ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

科学、新時代

2014-01-31 10:04:06 | アート・文化

昨日から、世界をかけめぐるビッグニュースとして、STSP細胞発見が騒がれています。理系オンチの私にはよくわからないのですが、こうした万能細胞が作れるようになったら、再生医療に役立つだけでなく、人間の寿命も大幅に伸ばすことができるのでは?   細胞を若返らせながら、数百年の時を生きるといったことが、不可能でない時代がやってくるかもしれません。

そして、特筆すべきは、このSTAP細胞を作った女性研究者のチャーミングさ! 小保方晴子さんの姿を見て「素敵だなあ」とため息をつかれた方も多いのでは? 30歳という若さもさることながら、そのファッションセンスも見逃せない! バルーンスカートに、指には、ゴシック風リングが光り、女性らしい魅力的な容貌。 う~ん、うらやましいなあ。

その昔、ワルシャワの凍える部屋で、食事もしないで、倒れたマダム・キュリー夫人の若き日・・・女性科学者の鑑といえるかもしれませんが、21世紀の「理系女」(リケジョ)からは、隔世の感ありき。

ただ、山中伸弥さんのiPS細胞もそうですが、実地に使われ、人々が日常的に恩恵を受けることができるのは、まだまだ先の話。 万能細胞こそ、21世紀の科学を担うものかもしれません。

コメント

月光の東

2014-01-30 20:31:06 | 本のレビュー

   005

宮本輝「月光の東」(新潮文庫)。この本は、もう十数年前、読んだ時すごく面白かった記憶があって、もう一度読みたいと文庫で買ったもの。

再読した結果はどうかというと、初めて読んだ時の方が面白かった・・・。「塔屋米花」という魅力的な女性をめぐって、ミステリーを思わせる展開なのだけれど、こういう美貌を武器に極貧からの脱出をはかるというヒロイン像に、あまり共感は感じられなかったかも。 米花という人間像に、作者がいうほど「凛冽」というようなすがすがしさ・清潔感がないような気がする・・・。

それでも、中央アジアのカラチで自殺した男性(彼は、米花と関係があった)の妻や、その同級生である別の男性が、「「米花はどこにるのか?」と追い求めてゆくストーリーには、惹きつけてゆくものが。 私としては、米花の両親が近親相姦であったと匂わせる展開が興味があったのだけど。 そして、幼い米花が、実の父親と過ごしたという一夜が夢のように幻想的で美しい(でも、これも、彼女特有の空想ごっこなのかもしれない。「月光の東」という言葉が、彼女の夢想世界のキーワードであるように)。

コメント

めざせ!美魔女への道

2014-01-28 21:06:21 | コスメ・ファッション

最近、美容に関することが気になる。今まで使っていたドラッグストア系の基礎化粧品を変えてみたり・・・。今まで、結構ほったらかし(?)にしていたせいか、「老化」(ああ、なんてイヤな響き)が進行してきてるような感じがするの。

齢42歳ともなれば、当たり前かもしれないけど、このままじゃ嫌だなあ。そういうわけで、これからはメンテナンスに気を使うことといたします、はい。最近、40代女性の意識(?)も高まっているようだと、世の中も騒いでいるし。

でも、どんなに悪あがきしたって、肉体の年齢はいつか追いついてくるんだよね。有名なスターを見たって、「おじいさん」「おばあさん」に、いつかはなってしまうんだし。

コメント

飾り文字

2014-01-27 14:55:27 | カリグラフィー+写本装飾

   008

芦屋の教室で習ってきた飾り文字。どちらも、ゴシック期と呼ばれる時代のもの。金箔を貼った(その部分が少し盛り上がっています)後、ガッシュで彩色します。左のものは、彩色するのに、3時間くらいかかったかな? 中世時代のヨーロッパの人たちは、こうした飾り文字を写本に描いて、書物を豪華に見せるよう、工夫してたんですね。

コメント

本池秀夫さんの世界

2014-01-24 16:08:43 | アート・文化

  021


一昨日、ポストに小包が届けられ、その中には素晴らしい作品集と丁寧なお手紙が。米子にお住まいのレザーアーティスト、本池秀夫さんの御家族からのもので、父が送ったらしい手紙に対するご返信だったようなのですが、またあの美しい作品を見ることができた、と何度もほれぼれと見てしまいます。

    014


このお話には前段があって、昨年の秋、中央ヨーロッパへ旅行した時、本池秀夫さんのご夫人(とてもお話の面白いかたで、会話するのが楽しかったです)と息子さんにお会いすることができ、その時、ご主人が有名なアーティストであることを知ったのですが、その作品集をバスの中で見せていただいたことがあったのです。

 何の気なしに、頁を開いたのですが、その作品の圧倒的な凄みや美しさに愕然。うまくは言えないのですが、一流の芸術家とされる方のみの持つオーラが、作品に感じられるのです。ご自分の名前を書かれた(ここにも、洒落たセンスの表れが)MOTO TOYS MUSEUMというおもちゃ屋さんの店をそのまま革で作ったという芸術品(写真なので、はっきりしたサイズなどは、わからないのですが、英国の伝統的なドールハウスみたいな感じでしょうか)・・・の小宇宙とでもいいたい精緻さ!


