ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

ノエル通信

2016-05-29 20:26:11 | ノエル

ムシムシする日が続くようになったね。 これから梅雨って呼ばれるシーズンだけど、僕みたいな皮膚が弱い犬種とされる、ゴールデンレトリバーは顔や足に湿疹ができたりして、濡れてただれたようになってしまうこともあるの。  イヤだね。

     それから、あのイヤ~な蚊の奴も勢いをましてくる。
犬には、蚊に刺されたことで感染するフィラリアという致命的な病気があるんだけど、これは月一回、薬を飲むことで予防できるようになっている。

お姉さん(今や、そう呼ぶのは、僕ただ一人だろう)が薬を飲ませてくれる(お肉の味までするようになっているのだ)のだが、そのたびに、ずっと昔に(まだ、こんな予防薬が出回っていなかった頃)7歳でフィラリアのため死んでしまった雑種犬のジュリーを思い出して、悲しい気分になるのだそうだ。


でも、僕、夏は嫌いじゃない。水浴びもできるし、一日じゅうガーデンにいられるからね。

うさぎの島

2016-05-29 19:57:50 | 旅のこと
バス旅行で、大久野島へ行ってきた。

言わずと知れた「うさぎの島」。ここは、もともと第二次大戦中、軍部が毒ガスを製造していたのだが、今は島じゅう、うさぎの楽園になっていて、訪れる人たちを癒している。

こんな可愛いうさぎがいっぱい! 人参やうさぎの餌を差し出すと、人なつっこく寄ってくる。   
         
これは、母が餌を差し出しているのだけど、背高ポーズで、伸びあがるウサギたちのキュートさ……ああ、本当に可愛いなあ。思わず、笑みがこぼれてしまう。

あいにく、雨降りでグレーの空の下、傘を差しながらの上陸となったのだけど、うさぎ達が存在するだけで幸せであります。
この島には、国民休暇村もあり、キャンプ場も整っているなど、レジャーの地になっているのだが、こんな天敵のいない場所にいて、平和そのもののうさぎ。

       こんな巣穴が、斜面のあちこちにあり、中から子ウサギが可愛らしい顔をのぞかせたりも。 
疲れると、こんな風に、地面に掘った(?)浅い穴に体を沈めて、リラックス。 中には、足を投げ出して、休んでいるうさぎの姿も。


島内には、一体何匹のうさぎがいるのでせう?  これからも、うさぎたちがずっと幸せに暮らせますように。


P.S うさぎは、繊細な動物なので、抱き上げたりしないで、とのこと。骨が折れる恐れがあるのだそうです。
    そして、与える食べ物は、ニンジンか「うさぎのえさ」のみ。パンやお菓子、人間の食べものなどをやると、あっという間に体調を崩してしまいます。

おまけ:
行きがけに乗った電車、マリンビュー号の車内に飾ってあった壁かけ。 真ん中がガラス張りになっていて、中にはショーケースのように、⚓や舵輪の小物が置かれています。こういうマリン調のもの、ステキだな。
     

関口知宏のヨーロッパ紀行

2016-05-23 05:46:36 | テレビ番組

何をかくそう、関口知宏さんのファンであります。
おとついだったか、神戸から帰って来た時、TVをつけると、彼の「ヨーロッパ鉄道の旅 イタリア編」が放映されていて、どんなに幸せを感じたか……。

もともとヨーロッパが大好きで、そこを列車で旅するというスタイル自体、「いつかやってみたい夢」なのですが、そこを関口知宏さんが行くと、もうこたえられない面白さ!
何だか、スゴ~クおもしろいキャラクターなんだもの。 歩き方がアヒルみたいだし、顔も堂々と「オジサン」なのに、子供じみた表情することといい、変わってる!

私と同世代ということも、近親感を感じるのかも。 彼がチェコで温泉地をめぐったり、イタリアのカフェでオーナーの老婦人と話し込んだり――見るたびにいいなあ~とため息。

今も覚えているのですが、関口さんが今よりもだいぶ若かった時、イギリスを旅したものがあって、その時森近くに住む、孤独な少年と交流するエピソードがとても良かった。
TVは、あんまり見ない私ですが、彼のヨーロッパ鉄道の旅のDVDがあったら、そろえたいくらいです。 

それにしても、描くイラスト(これが、うまいのだ)、喋り方、笑い方にいたるまで、何だか変わってて、心を惹きつけられるまする。 いつも一人旅の関口さんですが、旅の相棒としたら、すごく楽しそう。

犬文庫

2016-05-22 05:53:34 | ノエル

離れにバーンと鎮座ましましている(?)ノエルの本棚。
その一角に、犬に関する本ばかり集めた、通称「犬文庫」(といっても、私が心の中で呼んでいるだけなのですが)があります。

真ん前には、20年近くも前に死んでしまったシベリアン・ハスキーのナターシャ、初代ノエルのポートレートがなぜか飾ってあるのでありますが…。

全犬種を網羅した犬の図鑑、作家が書いた犬のエッセイ本などにまじって、「盲導犬クイール」、「犬と私の十の約束」などのベストセラーの背表紙ものぞいていたりします。

このコーナーは、ひそかなお気に入りの場所。時々、本を手にとって、「犬」ワールドにどっぷりつかっているのであります

もうすぐ・・・できたらいいね

2016-05-22 05:43:07 | カリグラフィー+写本装飾
月一回ある「写本装飾教室」。芦屋にある「スタジオレターアーツ」へ行くには、三宮で乗りかえて、阪神線に。
この電車の車窓からみる風景が、なんということなく好きです。 阪神間の、静かな住宅街や向こうの山、青空などがくっきり見え、とても平和なムードがあるのです。

さて、この日もコツコツやってきた細密画の彩色。

あと、もう少しであります。来月で完成かな?

