ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

ノエルとのひととき

2016-10-26 21:23:15 | ノエル

夕方、散歩に行く前、ノエルをガーデンに放します。
          
 木の枝をかじったりして、楽しそう。

この1週間ほど、私も体調が良く、のんびりと秋の夕暮れを楽しんでいます。以前、ある女性エッセイストが「もうミッドフォーティ(40代半ばということですね)だから、どこか悪いのが当たり前」というようなことを言っておられましたが、体も気分もいい、ということに勝る幸せは、本当にありませんね。

しみじみと、ノエルと過ごすひととき。飼い主の欲目かもしれないのですが、ノエルという子はとっても可愛い顔をしてると思います! 
  

秋のガーデン

2016-10-26 21:06:30 | ガーデニング

  ノエルハーブガーデンにも、秋の気配が押し寄せてきました。
 この灌木(?)も、赤銅色に色づき始め、綺麗。
      

                   

   白いシュウメイ菊も、夕方の光に浮き出ていて、風情ありげ。秋の花は、時節がらどこか寂し気なのですが、夏の花にはない奥ゆかしさが感じられて好きです。

 
残り少なくなったコスモスも。本当に綺麗だし、たくましい生命力も持っているのですが、摘み取ったとたん、クシュンとなってしまう花でもあります。
コスモスの花束を、お手洗いのところの、ガラス瓶に飾ってもすぐ、しおれてしまうのです。 土の上でないと、いけないのでしょうねえ。

  
これは、温室前にずっと飾っているウェルカムボード。何年も前に、自宅ギャラリーに出品して頂いたこともあるトールペイント作家さんに作って頂いたものです。
前のノエルの子犬時代から、大人になった姿までを写真をもとに、三つの肖像画仕立てにしたものなのですが、足元の白いマーガレットの花もノエルらしくて気に入っています。

  

今、製作中

2016-10-26 20:55:11 | カリグラフィー+写本装飾

先週末の芦屋教室。 いつも、ランチを取る「西村珈琲店」で一服。

教室の皆さん(少人数なのですが、うち半数の方が、ご自分もカリグラフィーの先生をしていらっしゃいます)も、12月の作品展に向けて、準備されています。
やっと、製作に取りかかりはじめた私は、ちょっとあせり気味


羊皮紙(これは、ヴェラムという仔牛の皮を使った高級なもの。お値段は張るのですが、白く滑らかな美しさを持っています)いっぱいにちりばめられた金箔を
やっとこさ全部貼りおえ、彩色に取りかかったところです。

でも、色を塗った後も、金泥でハイライトを作ったり、細密画のところもめんどくさそう……。

ウ~ン…。

ある日の日記

2016-10-19 20:20:21 | ある日の日記
年に3~4回行くことになっている歯科医院の定期検診に。
30分ほどかけて、口の中をクリーニングしてもらったりするのだけど、今回「小さな虫歯ができてます」だって。
イヤだなあ~。
でも、なぜか「初期の虫歯なので、削る必要はないのでこのまま、様子を見ますね。きちんと歯磨きしておいてください」の言葉。なぜ、即治療をしないのか?
よう、わからん。

そのままてくてく歩いて帰宅。歯科医院があるのは、昔の街道と言われる筋で、ところどころに昔ながらの建物がある。石の小さな柱が立ち、「矢坂本陣跡」の文字が彫られていたりするのだが、由緒ある建物なんぞとっくになくなって、「ディケアセンター」になっている。 お殿様が泊まった宿があった場所が介護施設になっているなんて、いい使われ方なのかな?

帰宅して、しばらくボケッと休む。ガーデンのベンチに座り、新聞を広げると、「おおっ」と言いたくなる面白い記事が!
「昆虫料理を一緒に食べませんか?」の見出しで、一人の男子学生が大きな皿を目の前にかざしている写真が載っている。
白い皿の上には、コガネムシらしき黒い甲虫がてんこ盛り……なんか見るだけで気持ちが悪くなりそう……。

記事によると、この大学生は通信販売で、食料用の昆虫を幾種類も買ったそう。自分でも、まだ昆虫を食べたことはないそうで、「どなたか、我々と昆虫食の冒険をしませんか?」と勧誘を誘っているのであった。
ちなみに、彼の大学での研究は、ゴキブリであるそう――う~ん、つわものでありますな。

