ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

ヘミングウェイのこと

2019-02-18 18:04:52 | 本のレビュー
数日前、TVの「ザ・プロファイラー」だったかで、作家アーネスト・ヘミングウェイを特集していたので観た。
司会の岡田准一やデザイナーの菊池氏などが、ヘミングウェイの生涯について、それぞれの意見を戦わせていたが、とても面白かった。

   
私も、ヘミングウェイという人にはとても興味があって、昔「インテレクチュアルズ」という歴史上の有名人物(サルトルだとか、トルストイなど)を痛烈に、、その実像を暴いた評伝を読んだことがあった。

だから、番組で紹介されていたヘミングウェイのエピソードも知っていることが多かったのだが、実を言うと、この文豪の作品を読んだことはほとんどない。
中学生の時、短編集と「陽はまた昇る」、「キリマンジャロの雪」を読んだ記憶はあるのだけど、その内容や感想ははっきり思い出せない有様なのである。
要するに、「好き」と言えるタイプの作家ではないのかもしれない。

けれど、その人生は素晴らしくスケールが大きく、波乱万丈で面白い! ヘンな話だけど、高校生の時やっていた通信添削の勉強で、英語の長文問題にヘミングウェイが何度も取り上げられていたことがあって、その記憶がくっきり残っている。

アメリカのジャーナリスト(多分)が、「パパ・ヘミングウェイ」の実像を明らかにしたノンフィクション作品だったのだろう、と今は推測しているのだけれど……。

そこで、記者が見るヘミングウェイの姿はすさまじい。アルコール漬けで、いかにも精神的に破綻している人物の人となりがちらほら。ノーベル賞受賞という世界的な栄誉も、彼に幸せを感じさせはしなかったことが、筆者の冷静な目ではっきり書かれている。
 
筆者が、パパ・ヘミングウェイの元を訪れて話を交わした後、このように言っている。「ヘミングウェイは、確かに二十世紀を代表する文豪であったが、自分が目標としていたトルストイやドストエフスキーには、及ばないことをよく知っていた……」

これが本当に悲しいことなのだけど、晩年のヘミングウェイには、「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」を書いた文豪の、あるいはそれまでの英語の文体を変えてしまったと言われる名文家の面影はなかった。のちのあらゆる作家たちの手本となった、ハードボイルド調の引き締まった文体は、長々としたセンテンスに変わり、作品を創造するエネルギーも残っていなかったとされる。

アフリカでの狩猟に魅せられ、戦争にも従軍したヘミングウェイ――何度も生まれては死ぬを繰り返したかのような、死の危険に身をさらすような生き様は、自分が老いを感じ始める年齢に達する頃には、燃えつきてしまったのかもしれない。

最近、ジャック・ロンドンの伝記「馬に乗った水夫」(アーヴィング・ストーン著。早川文庫)を読み返したのだが、彼もまたヘミングウェイと同じ系列に連なる作家だったことを実感。
だからこそ、占星術師の私生児として、極貧の境遇にありながら、あらゆる冒険や放浪に乗り出したのかもしれない。そして、その結実が、「白い牙」や「野生の呼び声」などの名作だった。
ロンドンもまた、早すぎる老いと共に、四十才で自殺している。


     
これが、子供時代のヘミングェイ。あんまり言われていないことですが、子供時代や若い頃のヘミングウェイは、とても可愛くて綺麗な顔をしているのであります。う~ん、これがのちに、カジキマグロを釣る髭もじゃのおじさんに結びついてゆくなんて、想像しにくい……。

ある日の日記

2019-02-16 20:48:00 | ある日の日記
朝、起きたら買い置きしてあったはずの食パン🍞を切らしていました。
そのため、朝ごはんは、昨夜作ったクリームシチューを温めなおして、☕珈琲と一緒に。

う~ん、煮物って、どうして二日目の方がグンと味が良くなるんだろう? 作った時は、牛乳をたくさん入れても、「いまいち、コクがないなあ」とがっかりする味だったのに、スゴク美味しくなっている!

今度は、近所の方に以前教えて頂いた「塩豚と野菜のスープ」を作るべく、豚肉に塩をまぶして冷蔵庫に入れて置きました。

そして、自転車に乗って市場へ買い出し。 その途中、面白い風景に出くわしたのであります。

上の写真が、それ。いつも通る車道のそばに、なぜか小さな空き地があります。そして冬の頃、そこを通る度に、空き地を悠々と歩いている鷺に出くわすのです。
「この鷺、去年も見たなあ。いや、おととしもいたはず」
思わず、スマホを向けてしまったというわけですが、鷺は水辺にいる鳥じゃなかったっけ? それが、どうして川も用水路もない、こんなところにいるんだろ?

