ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

カイの木とのお別れ

2017-11-25 21:19:45 | ガーデニング
   


 

 ノエルハーブガーデンで、ひときわ美しい木であるカイ。毎年秋ともなると、美しい紅葉が夕陽に映えて、そばのベンチに座って飽かず眺めていたいくらいだったもの。

上の写真は、ノエル葡萄小屋の裏手から撮ったものと、その天井のガラスの上に被さる様子を撮ったもの。どちらも、オレンジや黄に燃える葉が、溜息をつきたくなるほど、見事。

  
  温室内のガラス越しからは、こんな風に。初冬の今も残った葡萄の房が、ご愛敬であります。


        
今年は、とりわけ身にしみるような繊細な美しさがあるのですが、その分胸が痛みます。

 というのは、このカイの木をもうすぐ切り倒さなければいいけなくなったから。というのは、年と共に木は大きくなり、晩秋ともなると、無数といっていいほど多くの葉が、庭園や路上に降りしきるのです。  なかなか掃除しきれないし、両親も高齢になり、ガーデンを将来も維持できそうにない…ことから、すっぱりとした決断が必要でした。


 
 この紅葉とも、木の葉の間を透かして見える木漏れ日とも、今年限りでお別れなのか――とても淋しい。
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金泥練り

2017-11-25 20:50:58 | カリグラフィー+写本装飾
芦屋の「スタジオレターアーツ」へ。

今日は、以前もやった金泥練りをすることに。
といっても、もう3年以上前くらいになり、記憶もあやふやとなっていた。

だから、ちゃんと記録しておこう! というわけでここにメモ。

 まず、ガムアラビックの粉をお皿に入れる。
     
 それに水を少量入れ、滑らかになるまでよく練る。

         


 金泥を入れ、練りはじめる。   


 これを何と1時間! 片手の人さし指だけで練っていたら、指がつりそうになる。 突き指とかしてしまいそうでごわす。
 
 先生に「もっと、水を入れたらずい分練りやすくなるのに」と言うと、「それだと、『練る』のじゃなく、混ぜるだけになってしまうから」だって。

 水をスポイトに1~2滴ほどだけ、垂らしてもらいそれを練る……水分がなくなって固くなり、指が動かなくなるので、また水を足してもらう。
 この繰り返しが、エンドレスか…と思ったところで、ようやく終了の合図。


     


  指についた金を流すようにして、皿のまわりにこびりついた金を水に溶かして、八分目まで水を入れる。

  上の写真が、それ。でも、このまま一晩置いて、上澄みの水を捨て、完全に乾かすことが必要なのだとか。これで、ようやく輝く黄金――金泥――が生まれるのだ


 来年は作品展。夏には、ギルド展もあるから、作品のアイデアを出しておかなきゃ
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ある日の日記

2017-11-11 21:16:45 | ある日の日記
  
ガーデンにいるノエル。
             
これは、黒いフェンスの外から見たノエルの姿。
 写真では、大人し気に見えるけど、相変わらず元気でテンションが高く、今日も獣医さんに、伝染病のワクチン注射を受けに連れていった時も大変でした。
他の犬や猫たちは、病気だったりして大人しく、ぐったりしているのに、一人はしゃいで、キーキー言いまくっていました。やがて、自分でも疲れたらしく、帰りの車の中ではぼんやりしてましたけど。

 それから、母がランチを食べたいところがあるというので、吉備津彦神社のそばにある「はこきび」に。
古民家カフェというのですが、アメリカンアンティークがあったり、地元の歴史を書いた本や雑誌があったり、猫の置物があちこちあったり……とりとめのない感じかな?
ユニークな感じです。
 でも、出されたお料理は、一つ一つ手作りで、心がこもり美味しい! これも手作りのケーキは、シナモンとリンゴをきかせたものや、小さなパンケーキなどがあり、どちらもとても美味しく、コーヒーもGood。
 また、行ってみたいな
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本は愉快だ

2017-11-11 20:34:25 | 本のレビュー
数日前、おっきな箱が二つもの宅急便が届きました。送って下さった方は、東京のMさん。
中を開けてみたら、うわ~すごい、やっぱり本がいっぱい!
  これが、その箱を開けてみたところであります。
右側の箱の一番上にある本など、真っ黒な表紙に「死んだ教区」のタイトル……いかにも、怪奇っぽくて、私の好みだわ。

 そして、貴重な初版本が、何冊も入っていて、その中にはあの三島由紀夫の「暁の寺」まで!