他にも、カイコの幼虫とか、イナゴとかも食べるらしいのだが、好奇心だけは人にひけを取らない、と自信を持っている私でも、この食事会への招待はごめんこうむります。
(参加費もいるらしい……1500円だとか、何とか。高いような気がする……それどころか「あっぱれ。よく、食べた!褒美をとらせる」と表彰してもらいたいぐらいのもんである)

皿に盛られたコガネムシの黒くつやつやとした胴体や、もぞもぞとした細い肢などを見ると、背中のあたりがムズムズしそう――よせばいいのに、カイコの天婦羅なども想像したりする私。

夕方、ノエルの散歩に出かけると、土手の上の道で、そばの籔から一匹の獣が! 猫がこんなところに! と思っていると、金色がった毛の小動物は、ボタンのように黒く丸い目をこちらに向けたかと思うと、たちまち、姿を消してしまった。 あれは……間違いなくイタチ!  テンでもオコジョでもないだろう。
こんな野性動物を見るのは、ここを通って二十年以上になる今まで、初めてなんじゃないかな。 イタチの可愛さ、珍しさに思わず、感動したです。

絵画の休日――ある日の日記

2016-10-16 21:22:05 | アート・文化
海辺の街で、日本人画家たちがフランスを描いた作品展が開かれているというので、行ってきました。
つまり、荻須高徳、藤田嗣治、小磯良平といった名匠たちの、本物の絵が見られるというわけ。
    
ご近所のNさんの車に乗せてもらい、Bさん、母との4人でドライブがてら、絵の鑑賞に行ったのですが、やっぱり「ホンモノ」は凄い!
堂々たる額(これが、それだけで一つの重厚な美術品のように趣があるのです)に挟まれた絵は、油絵具のテラリとした輝きが、何十年もたっても、「まるで今描かれたばかりのよう」な新鮮な命を与えているかのよう。

そして、気づいたのですが、荻須や佐伯が描いた戦前のパリの風景は暗いですね。いや、戦前と言わないでも、ベルナール・ビュッフェ(フランソワーズ・サガンの小説の文庫本の表紙がすべて、彼の絵だったことを思い出します)の絵とかでも、暗い。
これは時代や、芸術の潮流というよりも、本当に昔のパリの街は、壁が黒ずみ、煤けたように暗かったのでしょう。パリが今見るような、歴史の重みを十分に感じさせながら、明るくモダンな都会になったのは、1968年の5月革命の頃だったか、ド・ゴール大統領のパリ改造計画が実施された時からだったと聞いたことがあります。

  美術館を出た後、昼食。
   
うわっと言ってしまいそうでしたが、これは店内の水槽で泳ぐウナギたち。ここは、ウナギ料理店なのであります。が、このウナギたちを見ると可哀そうになってしまい、私はエビフライ定食を食べることに(なかなか、ボリュームたっぷり)。
しみじみ見ていると、ウナギはやっぱり蛇の親戚では? と思ってしまうのでした。本物の蛇は、気味悪くて仕方ないくせに、蛇が出てくるような怪奇ものとかホラーが好きな私。

農園にて

2016-10-16 20:44:59 | ガーデニング
秋たけなわの、ある日、郊外の農園に。 近くには、吉備の古墳や五重塔が点在するという、吉備の国の面影が彷彿とする一帯である。

ノエルハーブガーデンに植える花があればなあ、という気持ちからだけれど、実はこのガーデン、今や、ノエルのためのドッグランと化してしまっているのだ。
だから、二年ほど前まで見事な群生を誇っていた、コスモスも淋しいくらいかな?  ブログで紹介できるようなものではなくなってしまった……悲しい。

しかし、これからカイの木も真っ赤に紅葉し、秋の庭の風情が庭全体に漂うようになるはず――その時が楽しみ。

        
農園の入り口を入ると、ハロウィーンのセッテイングが!  自分でも、カボチャをくり抜いて、目と口を作って楽しめるようになればいいんだけど、そこまでなかなか、であります。
しばらく来ないうちに、模様替え(?)でもしていたのか、草花や植物のコーナーがちょっと品数が少なくなっている代わり、『動物』の置物がいっぱい、売られていたよ。

   
ノエルそっくりのゴールデンの置物は、オレンジのスカーフまで巻いて、小粋に。

ガーデンエクステリアの一種として、動物の置物が色々あるけれど、ここはさながら植物園の中の動物園か? と言いたいほど園内に動物たちの姿が。

  

