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ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

動物大好き

2013-06-18 21:32:22 | テレビ番組

「ペット大行進どーぶつくん!」という番組を見る。時々ちら見していたTV番組だけれど、ここに出てくる「けんたくん」というゴールデンレトリバーが、そりゃ可愛いの。まだ八カ月の幼犬だから、表情も体つきもあどけなくて、体が大きい分、そのアンバランスさが何とも言えない魅力。

この番組では、けんたくんと連れ(と言わせていただく)の青年が東海道を旅するさまをレポートするのだが、けんたくんはまだまだ小さいので、歩き疲れるのもしばしば。だから、バギー(要するに、今風の乳母車)に乗せられることもあるのだ。このバギーに乗るけんたくんの表情がとっても可愛い! 男の子なのに、甘い上品なマスクで、我が家にいた前のノエルの若い頃を思い出させてしまう(今のノエルは、どちらかといえば、野性的な童顔なので)。

「うーん、四足の毛が生えた動物って、どうしてこんなに可愛いんだろう?」といつもため息をついてしまうのだが、今日はそれにライオンの兄妹が出ていたからため息の大きさも倍にはなっていたはず。カノ、アクトと名付けられた兄妹は、若い飼育員の女の子に育てられるのだが、当然ながら別れがやってくる。

今は、一歳になった二頭のライオンは動物園で暮らしているのだが、そこへサファリ用のバスに乗って、飼育員の女性がやってくる。「カノ、アクト」と呼びかける声に反応して、バスに近づいてくる二頭。その姿を見て、思わず胸がキュンとなってしまった。ライオンが人を覚えていてくれること・・・動物の心情に勝る美しいものが、この世にあるとは思えない(その一方で、大人になってしまったライオンにはうかつに近づけず、バスの窓越しに再会するしかないというのも、悲しい事実)。

子供の頃から、ずっと動物が大好きだった。その姿を見ると、つい目や口元がほころんでしまうのが、自分でもわかる。


「パリの恋人」とオードリー

2013-06-18 15:53:32 | 映画のレビュー

オードリー・ヘプバーン主演で「パリの恋人」を観る(これも、Yさんのおかげで、観ることができました。感謝です)。初め、画面に出てきたオードリーを見て、「若い!」と心の中で叫んでしまった私。この物語は、ニューヨークの書店で働く、お洒落とは無縁の知的な娘ジョー(これが、オードリー)が、ファッション誌のモデルとして見出され、パリへ行くという一種のシンデレラストーリー。

でも、ジョーはモデルとしての仕事より、当時パリを席巻している思想、共感主義なるものにかぶれていて、その思想を唱えるフロストル教授に会うのが目的。この共感主義なるもの、実存主義のもじりを思わせておかしい。(もっとも、今になっても、私には、実存主義なるものがよくわからないのだが、この共感主義というのは、相手の気持ちをくみ取るだけという、『人類みな兄弟』的なシンプルな考えみたい)フロストル教授というのも、フロイトとサルトルの合成語を思わせるし。

ストーリー自体は簡単で、ジョーを見出したカメラマン(これをダンスの大御所、フレッド・アステアが演じている)との恋愛が主軸で、60年代当時のオートクチュールファッションを着こなしたオードリーの衣装を華やかに見せ、パリの若者文化を少しおちょくって見せるという感じ。でも、この映画を見て、つくづく実感したんだけどオードリーってドレッシーな盛装があまり似合わないなあということ。パリでデザイナーのあつらえたドレスや宝石を身に付けた姿より、書店員をしていた時の、地味なモノトーンの服と無造作な髪型のオードリーの方がずっとチャーミング! 20世紀を代表するファッショナブルな女性と言われたオードリーだけれど、意外や意外、シンプルな飾り気のない普段着が一番似合うのだ。

「ローマの休日」でも、白シャツとシンプルなスカート、ネッカチーフという格好でローマの街を歩き回っていた方が、王女としての正装よりずっとキュートだったし・・・。そして、この映画で面白かったのは、当時のファッションや時代感覚。ニューヨークのファッション雑誌社のオフィスのドアが赤や青、黄などに塗り分けられていたり、パリの街が今みたいな無機質な感じじゃなく、ちょっと汚れていてクラシックな雰囲気が漂っているところとか・・・。

古い映画を観る面白さは、こういうところにもあるんだんなあ。