008


人形や木馬、店のカウンターの他、ショーケースに置かれたテディベアも革で作られているのです。革といったら、昔フィレンツェで買ったペン入れを綺麗だなあ、などと思っていたのですが、ここではそんな凡庸な発想など通用しないですね・・・それにしても、テディベアなどクマの毛のもこもこした感じも寸分たがわず再現されていて、クマの子の独特のほほえみが浮かんでいるのさえ見えます。 そして、お店の壁には、イースター島のモアイ像や京都のお寺、インディアンの姿まで描かれているという洒脱さ!(これが、紹介文にも書かれていた「革絵」というものなのでしょうか?) 

  019


アルルカンの哀愁漂う、滑稽なメーキャップ姿を描いた人形・・・この表情や姿が、「革」でできているなんて、誰も想像できないのでは? 007


この少年とおじいさんの像の見事さもそうです。少年の着ている服は折り目や皺まで丁寧に再現され、本やランドセル、帽子といった小道具まで、宝石のような美しさを持って迫ってきます。少年を優しく見守るおじいさんの、柔らかな表情・・・う~ん、革でこんな繊細な表現ができるなんて・・・感嘆の一言です。

018


そして、この動物たちの像。革の彫像とでも呼びたい、迫真力と美しさです。写真だけで、実際に見たことはないのではっきりとは言えないのですが、大理石やブロンズとちがって、温かな血が流れるような柔らかさがあるのでは? と思うのです。これらの壁にかけられた動物たちの胸像--ここで、私の想像は飛躍して、どこか森の近くの古いシャトーや城館が目に浮かびます。そこは、中に入ると、壮麗なタペストリーや紋章のたてかけられた廊下に、革でできた鹿や象、ライオンたちの像が立てかけられているのです。その城館には、「MOTO CHATEU」とエンブレムが描かれていました。

コメント

照柿

2014-01-20 17:51:31 | 本のレビュー

   001

高村薫作「照柿」(新潮文庫)を読了。 この人の作品は、序盤はなかなか作品の中に入っていきづらいけれど、読み終えた後、高い山頂を制覇した時のような充実感がある。

おなじみ合田刑事が、幼馴染の野田と18年ぶりに再会するところから、物語がスタートするのだが、野田の人物像がすごく巧み。本のページから立ち上がってくるような迫真力である。工場の職長といえば聞こえはよいが、過酷な労働で神経が危うくなりかけている野田。三保子というこれも危うい感じのする女性に、あの合田刑事が「恋」を感じ、不倫の関係にある野田と三保子の三者の間の緊張やら、二つの殺人事件の謎など、ストーリーは複雑に展開してゆく。

物語とは別に、工場の中やそこでの人間関係の描き方が凄い。 女性作家だというのに、男性社会やその心理をこうも鋭く書けるものだろうか? 思わず、讃嘆!してしまう。 工場の中では、24時間稼働しつづける炉が燃えていて、それが不意に不完全燃焼したとき、臙脂が溶けたような赤い色に変わる――それが「照柿色」であり、その色は合田と野田の少年時代の追憶につながってゆく。

照柿色の炎といい、物語全体を支配する夏の日差しといい、「熱気」が陽炎のようにたちのぼってきそう。

コメント

恋のマノン

2014-01-19 17:40:01 | 映画のレビュー

   Photo
スクリーン・ビューティズ特集と銘打って、地元のミニ・シアターにて、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の「恋のマノン」を上映していたので、今日観に行ってきた。

これは、アベ・プレヴォー原作の古典文学「マノン・レスコー」を舞台を現代に移して、大胆に脚色したもの。 「マノン・レスコー」は中学生の時、読んだ覚えがあるけれど、記憶がいまいちあいまい。 最後、どうなるんだっけ・・・。 マノンは死ぬのだったか、舞台はアメリカに移るんだったか?

でも、このカトリーヌ・ドヌーヴのマノンは極めて現代的! 70年代のファッションに身をつつみ、冒頭の日本の空港から、アラスカ、パリ、ストックホルムとめまぐるしくかけまわるのだ。当時は、こんなものがはやっていたんだっけ・・・と楽しく観たけれど、ファッショナブルというには、洗練がたりないような・・・。同じ70年代のハイファッションといったら、ヴィスコンティの「家族の肖像」あたりが、ため息のでる美しさ。

 相手役のフランソワを往年のフランススター、サミー・フレイが演じていて、名画ファンにはうれしいところだけれど、原作では悪女マノンにひきずられる大人しい美青年だったはずなのに、この映画のフランソワ、なかなか気性が荒いね。

映画のできといっては、はっきり言ってB級かも。でも、黄金の髪を波打たせたドヌーヴが画面に現れると、「女神降臨」とでもいいたい神々しさ!