               
こんな具合。 何だか楽しいのであります。

 でも、私の一番のお気に入りは、この
黒ラブの置物――大きすぎず小さすぎず、という絶妙なサイズに、生き生きとした表情豊かな目! 置物でも、よくできているものは、不思議な存在感を醸し出すもの。
ガーデンに置きたいくらい(ノエルの友達としても良いかも)くらいだったけれど、お値段も高め(良いもんは、たいてい、それなりに、値が張るものだな)。で、あきらめることに。


  帰る途中、寄ったカフェは「珈琲と人」というセンスがないのか、ユニークなのかわからないネーミングのお店。
民宿だった建物を改造して作ったというカフェは、下駄箱の置いてある入り口からごちゃごちゃとした雑貨の置いてある、とりとめのない変な店。中も、和室やら段差のある小部屋と廊下のつながった、変てこりんさ。
しかし、出された珈琲は、ややきつめの味わいであるもののおいしいし、ブルーベリーチーズケーキはどっしりと濃厚。サービスで添えられた小皿のお菓子も、とてもおいしい(写真では、よく見えないもののロシアのマトリョーシカ人形の形をした、小さなクッキーまであるのだ)。

お店って、結局「味」が人気を決めるのですね。
              

やれやれ・・・

2016-10-12 20:55:24 | カリグラフィー+写本装飾

年末の作品展に出す、写本の模写――正確には、15世紀頃のフランスの写本らしい。

見たら、一目瞭然だけれど、中央の細密画の部分が違う。右のオリジナルの方のは、いかにも宗教画という感じなので、犬と少女の図像が可愛らしく見えた、別のものに変えたのだ。

これから取りかかるというところで、クルミインクで羊皮紙にトレースしただけ。

ゴシック体で短い文章も書かねば――金箔張りも、彩色もね。 間に合うと、いいけれど。

ああ、読みたい!

2016-10-12 20:11:31 | 本のレビュー

上の写真は、岩波書店が発行している児童書のガイドブック。 ふとしたことから、この出版社が本の解説ガイドを無料で、送ってくれるということを知り、申し込んだところ送られてきたのだ。

でも、こんな立派な本とは思わなかったな……きっちりとした厚みのあるガイドブックの表紙は、あの懐かしい子ザルのジョージ。幼稚園の頃、この絵本のシリーズが大好きで、ぼろぼろになるまで読んだものだっけ。 ジョージの愛らしさや黄色い帽子のおじさんのキャラクターも大好きだったけれど、この絵本独特の色彩が今も、心に残っている。

黄色もブルーも、赤も不思議なニュアンスがあって、このシリーズに匹敵するものとしては、「リサとガスパール」のカラフルな色彩世界しか知りませぬ。

閑話休題。話がすっかりそれてしまったけれど、赤い表紙の中身も、まるごと一冊の本を読むような充実度! この上品さ、選び抜いた審美眼の確かさ―ーさすがは、天下の岩波。

面白そうな児童文学がズラ~リと並んで、この2年以上、児童文学を学んでいる私としては読みたい本がいっぱいなのだ。特に岩波少年文庫には、惹きつけられるものが……。

このガイドをもとに、今まで読まずにきたエンデの「モモ」も読んだし、ケストナーの「エーミールと探偵たち」も読んだ。特にお気に入りは、アメリカの作家カニグズバーグ。
彼女の本は、まだ数冊しか読んでいないのだが、「クローディアの秘密」は知的な謎解きゲームの様相もある、素晴らしき傑作。

と、知ったようなことを言っているけれど、この少年文庫もまだ、読みはじめたばかり。 輝く児童文学の宝庫を開くのは、これからというところであります。

そして、うれしい驚きも。個人的に大好きな作品、「思い出のマーニー」(ジブリ映画のも、負けずおとらず好き)は角川書店の文庫でしか知らなかったのだけれど、この岩波書店からも出ているのだ。訳者が違えば、作品の雰囲気もだいぶ違ってくるのかな?  読み比べてみるのが、楽しみ。

イングリッド・バーグマン

2016-10-10 20:55:30 | 映画のレビュー

映画「イングリッド・バーグマン」を観に行く。 よくある伝記映画と思えば、さにあらず。大女優イングリッドの人生と人となりを、プライベートなホームムービーと子供たちの証言でつづった、ドキュメンタリーなのだ。