そして、この課題が終わったら、後は自分で自由に、好きなものを作っていいのだそう! わ~い、写本の模写がやってみた~い!

ちょっとピンボケの映像ですが、こういう金の文字の中に猫が入っている、ウィットの効いたもの、紋章が中に入っている飾り文字なども作ってみたいでござる。

今年の終わりには、この教室でも作品展が開かれます。 どんなの作ろうかな?

わたしの船長さん

2016-05-19 18:54:11 | 本のレビュー



「わたしの船長さん」 和田英昭 作  講談社

「松ぼっくり」(岡山児童文学会)のメンバーの方が以前、出された本。

主人公悦子は、中学三年生。トランペットが得意で、部活でも演奏に熱中している女の子。
けれど、ある日、突然父が自動車事故で死んでしまう。 あまりに謎めいた死に方に、自殺の噂も流れ、多感な悦子の心は傷つくのだが、ある日電話が鳴る。

相手は、父の死を知らぬようで、「お父さんに伝言を頼んでほしい。ナガシマの船長さんからだといってね」と言うのだが、一体誰なのだろう?

ナガシマとは人名? それとも場所の名前なのか? だが、ひょんなことから回答が導き出される――ナガシマは、長島。ハンセン病患者のための療養施設「愛生園」がある島。そして、「船長さん」は、そこに住む人だった――。

ハンセン病と、「隔離」の歴史という重いテーマなのだが、読後感はさわやか。(深く、考えさせられもするのだけど)
これは、悦子とその家族のまっすぐさ、亡くなった父の人間的な深みから来ているものに違いない。

船長さん、とはもちろんニックネームなのだが、彼は15歳で発病し、島に連れてこられた。そして、瀬戸大橋や長島にかかる橋ができる50年以上もの間、島で人生を過ごし続けたことになる。「最初は、年端のいかぬ少年だったせいもあって、悲しくてたまらず、人生を呪っていたこともある」という船長さん。
だが、やがて、どこまでも生きていってやろう、という気持ちがわき起こり、今では生きてよかったと思うまでにもなったという。

この作品を読んで、十代の頃読んだ、神谷美恵子の著作を思い出した(「生きがいについて」など)。やはり、「愛生園」に精神科医として赴任した神谷美恵子は、ハンセン病の患者さんたちの状態を、愛情こめて書き記しているのだが、その中に「いつのまにか、僕は小さな片隅にある人生を愛するようになった」という青年の言葉があったと記憶している。

「らい予防法」から一世紀もたった今、かつての非人間的な隔離の実態が、明るみにされているのだが、なんとひどいことだったろう。
もっと、事実が広く伝わり、「ハンセン病」隔離の歴史を語り継がねばならない、と思う。 

ある日の日記

2016-05-18 16:54:24 | ある日の日記

日が長くなると、なぜか朝起きる時刻も早くなって、空が明るくなった5時半頃には目が覚めてる。
それから、キッチンでトーストを焼いて、コーヒーと一緒に朝食(これに、チーズ一かけらとか、後で納豆を食べることも多い)。
きちんとメイクもした後、ノエルの散歩ということになるのだけど、早朝のガーデンの美しさを、なんと言っていいのでせう?

早朝の柔らかな日ざしや、露にぬれた葉は、庭の魅力をいやますかのよう。  ガーデンのベンチに座って、そばのノエルを相手に、時を過ごすこともGood!

時には、草取りも手伝ったりするのですが、いらない草をプチプチ摘み取るって、快感であります。  しかし、せっかくきれいにしたと思ったら、早くも別の場所で、小さな草が顔をのぞかせている……ああ。にっくき雑草よ。  ノエルに踏み荒らされて、デイジーの花がぐっと減ってしまったのに、雑草の勢いは変わらず。それも、くやしい?