コメント

ギャラリー花葉

2014-01-18 14:59:52 | アート・文化

008


「ギャラリー花葉」さんへおじゃまさせていただきました。岡山大学近くの閑静な場所に位置していて、オーナー夫妻の作品を中心に素敵なものがいっぱい詰められた空間!です。

入り口を入った途端、看板犬にして、ギャラリーの名前の由来でもあるラブラドールの「花」ちゃんが、ウェルカムのあいさつをしてくれます。

  005


これが、花ちゃん。黒い目がすごーく可愛いの。 やっぱりラブラドールって、いいなあ。 しっとりしていて、賢く愛らしい雰囲気があって・・・。 偏見にみちた私的意見かもしれませんが、ラブラドールとかゴールデンというのは、大型犬の魅力と万人受けする愛らしさのある稀有な犬種ではないかしら?

  001


オーナーの千春さんは、ノッティング織といって、羊毛をもとに、高いデザイン性がありながら、どこか郷愁をさそうような椅子のマットや敷物を作られているのですが、これは、その織り機。 今日も作業しておられたのに、製法から作られた作品について、あれこれお聞きしてしまいました。 カード織という、ちょっとチロリアンテープを思わせる文様がデザインされた紐も見せていただきましたが、本当に素敵。 ものを作れるって、素晴らしいなあ・・・。

   017


花ちゃんの魅力が印象的だったせいか、この子に目がとまって購入させていただきました。ご覧の通り、黒ラブであります。体のシルエットも微妙によくできていて、目の表情も訴えるような気配があるのです。 フェルトで作られたもので、作られたのは長野にお住まいの作家さんとか・・・。 他にダルメシアンとかエアデールテリアもありましたが、皆可愛かった!です。

018


棚には、こんな風に飾ろうかな? その前に名前をつけるべき?

コメント (1)

ある日のTVから

2014-01-14 21:00:10 | テレビ番組

数日前、朝食を食べながらTVを見ていたら、しばらく忘れられない特集が放映されていた。

まず、アメリカの若い医師夫妻が出てきて、日本の子供たちを3人養子にもらったという。これから、自分たちの子供も生まれるであろうに、人種の違う子供たちを3人も、とびっくりしてしまうのだが、その最後に養子にもらった女の子は軽い障害があるのだという。

日本国内の乳児院にいたのだが、障害があるため、里親を希望する人はいなかったそう。はるかアメリカへ渡った女の子は、今は障害とされていた病気も顕在化せず、幸福な毎日を過ごしている画像が映し出され、「本当によかった」と微笑みたくなったのだけれど、何ともいえないもやもやが残ったのも事実。 こだわりなく養子縁組を組み、他人の子を自分たちの子供として育てるおおらかさは、「いかにもアメリカ」という美点。 でも、それにひきかえ、不妊治療が盛んに言われる一方、養子ということに拒否反応を示しがちな我々のことを、何と言っていいのだろう?

もちろん、私などが大きな口をきける問題なのではないけれど・・・。

番組の最後に、こうした病気を抱え持つ子供たちは、全国の施設や乳児院でも里親があらわれることはなかなかないと説明が。「こうした子供たちこそ、究極の待機児童なのです」--ナレーションとともに、うつしだされた子供の悲しげな顔・・・瞼に突き刺さるような感じである。

コメント

三つのサッカーボール

2014-01-13 10:57:17 | ノエル

    003

朝っぱらから、変なもの写すなといわれそうですが、実はこれ、ノエルの起きぬけの寝室。なぜ、そんなものを、というなかれ。 青い毛布の中にサッカーボールが幾つかあるのが見えますか?

夕方、散歩から帰ってくるたび、小屋のベッドメーキング(!)をするのですが、その度「もう、なんでこんなものがあるの?」と思いながら片づけていたサッカーボール。

ところが、朝になるとしっかり小屋の中に鎮座しているのであります。 「はは~ん、お母さんが夜、ノエルのところへおやつを持って行く時、おもちゃとして放り込んでやるのね」と思っていいたのですが、母に確認してみると、「知らないわ」とのこと。

そして、目撃したのであります。私がベッドメーキングをした後、しばらくたって、ノエルが小屋の中にせっせとサッカーボールを運んでいるのを。・・・そうか。ノエルにとって、サッカーボールは遊び道具であるとともに、大切なたった一つの財産であったのですね。 愛犬の世界もなかなか奥が深い?

でも、これって昔アニメ「あらいぐまラスカル」でカラスが、木のうろの巣にせっせと光るアクセサリーやきらきらするものをがめていた姿を思い出すんですが・・・

コメント