甲斐さんの「グリーンブック」愛は続き…(笑)
インタビュアーの方が「実は、その1960年代の事実を見せながら
今の問題を考えさせようとしてる…」とおっしゃっているのへ完全にカブセられ(笑)
「その通り!全くそうだと思いますね」と甲斐さん(笑)
「あの…結局、映画が大ヒットする要素っていうのは
どれだけ時代と寝ないで、どれだけ時代と向き合ってるか?っていうことだと思うのね
それがやっぱり大ヒットの要素だと思うんですよ
完全にこの映画は意識してますよね、あの…時代と寝ないように…
時代と寝るっていうのはさ、つまり『往年の』っていうことになる訳じゃない?
つまり、あのー…やっぱりどっかに…そこに爪を立てるっていう意識があるから…
とにかく、あのファレリー兄弟の兄貴の方が
あれだけおバカ映画作って、あれだけコメディを作ってる監督が、これを撮ってる
しかもプロデューサーはね、ずっともう物心ついた時から
自分のお父さん…用心棒の…それからピアニスト…(の関係を見ている)
で、実在のピアニストの住んでる部屋は、あれよりもっと複雑だったらしいんですよ
でも、さすがにそれは再現できないんで…
それでも相当な再現してるらしいんだけど
イヤ、ホントもっと複雑で、もっと変わってる人だったっていう風に、やっぱり言ってるから
その再現を試みながら、でもナンかちゃんと今の時代に対してのこう…切り口なり
さっきも言ったけど、あの…生半可な形で
ヒューマンコメディを撮ろうということは、全く考えてないですよね」と話されてました
記事の方では「ここから先はネタバレを含みますのでご注意下さい」との一文に続き
「甲斐さんのお気に入りのシーンとかありますか?」という質問
「留置場から出たトニーとドンが、車の中で喧嘩するシーンがあるじゃない?
トニーが、裕福な生活を送るドンに『俺はアンタより黒人だ!アンタは黒人を知らない
(中略)俺は裏町、アンタはお城、俺の世界の方が黒い!』
と言ったのに怒ったドンが、車から飛び出して
『私はひとりで城住まいだ!金持ちは、教養人と思われたくて私の演奏を聞く
その場以外の私はただのニガー…それが白人社会だ
その蔑視を私はひとりで耐える、はぐれ黒人だから…
黒人でも白人でもなく、男でもない私は何なんだ?』と叫ぶシーン
ドンの悲痛な思いが伝わって来ました」とお答えになっているんですが
動画の方では…「トニー・リップが『イヤ、俺の方が黒人知ってる』って言って
最後のシーンの所で、車の中で喧嘩になるんですよ
で、ドンがバーンと飛び出して行って…で、急に振り向いてね
『お前に何が判る?』っていう話、あるじゃないですか
で…『金持ちの教養人は、教養人と見られたくて私のライブを観る
それ以外は、私はただのニガー、それが白人社会なんだ』っていうシーンがあるでしょ
あれね、あそこホントにヤバイと思う
あれが、一番言いたかったことと思うんですよ
そいで『その軽蔑の眼差しの中で生きてる、はぐれ黒人が私なんだ』」…とおっしゃっていて
やはり記事の方が若干?親切だなあと…(笑)
更に、記事の方では…「ドンは『はぐれ黒人』ってだけじゃなく、実はゲイでもある
そこからの『黒人でも白人でもなく、男でもない私は何なんだ?』っていうあの言葉は
今の世界に生きている僕らにも、一番リアルに伝わる心境ですよね
近年、LGBTについて盛んに取り上げられているけど
大多数の側の人間だけを見ようとしても、この世界は何も面白味がないじゃないですか」
…と続いたトコで、動画の方の「真っ当な所で、真っ当な人たちだけ生きてたら
この世界には何も面白味がないじゃないですか」に繋がり
「色んな人たちを理解しながら、色んな人たちを自分の中に迎え入れて
共に生きて行く、共存して生きて行くっていうのが
やっぱり、今のこの複雑な世界で一番素晴らしいことだと思うんで
そういうのを全て出してる」と絶賛なさってます
動画の方では「ネタバレ注意」がないまま(笑)
「しかも、編集、テンポあるしねぇ!素晴らしいですよね!飽きないもんね
どんどんディープサウスに入って行く感じがよく伝わりますよね?怖いもんね
しかも、途中で…あの、ま、ま、それは終わりの方だけど
あのトリオの中のチェロ弾いてる彼が…
『イヤ、1956年にバーミンガムで、ナット・キング・コールが公演やったら
その時に袋叩きに…白人から袋叩きにあった』…(と言った)とか
そういう情報とかも、どんどん入って来るじゃないですか
やっぱり、ホントにこう…最南部っていうか
ホントに最南部にどんどん、どんどん入ってくのを
ホントに超リアリティ、臨場感がある編集になってますよね」
…と語っておられる内に、どんどん思い出されたのか?(笑)
