ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

バンドやろうぜ!その27

2015-02-07 15:55:37 | 日記
阪神大震災とオウム事件があって
『難解な音楽は聴きたくないな』って思ったと甲斐さん

アルバム『GUTS』では『王道のアメリカン・ロック』をキーワードに
シンプルでストレートで明快な音楽をやろうとなさったそうだ

21周年をきっかけに甲斐バンド時代からの全ての曲が
『もう一度身体を通って行った』ことで
『甲斐バンド・テイストも出てる』とおっしゃってるんだけど

『メロディアス』という武器を抑えているのでは?との質問には
『きれいでいいメロディだ』って言ってる時って全体を聴いてない訳でしょ(笑)

これくらいストレートにロックンロールやると
ビートがツブ立っててガンガン入って来るから、そう聴こえるんじゃない?
でも、そういうのが一番いい状態だと思うよ

デリケートでビューティフルだけど、ナンか線が細いのは
ちょっと避けようと思ってて
すごく太いグルーヴで押して行く感じにしたかった

ストーンズみたいに誰がリードでサイドギターか判んない状態で
渾然としてるんだけど揺さぶられるグルーヴがある方が
やっぱり純粋にレアな感じがするよね

例えば【風吹く街角】は、ピアノ一本でも歌えるメロディなんだけど
あえてそうしなかったと話されてますが

『ストレート・ライフ』の時には
『生ギターなりピアノなり一本で一人で歌えるような』
時代を越えるメロディに時代のテイストのサウンドを融合されたんですよね

歌詞についてのインタビューでは…
『ガラスの動物園』特に【東京の一夜】みたいに
ものすごく私的なことを書いたら
それがきちんと普遍性を帯びているかを
客観的に見ることが出来ないといけない

血反吐を吐くほどの思いで表現しようとすれば
私的なことを書いても何処かで普遍性に繋がっていくはずだという自分の直感を信じるしかなくて
成功してるかどうかは自分では判らない
周りがよく止めなかったなと…(笑)

ただ、さらけ出すと言っても感情をそのままぶつけるんじゃなく
感情の料理の仕方みたいなものは自覚してたと思うし

詩人の書く詩とロックの歌詞とは違うから
あくまでメロディやリズムに乗っかることで
ものすごく響いてくるものなんだよね

ともあれ、時代を越えるメロディに
普遍性を帯びたり、今を切り取ったりした歌詞を乗せて
今のサウンドでアレンジするという作業をこなされてる訳ですが

『最終的にミックスやって聴く時には歌に集中するべきだよね』と甲斐さん

だって、残念ながら聴き手はそうなんだもの(笑)
こっちがいくら考えてバックに色んな配置をしても
一番突出してるのは、やっぱり歌なんだよね

『だったら、インストやれば』って言われてしまうんだよ
『くそーっ!』って思うけどさ(笑)
『ラブ・マイナス・ボイス』は『くそーっ!』とリリースされたんでしょうか?(笑)

さらに別のインタビューでは…
甲斐バンドを12年やって、一旦そこから降りたんだけど
やはり、降りさせない観客がいる

ああ、なるほどな、判らないんだなっていう怒りと諦めと
やっぱりなって確信が三つ巴で渦巻いてたけど動揺はなかったね

でも、そこでキチッと道をつける作業をやらないと
なかなか正しい三十代、四十代を迎えられないんじゃないかって感じがしたんですよ

僕たちがやってる『音楽』というのは
聴き手あってのエンターテイメントだと判ってるけど
商売人じゃなくて表現者な訳だから
道をつけていくという作業があるんです
ところが聴き手はどうしても商売人を求めちゃう(笑)

ライブ当日にね、それまで全く使ってなかったタイプのギターを
その日のために下ろしたんですよ
そういうところに込められたプロのスピリッツというかさあ…
ちょっと洒落っぽい感覚なんだけど誰も気にしちゃいないのね(笑)

初めてのソロの時には『昔の曲』に対して
肩肘張っておられる感じにも思えましたけど(失礼!)
甲斐さんにとって、そういうファンの思いに答えることは
簡単だけど出来なかったんですね

自分の正体を知るために音楽をやってるとおっしゃる甲斐さん
つまりは甲斐の可能性を突き詰めるという作業をやってるんだと…

俺はやってないことが結構あるんですよね
作家としての一面があれば
歌うこと以外にも声を武器にしての一面もあるじゃない

後は、ほとんど今まで出てないビジュアルとか(笑)
そういうことの総合が甲斐の突き詰めたキャラクターかなって…

例えば、人と組んで人の曲を歌うってことないですね
(これは後にTKさんと実現されますし、映像も…)

瀬尾さんにプロデュースをお願いした時に快感を覚え始めたんだけど(笑)
甲斐を解体して揺さぶりたいと思って
そういう風に持って行ったのは自己戦略なんですよ

表現者って波があって、その波を肯定的に取るか否定的に取るかがすごく大切なことで
俺は肯定的に取って『いいね』と感じた自分を信じてる

曲作りももうあまり周りの意見は聞かないで(笑)
ほとんど自分の時代感覚を信じ切っちゃおうって感じになったかな

それはどうやら周りの皆さんが
『甲斐さんの武器は声だ』とおっしゃるかららしく
総合的にはそうだけど…と甲斐さん

俺が歌えば何でもいいという乱暴な意見(爆)から
甲斐の痛みがちゃんと存在するオリジナルじゃないと…ってものまで色々あって

前者は当たってるけど考えていないし(苦笑)
オリジナル至上というのも柔軟性に欠けるから
結局、自分の生き方は自分で出さないとダメだなと思われたそうだ

奥さんは考えなしの乱暴者ってことですね(爆)
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