不思議です。 鳥類の生態には、とんと疎いため、鷺が留鳥かどうかも知らないくらいなのですが、鳥にも愛着してやまない場所というものがあるのでしょうか?
単に、となりのお店の人が餌付けしているだけだったりするのかも……(真相は、不明)。




TVの日々

2019-02-13 10:12:03 | テレビ番組
毎日、寒い。出かけるのが億劫だし、ここのところ頭がうまく働かず、活字を読むのが疲れるので、TVを観てリフレッシュしてしいる。
何と言っても面白いのは、「ポツンと一軒家」と「こんなところに日本人」の二つ。

  
数日前、見た「ポツンと一軒家」はスゴーク面白かった! 岡山県のある山深いところに、集落から離れて立つ民家――そこを番組のスタッフが探し当てて行くのだが、他に誰一人通りそうにない(でも、ちゃんとしたアスファルト道)淋しい山道を進んでゆくと、その奥まったところに古い日本家屋がポツン。

その家には、73歳になる女性が一人暮らしをしているのだが、何と女性は生まれてからずーっと、この家に住み続けてきたのだそう。おまけに、その暮らしぶりがスゴイ。 真夜中の3時に、家を出たかと思うと、車を運転して、あの淋しい山道を走らせる(若い番組スタッフだって、おっかなびっくり運転してきたような所なのに)。
こんな草木も眠る頃合いに、どこへ? と思いながら見ていると、やがて車は真っ暗なふもとの集落へ。そして、女性が車を止めたのは、そこだけ灯りのともった平屋の建物で、ここで鯖ずしを作っているというわけ。

女性は、この小さな作業場で、40年も鯖寿司作りのスタッフとして働き続けてきたという。確かに寿司作りだと真夜中から働かないといけないかも。
「車で来られていますが、雪の日などはどうなさるんですか?」と番組のスタッフが訊ねたところ、女性の答えが驚くべきもの。
「その時は、歩きますよ」
「えっ、あの真っ暗な山道を?」
「二時間くらいかかるから、夜中の1時に家を出ますよ」
 さらりと、答える姿に、言葉を失ってしまったのは、私だけじゃないはず。こんな凄い人が、本当にいるんだ……。
そして、「他の兄弟たちは、皆家を出てしまったけど、私は親を見なければならんかったから、ずーっとここにいた」と言い、「外の世界は怖い。ここが一番いい」とも女性は言っていたのだけれど、こんな人生もあるのか……。

そして、昨夜見た「こんなところに日本人」では、イスラエルの危険な国境地域に一人住む日本人女性を特集していた。TV画面に映る土地の映像は美しく、内戦の傷跡などはほとんど見られなかったのだけれど、かの女性が住んでいるのは、旧約聖書に出て来る名前を思わせる村で、その役場で働いている。
いかにも一人で頑張って働いてきたという雰囲気の、中年女性が画面に映し出されていたが、年齢を見ると私と同じ年。
いっそう興味が湧いてきて、熱心に見る。
彼女は、数か月の滞在のつもりで、やって来たのに、すっかりここでの暮らしが気に入り、すでに20年いるのだそう。キブツのメンバーにも迎え入れられ、そこで支給された居心地のいい一軒家にも住んでいる。
独身のまま、村のキブツで働いているというのだが、「ここで骨をうめるつもりです」という女性の表情は、きっぱりしていて、こちらが何か意見を挟むのを拒否するような強さがあった。

「小説なんか読むより、ずっと面白いわ」――これらの番組を観ての感想だけれど、人々の人生模様って、万華鏡のように複雑精巧で、一つとして同じものがない。そのことが、素晴らしい!

寒~い!

2019-02-09 18:05:53 | ある日の日記
  
 上の写真は、クリスマス用に作ったカリグラフィーカード。 今更何で、と言われそうですが、このスノードームやその中に描かれたトナカイや雪がかかっているような樹といい、今の私の気分にぴったりのムードなのです。


冬の寒さが、身にしみる~。

ここ一週間ほど暗い空が広がり、小雨もショボショボ降っていたりする――それで、今日は丸一日家の中で過ごしておりまする。
朝から作った餃子のタネを冷蔵庫で休ませ、夕方フライパン🍳で焼いてみました。 餃子なんて作るのは、本当に久しぶりで、今まで作っていたのとは
まるで違うレシピ(オイスターソースが入っている)でしたが、美味しかったです!

明日は出かける用事があるので、どうぞいい天気になりますように。