ずっと友達

2016-05-15 09:23:21 | 本のレビュー

眠る前や、疲れている時は「本」は読みませんです。 マンガを読みます。

個人的には、高階良子さんの大ファンなのですが、はじめて高階さんのミステリー&ホラーマンガを読んだのは幼稚園の時。少女マンガ雑誌の付録だった「赤い沼」だったように思うのですが、それからずっと彼女のマンガを読み続けて幾星霜。今まで出版された、高階良子作品は全部読んでいるといっても過言ではないと思います。

それと同じくらい、つきあいが古く、愛読し続けているのが室山まゆみの「あさりちゃん」。数年前100巻が達成されたと同時に、「あさりちゃん」も終わってしまいましたが、もちろん全巻読んでます。
タタミとあさりの姉妹のキャラや暴力的(?)な姉妹ゲンカ、ギャグにいたるまで、み~んな面白い! マンガの絵も大好きであります。

上の写真は、コミックスではないのですが、記念に出された愛蔵版。ああ、何度読んでも面白い。メガネをかけたタタミの秀才ぶりや運動バカのあさり……彼らはずっと私の傍らにいてくれた得難い仲間。

これからも、ずっと読み続けたいな。ああ、それにしてもあさり達は年を取らないから、うらやましい! 私ももう一度、小学生になりたいものであります。

洞窟の女王

2016-05-15 08:34:43 | 本のレビュー


「洞窟の女王」H・R・ハガード 創元推理文庫
懐かしい一冊! 中学生の時に最初に読み、二十代の頃、再読したのだが、このたび二十年ぶりくらいに読み返した。
門の横にある書庫から探してきたのだが、ガラス棚に入っていたせいか、積み重なる年月にもカバーはほとんど傷んでいない。

この小説は、1886年に書かれたというのだから、今から130年も前の作品。だが、少しも色あせていないどころか、ここに描かれたアフリカの奥地、コールの洞窟、そこに不朽の恋のため二千年の命を長らえる絶世の美女、アイシャの姿が壮大なスケールで浮かび上がってくる。

人一倍醜く、そのため人を遠ざけて生きてきた学者ホリー。彼はケンブリッジの地で研究にいそしんでいたのだが、旧友の息子レオ・ヴィンシィの後見人となる。
輝くばかりの美青年であるレオは、その実、数千年にわたる古い家系の出身であり、彼が受け継いだ箱の中には、驚くべき秘密が。それによると、アフリカの奥地には、不思議な女王がいる。レオの遠い祖先である、ギリシア人の神官カリクラテスは、古代エジプトの王女と禁断の恋に落ちたため、アフリカの果てに落ちのびる。そこで出会った、洞窟の女王=アイシャは、若く美しいカリクラテスに恋をし、彼を手に入れようとする。だが、カリクラテスは女王の求愛を拒んだため、殺されたのだ、と。

ホリーとレオの二人組は、アイシャという女性を見出すため、アフリカに冒険の旅に出るのだが、その未知の大陸、人外境を描く、ハガードの超人的な想像力をなんといっていいのか――コールという有史以前の謎の文明の魅力、洞窟の中に置かれた生きているとしか思えないコールの人々のミイラ(数千年以上も前の遺体が、眠っているとしか見えないのだ!)、巨大な遺跡――眼前に、神秘の王国がまざまざと浮かぶほど。 これほどの筆力を持った、幻想作家もいないのでは? 

信じられないほど美しく、悪の魅力を併せ持つアイシャ。彼女は、レオを見たとたん、いにしえの恋人カリクラテスに生き写しであり、レオが彼の生まれ変わりであると確信する。レオと相思相愛になっていた、現地の娘アステーンを殺しながらも、レオの愛を手にしたアイシャ――だが、悲劇的な結末が待っていた。彼女は、時の復讐を受けるのである。
レオのために、永遠の若さを保つ炎に飛びこんだ挙句、あっという間に年老い、醜い猿のような姿になって死んでしまう。

何より、アイシャという女性の存在感が圧倒的なのである。古代文明が死に絶えた後の洞窟に、はるか昔に別れた恋人を待ちながら、長い生命を保ち続けている女。およそ、現実離れした存在でありながら、人跡未踏の奥地に、アイシャが待っているような気すらしてしまう。 


P.S  
130年も前の英国で書かれた物語。作者のハガードは弁護士の顔も持つ、謹厳なヴィクトリア朝の紳士だったという。そんな人物の内に、こんな圧倒的な物語世界が潜んでいたなんて。でも、天才とはそういうものかもしれない。
私の目には、19世紀も終わりの、ある夜、しじまの中で、「洞窟の女王」を書くべくペンを走らせている作家の姿が見えるような気がする。

母の日のアレンジメント

2016-05-08 15:48:48 | ガーデニング
             
 ガーデンのウサギの置きもの(茶色い瞳がなんともいえない、愛嬌たっぷりの表情をしてるのだ)に、花飾りのように、白い花がよりそっているのも、おくゆかしい風情。

 そして、今日は母の日――上の写真は、宅急便で届けられたアレンジメント。 なぜか、兄の奥さんのご実家から届いたというのでありますが、縄目調の籠に、アレンジされた花の上品ないろどりが素晴らしい!   母も大変喜んでいましたが、私の目から見てもいいなあ、とため息。    
 かすかにスモーキーなピンクがかった薔薇や優しい色のアジサイ、それにブルースターの青といい、シックな花籠。 母の日というと、真っ赤なカーネーションやひどいのになったら、トイプードルをかたどった花の置物などがスーパーや専門のフラワーショップ店頭に並んでいたりするというのに……。



 花は、やっぱりステキな贈り物。 キッチンテーブルの上の置き、目の保養にさせていただきませう。