「ま、ドン・シャーリーっていう…ま、その時の…
時代の一番スタイリッシュな天才ピアニストと言われてる彼と
ま、陽気なイタリア人…コパカバーナの用心棒やってた
トニー・リップというのが、2人旅するんですけど
まあ、夜間外出は、その当時…60年代前半は、黒人はほとんどの州でもう禁止だった
でも、道に迷って、夜歩いてて…まあ走ってて…で、警官から止められて、豪雨の中で…
で、挑発されて、トニーがぶん殴るんですよ
で、2人、牢屋に連れて行かれるんだけど
その時に、ドン・シャーリーが…ピアニストが
『暴力は敗北なんだ!品性を保ってこそ勝利がもたらされるのだ』…って言った瞬間に
俺、ダメだなって…素晴らしいと思ったんですけど…
更にもっと名シーンが、その後に来るんですけど…
しかも、その牢屋から解放したのが、当時の司法長官だったロバート・ケネディだという…
あそこはもう本当に名シーンですね、素晴らしいシーンだと思います」
…と話されたシーンは、ボクもすごく印象に残っていて
トニーが警官を殴って、2人とも留置場行きになり、カッカしてるのと対照的に
シャーリーは、至って冷静に、弁護士に電話をかける権利があることを主張し
ケネディ司法長官の口添えのおかげで、しぶしぶ釈放を認められたものの
「司法長官と知り合いなのか!?」と小躍りせんばかりに喜ぶトニーに
シャーリーが「こうしたことで頼み事をするのは恥だ
偏見や差別に暴力では勝てない、私は笑顔と尊厳で闘うんだ」
シャーリーは、至って冷静に、弁護士に電話をかける権利があることを主張し
ケネディ司法長官の口添えのおかげで、しぶしぶ釈放を認められたものの
「司法長官と知り合いなのか!?」と小躍りせんばかりに喜ぶトニーに
シャーリーが「こうしたことで頼み事をするのは恥だ
偏見や差別に暴力では勝てない、私は笑顔と尊厳で闘うんだ」
…と告げた時のマハーシャラ・アリの表情は今でも目に浮かびます
ちなみに…南部ツアーが終了し、頑張って走れば、クリスマスイブに家へ帰れると
トニーが、悪天候にも負けじと車を走らせていた時にも、パトカーに止められるシーンがあり
トニーが、悪天候にも負けじと車を走らせていた時にも、パトカーに止められるシーンがあり
「オイオイ、またかよ!?」と思ったら
お巡りさんは「タイヤがパンクしているんじゃないか?」と注意し
トニーがタイヤ交換するのを待って
「メリークリスマス」と見送ってくれるという粋な伏線回収でした
ともあれ…「まあ、陽気で、家族と一族を愛するイタリア人と、はぐれ黒人であるドンが
どんどん心を通わせて行って、最後はクリスマスイブの家族のパーティにドンがやって来る
もう、あそこもホント名シーンなんだけど…」と甲斐さん
「壁を作るのは簡単なんだけど、分かち合って行くことの素晴らしさっていうことをね
若い人にも是非観て欲しいなと思います
WOWOWで、僕がおすすめする『グリーンブック』放送します
気になる方は是非ご覧下さい」…で動画終了と思いきや(笑)
「フィルムガレージメモ」…「甲斐よしひろの愛する名作映画たち」とのタイトルの下
「真夏の夜のジャズ」「レザボア・ドッグス」「殺人の追憶」「ゾディアック」という
この動画の中で甲斐さんが挙げられた映画がクレジットされる隣で
「アカデミー賞授賞式で心打たれたシーンを語る甲斐さん」の映像が続き…
「ホアキン・フェニックスが、ね?まあ、主演男優獲って
ま、長いスピーチをやったじゃないですか
たぶん、それはまあ、絶対、受賞したらスピーチはそういうスピーチになるだろうな
…っていうことを心配してる、隣にいるガールフレンドのルーニー・マーラが
僕はホントに可哀想でもう…ちょっとこう…(ホアキンの)肩、触れるんだよね
でも、ホアキン・フェニックス、立って…
フツーはさ、ルーニー・マーラじゃないですか
『お前、ナンだと思ってんだよ!?ムチャムチャ上手いヤツじゃん!』みたいな…
『キャロル』とかね、『ドラゴンタトゥーの女』とか、みんな彼女ですけど…
握手して行くのかと思いきや、さぁーっと…
まあ、ホントにホアキン・フェニックスの、あの不器用な…ホント不器用だな、こいつは…って
あの不器用さがちょっとね、僕は逆に切なく感じて…」
…と、ご自身のラジオ番組でも、さんざんツッコまれていた話をなさってました(笑)
その映像が流れる間に「フィルムガレージメモ」が変わり
「『グリーンブック』甲斐よしひろの見どころ…脚本、演出すべてが完璧!」
「この映画の良かったシーン…主人公2人が刑務所に収監された時の
2人のセリフのやりとりに心打たれた」…という「まとめ」がクレジットされてました