 高校の時、学校の図書室で借りて読みふけったことを、昨日のように覚えているのですが、奥付を見ると、昭和45年刊。三島が死んでしまった年だなあ――彼の生前出た、最後の本かもしれませぬ。
昔の本のハードカバーならではの化粧箱入りで、薄い半透明の紙に覆われているなど、格調高いしつらえ。本当にうれしいです。
これは、ぜひ宝物にさせていただきませう。


 
こういうのも、好み 1960年代に、欧米で評判になった本の翻訳らしいのですが、扱われている題材が、何と考古学。
もちろん、古代エジプトも含まれております。シャンポリオンのヒエログリフ解読のドラマが描かれているなど、考古学の歴史に残る人物だちのドラマを描いた
読み応え十分の面白い本(すでに、エジプトの章は、かなり読み進めています)。
トロイの発掘におけるシュリーマンの物語や、南米のマヤ文明の遺跡調査のことなど、興味深いテーマがいろいろあって、これから読むのがとても楽しみであります。

    
 動物行動学者の日高敏隆さんは、名前はよく知っているのですが、その本を読んだことは今までありませんでした。
Mさんの本箱には、日高さんの本が幾冊も入っていたのですが、その内の一冊であるこれ、表紙の花の匂いをかいでいる犬のイラストが、とっても可愛いと思いませんか?


 そして、Mさんは、最後にすごいものを用意してくださっていました。それが、これ。

      
題して、「モンタルバーノ最初の事件捜査」アンドレア・カミッレーリ 原作 というもの。
 始め見た時、「う~ん、聞いたことない作者にタイトルだけど、これはまさしく推理小説だわ」とにらんだ、私の直観(というほど、大したものではない)通り、
これはイタリアの有名な作家(といっても、もう90歳を越えている方らしいです)の書いたこれまた人気のシリーズなのだとか。

イタリアの推理小説なんて、はじめて聞きました。
実は、これが凄いとしか言いようがないのですが、実はこの本邦未公開のミステリ小説を訳したのが、Mさんのお友達。
定年後始められたイタリア語の勉強から、ミステリをご自分で翻訳し、これまた手作りで本にまでされたそう。
始めの紹介を見るなり、「これは、面白そう」と早速読みはじめたのですが、本当に面白い!
ページを繰る手がとまらず、一日かかって一気に全部読んでしまいました。

物語の雰囲気、文体――すべてが、私の好みのどつぼにはまってしまっていて、「これよ、これ。最近、有名作家の本でも、半分は面白くないなあ~と思っていたけど、本当はこういうのが読みたいと思っていたの」
と至福の読書タイム。
それにしても、イタリア語と取り組みながら、自分で小説を訳されるなんて、素晴らしい!
お手製の本らしく、書店に出回っている「商品」としての本にはない温かみが感じられ、表紙もとても上品です。
翻訳文も、ウィットが利いていて、洒落ています。きっと、普段から外国の本などを読みなれている方なのだろうなあ、とひとしきり想像する私。

本当にありがとうございました。この「モンタルバーノ……」の本はノエルの本棚に、大切に飾らせていただきますです。
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鎌倉の旅 もう一度

2017-11-08 20:00:20 | 旅のこと
 先月末、東京で「季節風大会」という児童文学の合評会に参加。
一日目のみの参加だったのですが、その帰途、鎌倉へ。

三年ぶりの来訪であります。
鎌倉駅横の「ホテルニューカマクラ」へ宿泊。ここも、以前来たところ。素泊まりなのですが、スタッフの方々はとても感じよく、応対もきめ細か。

部屋もレトロというかなんというか、とてもユニーク。建物そのものは古いのに、シーツや枕、タオルといったものは、パリッと清潔で思わず、手を触れたくなるくらいです。

スタッフの方々の笑顔、趣のあるユニークな建物――当然(?)ながら、泊まっている人たちも若い人ばかりで、私など例外かな。

   


大好きな江ノ電に乗り、海と湘南の風景を楽しみました。
「鎌倉高校前」あたりにさしかかると、車窓から一面に、日の光がきらめく海が見渡せます。これで写真が撮れればいいのだけど、何せ電車は運行中。
おまけに、窓という額縁があり、撮れるスペースは限られている。そんなわけで、
こういう感じにしか撮れませんでした。 でも、この江ノ電、観光客にも人気なのですが、しっかりと地元の人たちの足でもあるのですね。
この沿線には、幾つもの高校があるらしく、二、三種類の制服姿の子が乗っている。寒かったせいか、首にはマフラーをしっかと巻いている子もいたのですが
足元は、素足――若いなあ。

ああ、私も高校生で、この江ノ電に乗って通学できたら、いいなあとつい思ってしまいます。もう一度、青春したい!

そして、鎌倉の海には、綺麗な波が打ち寄せ、もう10月も終わりだというのに、サーファーたちの姿がちらほら。いかにも、湘南の風景。
江ノ電が通る線路の上には、丘のような山が迫り、その斜面には海を見晴るかすのように、別荘風の家がいくつもあります。

こうした家に住む人たちは、毎日、眼下に海を眺めて生活できるのだなあ……これも、とってもうらやましい。
海を見ながら、古都の風情を楽しめるなんて、とても贅沢な生活ですね。

 
おまけ*イワタコーヒーでのひととき。ここの珈琲も香り高くて、とても美味しかった!
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