ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

もういちど流行歌4

2016-10-20 10:46:00 | 日記
甲斐さんは「物語の見える曲を書こう」と決められ
場面によって、カメラを切り替えるように詞をお書きになるそうで

確かに、風景が目に浮かんだり
映画や小説みたいにストーリー性の高い曲が多いんですが

【東京の一夜】の歌詞のアイデアというか、ヒントになったのは
松本隆さんが書かれた【木綿のハンカチーフ】じゃないかと…?(笑)

都会に出て変わっていく「彼」と田舎に残った「彼女」が
手紙なり電話なりを通してやり取りする
「一人デュエット(笑)」のスタイルは
松本さんの方が、10ヶ月ほど早く手がけておられます

残念ながら「遠距離恋愛」は成就せず
二人が別れてしまうのは同じでも
甲斐さんは、ご自身の経験を曲になさることで
「本当の意味でのプロになったと思った」とおっしゃったのに対し

太田裕美さんは、ご自身の最大のヒット曲に
長い間「釈然としないもの」を感じておられたんだとか…

この曲は、3枚目のアルバムに収録された曲で
すでに2曲が先行シングルとして発売されていたにも関わらず
急遽、シングルカットが決定

「収録では皆さん、これは凄い曲だって盛り上がってました
仕事先で会う方もみんな褒めて下さって…
でも、負けないくらい良い曲が他にもあるのに…という思いが消せなかった」と太田さん

周囲の思惑通り、86万枚を超える大ヒットとなり
紅白歌合戦初出場を果たされた後も
【赤いハイヒール】や【九月の雨】など次々とヒット曲を出されたけど

「【木綿の…】の評価は不動で
表現者として、次はもっと良い曲を出したいと思っているのに
過去の曲が最高だと言われ続けると
どこか否定されたような気持ちになってしまって…」と話されてます

15年前に、子育てが一段落して久々にツアーを再開なさった時に
大勢のファンの方が、この曲を心待ちにしていらしたことを実感され

「これだけ愛され続ける曲なら、責任を持って歌い続けなきゃと
ようやくそんな気持ちになりました」とおっしゃってるんですが

数々のヒット曲を歌われた薬師丸ひろ子さんも
「自分が歌った曲ですけど、もう私の手は離れて
聴いて下さってる人のものになっていると思うんです

だから、出来るだけキーやアレンジを変えずに
当時のことを思い出して頂けるように歌いたいと思ってます」と話されてます

「流行歌」には、聴いた者をその時代へと一気に引き戻すパワーがあるし
それが何らかの思い出と直結している歌なら
尚更、そのパワーは強力でしょうね

ただ「その思い出を壊されたくない」方にとっては
薬師丸さんのような歌い手の方が望ましいかも知れませんが

甲斐さんのライブで鍛えられた(笑)奥さんみたいな人は
「それはレコードを聴けばいいよ」ということらしい(笑)

例えば、研ナオコさんは、中島みゆきさんから提供された【あばよ】を
「今もコンサートで必ず歌う
でも、キーも歌い方も無理して昔のようにはしない

年相応にゆったりと…ただ世界観は変えない
なんせ私の中で宝物の歌ですから」とおっしゃっていて

やはり、生で、観客の前で歌い続けておられると
いつまでも同じではいられないんじゃないかと…?

この曲は、研さんが中島みゆきさんのデビュー曲
【アザミ嬢のララバイ】をお聴きになって衝撃を受けられ
すぐに楽曲提供を依頼なさって出来た曲だそうで
ご本人にお会いになったのは、ホンの数回だけ

「みゆきちゃんからは曲だけ届く
彼女の歌声を聴いて、何を表現したいのか察して
世界観を崩さずに自分の声で表現できるか?と考える
そのプレッシャーは凄かった」と研さん

でも、みゆきさんは「あなたが歌って下さるのを聴くと
元々、あなたがシンガー・ソングライターで生まれた作品のように聴こえて来る
私の役目は、あなたの筆記用具だったのかも知れない」と話されてます

甲斐さんが研さんに提供なさった【別離の黄昏】については
どう受け取られたのか判りませんけど
甲斐さんご自身は「今は自分では歌えない」と
研さんに託されたんですよね?

「いつか自分の言葉として歌えるようになったら…」とおっしゃった通り
後にセルフカバーなさってますが

「人に曲を書くのは、えらくセツナ的なこと
身を切るようなところを断ち切って書かなきゃならない」ということとは別に
切ない思いがおありだったようです
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