を作っていく形になり、その子会社も業績が安定化していくにつれて、やっぱり　似たようになる。


ただ会長室はキレキレの人たちが集まっている。今までは将棋の棋戦のスポンサーになる事は 洋太郎が将棋が好きだから　でみんな納得していたが　そうした人たちは当然ながらスポンサー効果もある　とこの事で判った