イングリッド・バーグマンと言えば、ギリシア彫刻のように堂々たる美貌、スケールの大きな存在感が、すぐ浮かんでしまう。ハリウッド史上には、幾多の大女優や名女優がいるけれど、その中でも群を抜く、ほれぼれするほど、「素晴らしい顔」の持ち主なのだから。
オードリー・ヘプバーンのようなアイドル的な可愛らしさとは、違う。けれど、清純な処女神を思わせる清潔感と、品格――折り紙付きの演技力とは別に、スクリーンに登場するやすべての人々を魅了してやまなかったのも、むべなるかな。

ただ、女神のような顔を支えるボディーは、ちょっと、というところ。背が高すぎ、骨太過ぎ、まるで農婦のような体つきなのだ。イングリッドより少し前の、やはりスウェーデン出身の大女優グレタ・ガルボも、そうだった。「神聖ガルボ帝国」、「北欧のスフィンクス」と形容された絶世の美女、ガルボ。だが、首が太く、胴も太く、丸太のような体形だったのだ。
今は亡き、名映画評論家の淀川長治さんが、「バーグマンねえ……私はあまり好きじゃないですね。垢抜けしないスウェーデンの、という感じですね」とどこかで書いておられたが、大スターになっても、どこか素朴なもっさりした雰囲気があるのが、彼女の魅力だったのでは?

誰もが魅せられる美しさと、まっすぐな人間性や善良さを感じさせる佇まい(これは、男優で言えば、グレゴリー・ペックやロバート・レッドフォードに共通するものではないか、と思う)――しかし、イングリッドは反面、大胆な冒険心と情熱の持ち主でもあった。

そうでなければ、ハリウッドでの名声を地に投げつけて、イタリアのロベルト・ロッセリーニ監督と彼のリアリズム映画に身を投げ出すはずはないからだ。

若い頃のイングリッドは、確かに美しい。当時のきらめく傑作群での、彼女も輝き続けるだろう。しかし、私が最も惹きつけられるのは、ハリウッドや世間の良識を敵に回した、ロッセリーニ監督とのコンビ作でもなく、晩年に主演した「秋のソナタ」である。

ここで、芸術への愛のため、娘を捨てたピアニストの姿は、最初の結婚で生まれた娘ピアへの心情につながっているかもしれない(実生活では、4人の子供たち皆と良好な関係を結んでいたとしても)。

4人の子供たち(もう、みなすっかり老境に達しているけれど)が語る、母親としてのイングリッド。深く愛された「母」としての素顔を知るにつけても、イングリッド・バーグマンとは魅力的な人だったのだなあ、とため息。 こんな大スターは、20世紀と共に、消滅してしまった。

名探偵コナン

2016-10-08 21:37:07 | 本のレビュー

こないだ買ったマンガ、「名探偵コナン90巻」。

マンガというものを、あんまり読まなくなったなあ~と思うのだけれど(私説ですが、若者でないのに、マンガ好きというのは、心が若い証拠だと確信してます)、細く長く続いているのが、このコナンとの付き合い。 今を去る20年も前、喫茶室で毎度楽しみに、「少年サンデー」を開いて、お目当てのコナンを読んでいたもの。

あれから、私は年を取ったのに、コナンは今も小学1年生のまま。そして、コナンを子供の姿にしてしまった「黒の組織」の秘密もい~っこうに進展しないまま。それやこれやでもう90巻……おい、いい加減にしないとすぐ100巻来てしまうぞ、と作者の青山剛昌さんに言いたくなってくるぐらいなのですが、謎が謎をひっぱり、飽きさせない、このマンガ。

この魅力って不思議。大体、個人的には、長~い話や長編が苦手だというのに……。 「黒の組織」の謎の美女であるクリス・ヴィンヤード。その実体はアメリカの女優なのですが、その死んでしまった母親シャロン・ヴィンヤードも女優。しかし、実はシャロンとクリスは同一人物!
そして、クリスは20年前から少しも年を取っていない、という謎――う~ん、気になる。気になってたまらない! のですが、コミックが出るたび、飛びついても、子供になった名探偵コナンが謎解きをする、小さな事件ばかりで、なかなか大団円へと向かわないのであります。

色々、ミステリを読んできたけれど、こんなにじらされ、待たされる作品にはお目にかかったことがありませんわ